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淡路九条の会高遠菜穂子さんを招いてイラク報告会を開催(JANJAN)
http://www.asyura2.com/07/kenpo1/msg/452.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 5 月 09 日 15:46:19: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.janjan.jp/world/0705/0705085166/1.php

淡路九条の会高遠菜穂子さんを招いてイラク報告会を開催 2007/05/09

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 淡路九条の会高遠菜穂子さんを招いてイラク報告会を開催:8分00秒[Clipstream Video]


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 5月4日、洲本市文化体育館しばえもん座で、淡路九条の会(野村純弘代表)主催による、憲法施行60周年記念、イラク支援ボランティア高遠菜穂子(37歳)イラク報告会が開かれた。

 昨年10月29日発足した淡路九条の会2回目のこの講演会には約300名の参加者があり、一般の新聞やテレビには出ない、過酷な状況にあるイラクを支援している高遠さんの報告に驚きをもって耳を傾けた。

 これまでJanJanでもさまざまな市民記者が高遠さんの講演を記事にされているので重なる点があると思われるが、日本国憲法施行60周年を機に、非暴力を信条としてイラク支援活動をする高遠さんの最新の声を改めて伝えたい。

 講演は前半ではイラクの現状を、図表と映像を交えて分かりやすく説明した。高遠さんの友人である元イラク軍兵士カーシム・トゥルキ(31歳)さんが撮影した劣化ウラン弾や白リン弾で殺されたと思われる生々しい遺体や、イラク政府の治安機関によるスンニ派住民の拷問死体の映像は参加者に衝撃を与えた。これらの出来事はイラク国内のメディアはまったく報道しないので、南部サマワなどイラクの他地区の住民は米軍や現イラク政府が何をやっているのかまったく知らないという。

誰もが責任を取れない
 高遠さんはイラクが他の周辺イスラム諸国に比べて宗教色の薄い国だと言った。 今ではイスラム教スンニ派とシーア派が「仁義なき戦い」で殺し合いをしていると見られているこの国が、イラク戦争前までは家族や親族のなかでも宗派が違うことはよくあることで、結婚もイスラム教徒とキリスト教徒が普通にしていたし、そのことによって人々の生活はまったく支障がなかったと強調した。

 ところが米軍が侵攻してから、国境がなきものになり、周辺諸国からアルカイダ系の反米武装勢力や、過激なイスラム原理主義者などが入ってくるようになり、米軍の掃討作戦で一般住民が犠牲になるたび、米軍に復讐を誓う人びとが彼らにリクルートされていった。

 二次にわたるファルージャ攻撃(沖縄からも海兵隊が行った)では、多くの住民が虐殺され、遺族が次々とレジスタンスに加わり、米軍に反攻をする。それが米軍の掃討作戦を招きますます犠牲者を生むという悪循環が繰り返されている。

 当初は外国人武装勢力と地元レジスタンスは協力関係にあったが現在は決裂し完全に敵対関係になっている。その理由はいわゆる自爆テロと呼ばれる市民を巻き込んだテロ行為である。地元のレジスタンスは地元住民を犠牲にするこのようなやり方をまったく容認していない。

 2005年1月のイラク初めての国民議会選挙ではスンニ派地区住民は空爆などで米軍に邪魔をされて投票ができなかった。その影響で圧倒的多数でシーア派が権力を握ると政府の治安機関をシーア派が乗っ取り、スンニ派住民に対して無差別テロをやりだした。米軍もそれを放置してきたため宗派の対立は深まり、現在でも毎日何百人ものスンニ派住民が殺され続けているという。

 現在治安面でイラクの地域を3つに分けると、北部クルド人地区は復興も進み治安も回復しているが、バクダッド西部のイスラム教スンニ派住民が多く住む地区は戦争状態が続いており、バクダッドや南部のシーア派地区も「スンニ派狩り」をやるシーア派民兵が猛威を振るっているという。

 現在のイラクの対立の状況は一言で言い表せない複雑な様相で、米軍も含めて誰もが責任を取れない混迷した状態になっているという。

 後半では日本のNGOのイラク支援について説明、2006年の日本のイラク支援をするNGOや個人の合計支援金額 は2億3,500万円で2007年には3億円に達するだろうという。これらの多くは医療支援に使われている。

 現在高遠さんはイラクに入れないので、ヨルダンのアンマンでイラク人現地スタッフと打ち合わせをして米軍に破壊されたファルージャの再建支援を行っている。主に学校再建や診療所再建を目指して、日本で講演会をして得たカンパをもとに奮闘しているという。

日本人は「平和の民」か
 最後に質疑応答があり、参加者からの
――米軍の後方支援を自衛隊が続けているが、そのことに対するイラクでの反応はどうか、イラクの人たちは日本のことをどう思っているのか――との質問に、高遠さんは2003年から2004年にかけてイラクに滞在したときは、イラクは子供から大人まで親日家が多く欧米人に反感を持っても日本人だけがウェルカムだった。

 第2次大戦で広島・長崎に原爆を落とされ日本が大きなダメージを受けたことは、イラクだけでなく中東に行けば誰でも知っている。それにもかかわらず戦後60年の平和な歩みでトヨタ、ニッサン、ソニーなどに代表される経済発展を成し遂げた日本を賞賛する人は多い。もう一つ付け加えると日本の平和憲法もよく知られた存在で、日本は軍隊を持たないで戦後発展してきてすばらしいと尊敬されている。「日本人は軍隊を持たない平和の民だ」という人はこちらがびっくりするほどいる。

 日本に対する考え方は地域によってさまざまで、サマワは米軍がいないので住民はアメリカがイラク西部のスンニ派住民地区でひどいことをやっているのを知らない。自衛隊の活動がサマワで歓迎されたのは事実だが、それは「サマワは東京のようになるんだ!」といったような経済大国日本にかける過大な期待感だった。

 サマワに自衛隊が来たとき、住民は大フィーバーしたが、なんで平和の国日本に軍隊があるのだ?とびっくりした人も多かった。イラク人は今、平和の国日本(憲法九条)のイメージと、迷彩服を着て米軍に協力する自衛隊の実情があまりに落差があるので戸惑い混乱している。

 実際何年間も米軍に包囲され殺され続けているイラク人は、自衛隊が米軍の後方支援をしていることに怒っている。それで自分たちのイラク支援も、日本政府からの支援だと断られることが多いので、日本の名前を隠したり、民間からの援助だと言い訳したり大変だ。

 イラク人スタッフと打ち合わせをするアンマンでも日本人と会っているとスパイとみなされるので目立たない場所を使っているという。

 またもう一人の参加者からの
――過酷な状況に生きるイラクの若者と、彼らを知る高遠さんは、日本の若者に何を伝えたいか――との質問に対しては、先月来日した現地イラク側ボランティア・スタッフのカーシム・トゥルキさんと一緒に各地でイラク支援を訴える講演会をしたことを紹介。そこでカーシムさんは友人や従兄弟が殺されたことや自分も米軍に逮捕され、命がけで活動をしていることを話したが、その時日本の若者が「思っていた以上イラクに関心をよせ、分からないなりにも、一生懸命知ろうとしてくれていることに嬉しく思った」と言っていたという。そして日ごろ自分は無力感を感じている若者とよく接するし、自分も無力感にさいなまれ落ち込んでしまうことも多いが、そんなときはこう考えるという。

 「一人では人間微力だが、無力感を持っている人間も大勢集まればすごいエネルギーを出し、行動すれば前向きな力になると」

イラク報告会で感じたこと
 高遠さんは非暴力にこだわってイラク支援をしているが、イラク人スタッフ、カーシムさんは高遠さんと初めて出会ったとき、そんな理想主義は暴力が支配するイラクでは通じないと思った。しかし微力な理想主義でも高遠さんが手がけたストリートチルドレンに対する援助は着実に成果をあげカーシムさんは変わった。

 世界最大の米軍の軍事力をもってしてもイラクの暴力は止まらない。その米軍と一緒に戦争ができる国になることを、九条改憲を目論む日本人は覚悟しているのだろうか。イラクの現実を直視すると、自衛隊の米軍に対する後方支援はイラクの人々を傷つけている。日本には平和憲法がよく似合う。

(郷一成)


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