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オーウェルならブッシュ政権を愛したろうか?
http://www.asyura2.com/07/revival2/msg/122.html
投稿者 そのまんま西 日時 2007 年 8 月 12 日 22:20:08: sypgvaaYz82Hc
 

オーウェルならブッシュ政権を愛したろうか?
http://www.asyura2.com/0505/senkyo14/msg/347.html
投稿者 white 日時 2005 年 9 月 12 日 18:20:51: QYBiAyr6jr5Ac

(回答先: 新語法(ニュースピーク)時代の日本 [暗いニュースリンク] 投稿者 white 日時 2005 年 9 月 12 日 17:57:50)

□オーウェルならブッシュ政権を愛したろうか?

 http://www.asahi-net.or.jp/~IR4N-KHR/orwell/jone_040504j.html

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Jon Eekhoff
2004年4月5日

1948年にジョージ・オーウェルが「1984年」を書いた時、ロシアのヨシフ・スターリン体制をビッグ・ブラザー政府のモデルとした。圧政的なビッグ・ブラザーは常に監視しており、常に戦争状態にあり、そして常にオセアニア(イギリスとアメリカ)国民に対する情報の流れを管理している。

どうもどこかで聞いたような気がする、という人はいないだろうか? そう。「人は、我々の味方であるか敵であるかの、どちらかだ」という主張と立場を同じくしないものにとり、ブッシュ政権はビッグ・ブラザーと驚くほど良く似ている。

愛国法から見てみよう。(オーウェルには、この名称のいかにもダブルスピーク的なところが気に入ったことだろう。) 愛国者は、監視されることを甘受する。愛国者は、正しく振る舞い、アメリカ国旗を正面に立て、言われた通りのことをしている限り、心から愛するビッグ・ブラザー/ブッシュ政権の連中を恐れる必要など何もない。そうした規則に従わない連中が連行され、容疑なしに拘置され、代理人なしに尋問されるのだ。「1984年」の思想警察は、オセアニアの人々に対し、同じ様な形の政府管理を採用している。

国土安全保障省/愛情省は、外部の敵という悪から我々を守るためにある筈ではなかろうか? 私たちは、ずっと安全だと感じていられるはずではなかろうか? もし国土安全保障省長官トム・リッジとその部下連がいなければ、邪悪な敵が我々を殺し、破壊してしまうのではなかろうか? そうした恐怖の類によって、安全性といわれるもののために、我々は権利を放棄するようになっている。そう、そこで我々は安全でいられる限り多少の自由をあきらめたのだ。私が覚えている範囲では、9/11以前には、かなり安全な状態の期間を謳歌していたような気がする。 そこであなた方がこう言う声が聞こえてくる。「時代が違うさ。当時我々はテロリスト攻撃の目標ではなかったのだ。だが今は攻撃目標だぞ」 そう言いながら、海外での「テロリズムとの戦い」に巨額のドルを注ぎ込み続けている間に、合州国にあって我々は益々借金にはまりこむ。恐怖が支配している限り、我々はインフラストラクチャーが悪化してゆくのに目をつぶっていられるし、ビッグ・ビジネスが暴走するのにも目をつぶっていられるし、環境がテロリズムの二の次とされるのを許し、もともと我々の生活の一部だったあらゆるサービスに対して、益々多くの金を払い続けることもできる。

恐怖によって、ブッシュ政権は大量破壊兵器を発見する為にイラクを攻撃する権利を得、戦争目的を究極の善の一つへと変更した。我々はイラクの人々を自由にしたかったのだ。我々は中近東に民主主義国家を作りたかったのだ。我々は世界から、大いなる悪を一掃せねばならないのだ。

「1984年」では、政府は変わり続ける敵と常時戦争状態にある。オセアニアの人々は、誰が敵で、誰が同盟側なのか忘れ始めている。ブッシュ政権は、誰が敵で、誰が敵でないか、はっきりと線引きしてくれた。悪の枢軸として、誰が良い連中で、悪い連中なのかはっきりしているだろうか? フランスは何にあたるのだろう? サウジアラビアはどうだろう? (9/11テロリストの大半はあの国出身だ。) 「有志連合」以外の連中は、皆敵なのだろうか? ブッシュ政権の連中が我々に語りかけている事よりも広い視野で考えて見ると、この境界線はやや曖昧になる。

一つ確実なのは、我々は期限なしで悪との戦いをしているということだ。心配には及ばない。我々はもう戦争状態に慣れてしまった。軍関係であったり、愛する人がイラクにいない限り、この戦争で生活に一体どんな影響があったろう? 私は今でも仕事に出かけている。私は今でも子どもを学校に送って行く。私は今でも愛国的義務を果たし、ウオルマートでの買い物に出かけている。大半のアメリカ人にとってこの戦争は、夜のニュースが戦死者数を数え上げるのを我慢する以外、全く、あるいはほとんど生活に対して影響をもたらしていない。我々は本当に「戦争は平和だ」(ビッグ・ブラザーの三つのスローガンの一つ)という情況に至ってしまったのだ。

ブッシュ政権は国内の自由な情報の流れも制限している。マスメディア独占のおかげで、見かけが派手なニュースまがいのものが大量に溢れているが、評論家連が二派にわかれ、わめいて議論を戦わす以上の内容が一体どこにあるだろう? ニュースは、要するにセンセーショナルに表現されたヒステリーに過ぎず、報道価値などないのだ。ブッシュ政権の連中は、これまでのどの政権より、我が文化のこの要素を存分に利用している。イラク侵略戦争中のメディア利用は実に天才的だった。エンベッドされたジャーナリスト達は、軍と一緒に進みたい余りに、戦争を客観的に見る能力を喜んで犠牲にした。これはメディアが余りに愚鈍にして意識しそこねていた、一種の検閲であったが、素晴らしいテレビ番組ができるということで、誰もあえて異を唱えようとはしていないようだ。

ブッシュ政権とメディアの関係をより深く考えてみると、トップから直接情報を得ることが実際にはどれほど大変なことかが分かり始める。ブッシュ大統領は、報道陣が自分に直接質問することをいやがっているが、彼は常に、自分の大農場で皆の方を向き、にっこり笑って手を振って、シャッターチャンスを設けている。こうしたあらかじめ用意されたニュースは、取材が楽な上に、ブッシュ政権にとって必要なものだけを提供してくれる。つまりニュースは形だけで、なんら本当のニュースではないのだ。オーウェルなら、ニュースをこうして矮小化する手腕を称讃したことだろう。ビッグ・ブラザーは、ニュースを矮小化し、オセアニアの公用語であるニュースピークを通して思考を矮小化させた。ビッグ・ブラザーは、ブッシュ政権に比べ、確かに人々に対する直接的な権力を持っている、だが我々が議論できる範囲は制限されているし、制限され続けるだろう。

「1984年」の最後に、オーウェルの主人公ウインストン・スミスは、愛情省による拷問を受けて2 + 2= 5であることを認めるにいたる。そこで彼は殉教者としてではなく、ビッグ・ブラザーの信徒としてロンドンの町に戻される。とうとう独自の思考を諦め、ビッグ・ブラザーを愛した時、ウインストンは殺されて小説が終わる。小説のこの寒々しい結末は警告として意図されていた。政府に余り多くの権力を与えるべきではないのだ。我々は、政府が与えるものなら何でもそのまま呑み込む、考えることを放棄したぐうたらの身には、決してなってはならない。自分たちの利益を、我々の利益よりも優先するような政府に、決して満足してはならない。

オーウェルなら、ブッシュ政権の政策にはあきれかえったことだろうし、我々もそうあるべきだ。

Jon Eekhoff氏御本人の承諾を得て翻訳。元の記事は以下。
http://www.orbusmax.com/oped/jone_040504.html

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