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【「存続・廃止」を検討するだけでいいのか(前編)】宮崎勤、宅間守らが残した"難題" 「死刑制度の穴」を見る
http://www.asyura2.com/07/kenpo2/msg/342.html
投稿者 passenger 日時 2008 年 12 月 11 日 04:33:16: eZ/Nw96TErl1Y
 

【「存続・廃止」を検討するだけでいいのか(前編)】宮崎勤、宅間守らが残した"難題" 「死刑制度の穴」を見る


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http://www.cyzo.com/2008/12/post_1268.html

「存続・廃止」を検討するだけでいいのか(前編)
宮崎勤、宅間守らが残した"難題" 「死刑制度の穴」を見る

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今年6月、死刑が執行された宮崎勤。
篠田氏は、10年以上も彼と交流を持
ち続けてきたが、「最後まで反省と贖
罪の言葉は聞かれなかった」(篠田
氏)という。
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 故・三浦和義、田代まさし、三田佳子の次男など、ワイドショーで騒がれた"ヒール"から、宮崎勤、林眞須美、小林薫といった"凶悪犯"など、マスコミが無視する彼らの「生の声」を雑誌「創」に掲載してきた同誌編集長・篠田博之氏。数多くの犯罪者と接してきた同氏が、自著を通して世に投げかけた問いが「罪を償うとは何なのか? 現行の死刑に、どのような効果があるのか?」といった難解なもの。裁判員として「人を裁く」立場になる可能性がある中で、そうした課題に思考をめぐらす義務が国民に求められている。


 1988年から89年にかけて、東京・埼玉に住む幼女4人を次々に誘拐、殺害し、遺体を食べるなどの凶行に及んだ宮崎勤。04年、奈良県に住む女児を誘拐、殺害した後、遺体の写真をメールに添付して、母親の携帯電話に送りつけた小林薫。01年、授業中の大阪教育大学附属池田小学校に侵入し、手にした刃物で児童、教師を次々に刺し、8人を殺害した宅間守。

 いずれも、耳を塞ぎたくなるような凶悪事件の犯人たちだ。3人には死刑判決が下され、宅間は04年9月、宮崎は今年6月に執行されている。月刊「創」編集長の篠田博之氏は、宮崎、小林に関しては本人との文通や面会など、宅間に関しては、獄中結婚した女性らを通じて、3人とかかわってきた。


「3人の死刑囚とのかかわりを通して、今の司法システムや死刑という極刑は本当に、人を裁き、凶悪犯罪を抑止するために有効に機能しているのか、という疑問を抱き続けてきました」

 今年8月に刊行された『ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)は、篠田氏のそうした思いをまとめたものだという。

「宮崎、小林、宅間の3人についてまとめようという気持ちは以前からありました。なぜこの3人かというと、家庭、特に父親との関係が複雑であるとか、社会的に弱い存在である子どもを狙った犯罪であるとか、すごく共通性があるからです」

 両親をニセモノと呼んで忌避し、父親の自殺に「胸がスーッとした」と語った宮崎。最愛の母の死後、父親に突き放され続けた小林。権威主義的な父親に激しい体罰を加えられ、幼い頃から反発していた宅間。3人とも、精神鑑定で「反社会性人格障害」と診断されている。つまりは社会との関係をうまく保てないということだが、そんな彼らにとって、家庭とはどのような場所だったのか。篠田氏は、社会のどこかが壊れ始め、家族が崩壊し始めている現実を3人が体現していたのではないか、と分析する。もちろん、不遇な家庭環境や、不幸な生い立ちをもって凶悪な犯罪が許されるわけではないことは承知の上だ。

「どの事件も、その時代の社会を反映しています。動機や背景など、事件の根本的な原因を解明していかなければ、同種の犯罪はこれからも起こり続けるでしょう。ところが、今の司法のシステムというのは、処分を下すことにばかり力が注がれていて、真相解明という面がおろそかにされている。厳罰化による恐怖で犯罪を抑止する、という対症療法のみでは対処しきれていないのが現実です」

 死刑になることを望み、裁判でも事実関係を一切争わなかった小林薫や、死を覚悟して事件を起こし、死の瞬間まで社会を憎み、反省や謝罪をすることを拒み続けた宅間守を「裁く」とは、どういうことなのか?

「もっとも、裁判は被告にどういう処分を下すかというのが一番の目的なので、裁判所だけに真相解明の役割まで求めるというのも酷な話です。もう少し広い枠で考えて、ジャーナリズムや精神医学といった、いろいろな分野の人が真相解明にかかわれるようなシステムをつくっていかなければならないでしょう」

 そのジャーナリズムだが、事件を追いきれていないのが現状だ。

「今の報道のシステムって分厚いように見えて、実は穴がいっぱいあるんですよ。事件が発生してから最初の3カ月ぐらいは、集中的に取材して報道するけども、その後はパタッと終わってしまう。それから半年か1年もすると、担当者も代わってしまうというようなレベル。事件を長く追う、ということをしていないんですね」

 長期間継続してアプローチすることで信頼関係を築いていかなければ、対象の内面を探ることはできない。しかし、数年毎に異動のある大手マスコミでは、ひとりの記者がひとつの事件を長年追い続けるということができないのだ。

「それでも、昔はコツコツ追いかけるフリーのノンフィクションライターが結構いたんです。でも、今ではそういう人もいなくなってしまった。そんなことをしていると、食べていけないから。たとえば宅間の場合、継続して追いかけている人ってほとんどいませんでしたよ。結構注目を浴びた事件が、手つかずになっているというケースが意外と多いんです。これでは、たとえば10年後、その事件について誰か知りたいと思った時に、まとまった文献が何も残っていないという状況になりかねない。これでいいのかな、という気がしますよね。考えると恐ろしいことだと思います」


(後編につづく/文・逸見信介/「サイゾー」12月号より)

●篠田博之(しのだ・ひろゆき)
1951年生まれ。一橋大学卒業後、「月刊日本」編集部を経て、80年に綜合評論社の月刊「創」編集部に転職。81年に同誌編集長。82年に創出版を設立し、同誌の刊行を引き継ぐ。同社が発行する「マスコミ就職読本」編集長、日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長なども兼任。
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