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スロベニア 人口200万人の国で7万人がデモ 「欧州並みの物価に見合った欧州並みの賃金を」 = 週刊かけはし
http://www.asyura2.com/07/kokusai1/msg/628.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 2 月 01 日 13:15:43: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame080204g.html


クリス・デン・ホンド、ルシアン・ペルペット

インフレ拡大
と低賃金攻撃

 二〇〇七年十一月、スロベニアの首都リュブリャナにおいて、スロベニアの労働組合は大きなデモンストレーションを組織し、インフレの影響に抗議し、賃金の生活費調整を要求した。旧ユーゴスラビアの共和国の一つであったスロベニアは、二〇〇四年五月に欧州連合に加盟したばかりである。
 人口二百万足らずの国の人口二十八万の首都において、七万人のデモ参加者が「欧州的物価に見合った欧州的賃金」を要求した。
 スロベニアの労働組合は、地域的連帯の絆を精力的に発展させてきたが、クロアチア、マケドニア、セルビア、そしてスロベニア貿易の主要玄関口の一つであるイタリアの港トリエステからの代表団がデモに参加した。
 スロベニアは欧州通貨制度への加入のために高い対価を支払った。インフレの拡大である(2005年の2・5%から2007年の5・8%へ)。政治と経済の指導者たちは二〇〇七年初めにスロベニアがユーロを採用したことを誇っているが、スロベニアの平均購買力はEU平均の七九%に過ぎない。人口の三分の二は低所得者、一二・一%は貧困層で、収入月額は四百四十ユーロに満たない。スロベニアの最低賃金は五百三十八・五三ユーロであるが、一万九千二百二人の労働者が公式にこれ以下の収入であり、賃金を最低額に引き上げるために国の補助を必要としている。
 住民は、EU加盟が生活水準の上昇をもたらさなかったことに失望し不満を抱いている。特に、ごく少数の非常に目立つ新しい金持ちグループが、近年非常にうまくやっているからである。国家統計局によれば、二〇〇七年六月までの十二カ月間に、賃金は五・二%増加したが、企業の利益は二二%増加した。これらの利益の大部分は株式市場の燃料株投機に向かい、ぜいたく品の消費が急上昇している。
 小売り部門の九〇%は、三つの企業、メルカトール、TUSおよびSPRが支配している。三つの巨大企業が共謀して価格を高く支えている証拠があるにもかかわらず、スロベニア政府はこれらの独占企業の利潤を規制して物価をコントロールするという意図はまったく持っていない。
 外国への債務も確実に増加している。スロベニアのエリート層が独立を求めた理由の一つがユーゴスラビアの成長する負債であったが、独立スロベニアの負債の成長は黙って見過ごされている。


2005年にも
4万人が結集

 十一月十七日のデモ以前に、一連の社会的運動が民衆の不安を証言していた。税関職員が遵法闘争を行い、ベオリア・バス会社や研磨材会社の運転手のストライキがあった。
 主要労働団体であるスロベニア自由労働組連合(ZSSS)は、スロベニアのほとんどすべての労働組合と連合することに成功し、インフレの影響に抗議し、賃金の生活費調整と最近の労働生産性の上昇を反映する賃上げを要求した。ZSSS委員長で労働統一戦線のスポークスマンのデュサン・セモリクによれば、「欧州連合内のわれわれは、すべての労働者のための基準のために闘うことが重要である。どの国で生活しているかは問題ではない。欧州連合は二千万人を超える失業者を抱えている。欧州連合は多くの顔を持っている」。
 スロベニアにおける労働者の大デモンストレーションは、これが初めてではない。二〇〇五年には、深い雪の中で、労働組合はリュブリャナに四万人を結集し、生活必需品の付加価値税を八・五%から二〇%へ引き上げる一方、所得税および法人税を単一税率の二〇%に引き下げて単純化するという政府の提案に抗議した。政府はこれらの提案を引っ込めざるを得ず、担当大臣は辞任を余儀なくされた。
 二〇〇七年十一月十七日には、首都に結集した労働者は四万人ではなく七万人であった。人口二百万のこの国としては巨大な数が、新自由主義とその強情な影響に対する民衆の拒否を物語っている。デュサン・セモリクの演説は、熱烈な、断固としたものであった。「われわれがすでに欧州並みの物価、欧州並みの経営者報酬、欧州並みの利潤、欧州並みの労働強度を持っているとすれば、われわれは欧州並みの賃金を受け取らなければならない! 賃金を引き上げるためのお金がないというのは、本当ではない」。セモリクはスロベニアの新しい金持ちエリートに警告した。「紳士諸君、君たちの膨大な所得、多くの会社を買収するために受け取った借り入れ、考えられるあらゆる方法で君たちをサポートするために国家が使っている金とともに、働く人々の賃金を引き上げるための十分なお金が存在しなければならない。君たちは普通の働く男や女から盗んでいるのだ!」。
 彼は、ゼネラルストライキを組織するぞ、と脅かした。「スロベニアの労働組合は反乱を起こすだろう。可能なあらゆる手段を使って、貧困を増大させている政策に反対するだろう。われわれは、依然として、雇用者団体の心の中で理性が勝つという希望を持っている。もしこの理性が現れなければ、もし交渉の席で進展がなければ、われわれはストライキを、ゼネラルストライキを開始せざるを得ないだろう。権力の座にある人々に、彼らが普通の男女の労働力に依存しているのだということを理解させ、働く人々の搾取の度が過ぎたことを理解させよう! このデモンストレーションは、雇用主に対する最終的な警告である!」。
 引退した婦人科医で退職者協会(会員二十五万人)の代表であるマテヤ・コズー・ノバクも、同じ調子で発言した。「私たちは、二十世紀後半に高水準の社会的国家を作り出した世代である。私たちの背中を踏み台にし、社会的国家の水準を引き下げてすばやく金持ちになった少数者を、私たちは許すことができない」。
 「労働者が闘わなければならないのは、明らかである。新たな富裕層は巨大な利潤で潤っているが、労働者は生活するのに苦労している。世代間の連帯がここに存在していることに、私は大きな喜びを感じている。このターボエンジン付資本主義の中で、みんなが恥ずかしくない生活水準を確保するには協力することが不可欠であることを人々が忘れてしまうことを私は恐れていた」。

ユーゴ時代よ
り生活は後退

 「医療健康システム、学校、社会福祉は、国家の手に委ねられなければならない」。「一九九一年以降、公共医療健康システムを改善し、有効な健康、学校、社会福祉システムを築く代わりに、歴代政府は健康、学校、社会福祉の民営化への道を開いた。私的所有がシステムを更新し問題を解決することを期待してのことであったが、結果はまったく逆であった」。
 「このことを思うと悲しくなる。なぜなら、ユーゴスラビアでは人々はまったく安楽に暮らしていたし、それがユーゴスラビアを流血の中で破壊しなければならない理由だったからだ。流血の中で破壊しなければ、ユーゴスラビアは分解しなかっただろう。ソビエトやチェコスロバキアやその他の東欧諸国は、簡単に分解した。なぜなら、人々は悪い状態で生活していたからである。しかし、ユーゴスラビアでは、私たちの生活は悪くなかった。私から見れば、一九九一年以降の過程は純粋の新植民地主義である。今やそれは明らかである」。
 十一月十七日土曜日のデモンストレーションは、すべての予想を上回った。特に参加者数の予想を上回った。二〇〇五年の大デモンストレーションは、人々の記憶の中で神話的なものになっていた。多くのスロベニア人が、労働組合がもっと大きくなって、もっと多くの参加者が再び街頭に現れたらなあ、と思っていた。そしてついに二〇〇七年十一月、デモンストレーションは二〇〇五年の動員の二倍の規模で出現した。

労働組合の
強さと背景

 リュブリャナ大学社会学教授のラストク・モスニクは、スロベニアの労働組合が東欧ポストスターリニスト国のどこよりもはるかに強力である理由として、複数の理由を挙げている。「第一の要因は、スロベニアの社会的生産関係の容赦ない変化である。私たちは社会的国家であった。つまり、一種の社会主義制度であり、大衆にとって相対的に確固とした社会的基準を備え、社会的差異は小さかった。そして、私たちは自由主義型の周辺資本主義になった。つまり、粗野な形態の資本主義である。自由主義はそれまでの既存の労働者の権利を破壊し、新しいタイプの労働関係をもたらした。社会保障もなく、不安定な非伝統的な法的条件と、もちろん厳しい搾取をによって特徴付けられる労働関係であった」。
 「労働組合の強さの第二の理由は、ユーゴスラビアの労働者自主管理の記憶が今なお生きていることである。労働者自主管理は完璧とは程遠いものであり、あらゆる意味合いを持っていたが、しかし制度的には、働く人々にフォーラムを提供し、そこで人々はそれぞれの要求や期待を表明することができた。また、それによって人々は経営者が採用した決定に関して責任を共有した」。
 「ほとんどの労働者にショックを与え、この国の周辺資本主義への移行において最も悪しきことだったのは、社会的不正の増大と社会的国家の破壊であった」。
 ユーゴスラビアの社会主義制度は、真正の社会主義革命から成長したものであり、民主主義の新しい形態の確立を試み、特に産業、工場、公共サービスにおける直接参加民主主義の確立を試みた。これらの苦労して獲得した成果の廃止は、労働者住民の大多数にとってショックであった。
 「労働運動においては、戦術と戦略的目標の間に否定しがたい矛盾が存在する。戦術的には、すべての労働組合は、正統的な労働組合の要求を掲げて、社会的対話のパートナーとして自己を代表する。しかし、戦略的には、これらの要求の実現は、スロベニアに導入され強制された資本主義の形態の変化を意味する。自由主義的周辺資本主義の枠組みの中では、労働組合の要求を実現することは不可能である。労働者の要求、すなわち、社会的国家の防衛、教育、医療健康、すべての人々にとってのまともな年金の防衛は、この数年間にスロベニアで発展してきた資本主義制度の変革を意味する」。
 スロベニアの労働運動の強靭さは、今日のヨーロッパでは例外的である。セモリクによれば、「今日、不安定と不安が増大しており、医療、教育において、また高齢者にとって、基本的権利の達成が困難になっている。物事は大きく変化した。しかし、われわれは社会的国家の基礎を維持することを決意している。圧力の下にある主要な価値は、世代間の連帯、人々の間の連帯、そして一般に社会的責任である。すでに楽園で生活している少数者のためだけでなく、すべての人々のより良い生活、これらがわれわれの目標である」。
 「攻勢に出れば多くの成功を収めることを、われわれは単純に確信している。われわれは後手に回ってはならない。われわれは、第一手を指すことができる。これが最善の戦略であることは証明されている。だからそのようにすべきである。つまり、非常に強いことが必要であり、スロベニアでは労働組合は必要なときに攻勢に出られるほど十分に強い。この反抗精神は、農民蜂起の伝統、第二次世界戦争中のレジスタンス運動、そして現在に由来する。これは明らかに労働組合運動に反映している。反逆者たれ。しかし、理性と心をもった反逆者たれ」。


年明けにも予想
されるゼネスト

 ラストラ・モスニクから見れば、二〇〇七年十一月の華々しい成功も、スロベニアの種々の労働組合組織の間の高度の協調の賜物である。「労働組合は、なんとか諸要求の統一戦線を確立した。労働組合運動の内部でさまざまな歴史を持つ種々の労働組合グループが、政治的にも、一緒になって要求の単一の綱領を持つ統一戦線を形成することに成功した」。
 これらの要求は、ヨーロッパのポストスターリニスト周辺国家における資本主義的成長の主要特性の一つに焦点を当てたものである。労働生産性は上昇しているが、賃金は停滞している。モスニクによれば、「スロベニアの生産性が上昇しているのは、人々がより多く働くから、一日の労働時間がかなり長くなったから、一日に十二時間も働いているからである。言い換えれば、資本家階級は社会の技術的資源を発展させているわけではなく、労働時間の増加を通じて剰余価値の生産を増加させているだけである。これは十九世紀以来の古典的タイプの搾取である」。
 十一月のデモの二日後、スロベニア政府は労働組合側との交渉の席に着いた。労働側代表は、政府の最初の提案である一%の全国賃上げを、民衆の期待の高さを前提にすれば「まったく不適切」として拒否した。しかし、ほとんどの独立系オブザーバーは、公共部門などの労働組合は結局控えめな賃上げで合意し、全体的結果はデモ参加者の期待をはるかに下回るものになると予想している。そうなれば、スロベニアは、十一月のデモで多くの急進的指導者が予言したように、二〇〇八年の初めにストライキの波を見ることになるかもしれない。

(リュブリャナ発、2007年12月2日)

▲クリス・デン・ホンドは、第四インターナショナル・ベルギー支部SAP―LCRのメンバーで、クルド衛星テレビのジャーナリスト。
▲ルシアン・ペルペットは、ベテラン労働組合員で第四インターナショナル・ベルギー支部の古くからの闘士、旧ユーゴスラビア担当の「インプレコール」通信員である。
 

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