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ブロガーイベント復活は「限界論」の突破口か【日経ネット】
http://www.asyura2.com/07/it10/msg/348.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2008 年 3 月 01 日 16:02:12: YdRawkln5F9XQ
 

ブロガーイベント復活は「限界論」の突破口か【日経ネット】
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT11000029022008

 これはブロゴスフィア(ブログの言論空間)進化のキザシなのだろうか。「ブログ限界論」で2007年が暮れたブロゴスフィアだったが、08年に入りブロガーイベントが相次いで開かれ、新たな状況を生み出し始めている。これは2004―05年にかけて盛んにリアルイベントが開かれ、ブログの普及を後押しした状況に似ている。イベントはコミュニティーを活性化し、新たな状況を生み出すことがある。ブログは新しいステージに入れるのだろうか。(ガ島流ネット社会学)


■リアルイベントで活気を取り戻したブログの世界

 「2004―05年ごろのブログイベントの雰囲気に似ていませんか」――。ブロガーイベントのひとつに参加して、あるブロガーとこんな会話で盛り上がった。参加者は自分のブログを紹介しながら名刺を交換し、ブロゴスフィアの話題について花を咲かせる。異なるのはブログの裾野が広がったことによって、広告、PR(広報)、ネット家電といったテーマ別のブログのイベントが成立するようになってきたことだ。

<拡大>

年末開かれたイベント「突き抜けろ!限界論 -第8回OBIIミーティング」には多数のブロガーが集合

 既存のマスメディアはウェブとリアルの世界を対立軸として見る傾向にあるが、実際は密接に結びついている。ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)だけでなく、2ちゃんねるにしても「オフ会」と呼ばれるリアルイベントが行われている(「大規模off」というスレッドもある)。内容はゲリラ的なもの、勉強会、親睦会など様々だが、どのようなものであれオフ会の前後はウェブへの書き込み、コミュニケーションが活発化することが多い。

 ナレッジマネジメントを推進するために企業コミュニティーと知識の関係について論じた「コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践―」(翔泳社)にもオフラインでのイベントがオンラインでのコミュニケーションを活性化させる事例が紹介されている。


■ブログネットワークから新たな動きが生まれる

 ブロガーイベントは「無敵会議」から始まったと言ってもよいだろう。人気ブロガーとして知られている「百式」の田口元氏と、「Passion For The Future」の橋本大也氏が主催する異業種交流会は、2004年1月から12月まで毎月連続して行われて1000人以上を動員した。同じく04年3月には「木村剛とブロガーのオフサイド取引」が開かれた。

 ブログ「小鳥ピヨピヨ(a little bird)」が、コンサルタントの木村剛氏が運営している「週刊!木村剛」に送信したトラックバックがきっかけとなり、サッカー日本代表のワールドカップ予選の観戦イベントを開催。年末には、フューチャープランニングネットワーク(FPN)がアルファブロガーの企画をスタートさせた。2004年は日本のブロゴスフィアにとって非常に重要な年であった(ほかにも、共同通信記者ブログのライブドア騒動や新潟県中越地震でのブログ活用への注目もあった)。

 「ブログ限界論」に火をつけた、2人のブロガーが主宰するRTCカンファレンスは、FPNの関連イベントとしてスタートした。私が仲間と運営している勉強会「大手町ビジネスイノベーションインスティテュート(OBII)」も、FPNやRTCのサポートを得ながら始まった。08年に入って開かれたブロガーイベントのスタッフもFPN、RTCなどの参加者がいた。

 これらのイベントは、特定の分野に関心を持つ人たちのコミュニティーを形成する。業務の悩みを相談し、若手ビジネスパーソンにとってはメンターやロールモデルを見出す場となる。ブロガーネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)といったベンチャー企業を生み出し、集まりをきっかけに転職したりフリーとして活動し始めたりする人もいる。ブログイベントから生まれたコミュニティーは、ビジネスネットワーク、人脈のプラットフォームにもなっている。


■コミュニティー活性化の7原則



画像提供:アマゾン(アマゾンのサイトにリンクします)


 前述の「コミュニティー・オブ・プラクティス(実践コミュニティー)」は共通の専門スキルやある事業へのコミットメントによって非公式に結びついた人々の集まりを表す概念であり、この本ではグローバル企業におけるコミュニティー形成の事例が紹介されている。一方で、インターネットは場所や組織を超えて人がつながる仕組みだ。共感の広がりによってつながったブロガーの作り出すコミュニティーも、イノベーションを生み出す実践コミュニティーと言えるのではないだろうか。

 実際、マーケティング系ブロガーの飲み会では、親睦だけでなく、口コミマーケティングの問題点やガイドラインの必要性について真剣な話し合いも行われた。もう一歩進んで、社会の枠組みのなかで実践的な知や成果を紡ぎだすことができれば、ブログコミュニティーの価値は一層高まるであろう。

 実践コミュニティーを活気あるものにしていくために、この本では以下のような7つの原則を導き出している。これから多くのコミュニティーが生まれるとすれば、もしくは停滞しているコミュニティーがあれば、7原則を参考にしてもらいたい。

1.進化を前提とした設計を行う
2.内部と外部それぞれの視点を取り入れる
3.様々なレベルの参加を奨励する
4.公と私それぞれのコミュニティー空間を作る
5.価値に焦点を当てる
6.親近感と刺激を組み合わせる
7.コミュニティーのリズムを生み出す

 一方、コミュニティーのマイナス面についても言及がある。コアメンバーがコミュニティーに過度な所有者意識を持ってしまったり、派閥が出来上がってしまったりなど、メンバーの人間的な弱さによってさまざまなことが起きると指摘している。

 特に、意思決定に影響を及ぼさないコミュニティーは「まるで家畜にたかる『アブ』のように、組織の抱負と現実とのギャップについて盛んにはやし立てるようになり、最悪のものになると、愚痴のコミュニティと化して、メンバーの不満のはけ口となるだけで、率先して変化を起こすことは決してない」と指摘している。

 以前のコラム「企業の「パラダイス鎖国」と2枚目の名刺のススメ」で紹介したように、ブログでのつながりは「よそもの・わかもの・ばかもの」を結び付けるが、組織に閉塞感がある場合はコミュニティーがマイナス面に陥る場合もある。ブログとリアルイベントが作り出すコミュニティーが、組織の壁を超えて価値を生み出す実践コミュニティーへと成長し、イノベーションを生み出していく「場」として注目されるようになれば、ブログは社会の中で新たな役割を担うことができるだろう。


-筆者紹介-

藤代 裕之(ふじしろ ひろゆき)

ブロガー@ガ島通信

略歴
 1973年徳島県生まれ。広島大学文学部哲学科卒業後、徳島新聞社に入社。社会部で司法・警察、地方部で地方自治などを取材。文化部では、中高生向け紙面のリニューアルを担当し「若者の新聞離れ」対策に取り組む。徳島大学付属病院医療情報部助手を経て、マイネット・ジャパンアドバイザーなど。日本広報学会、情報ネットワーク法学会、会員。2004年9月にブログ「ガ島通信」をスタート。メディアやジャーナリズムに関する議論から身辺雑記まで、幅広い内容を発信中。ブログ、メディアに関する執筆、講演多数。「ブログ・ジャーナリズム」(野良舎)、「メディア・イノベーションの衝撃」(日本評論社)。


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