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<知事選敗北なら知事の使用権限を国に移してでも>久間長官の強攻策とメディアの対応〜斎藤貴男コラム〜(OhmyNews)
http://www.asyura2.com/07/senkyo29/msg/517.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 12 月 30 日 11:36:59: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://www.ohmynews.co.jp/OhmyColumn.aspx?news_id=000000004141 から転載。

久間長官の強攻策とメディアの対応〜斎藤貴男コラム〜

とんでもない話を聞いた。久間章生・防衛庁長官が11月23日、長崎市内で開かれた自民党議員らの会合でその数日前に投開票された沖縄県知事選について触れ、対立候補で米軍普天間基地(宜野湾市)の県内移設に反対する糸数慶子氏が当選した場合には、地元住民に有無を言わさない強攻策を採る計画だったことを明らかにしていたという。

 「沖縄県知事選で負けた時にどういう手でやるか。法律を作ってでも、一方的に県知事の(公有水面の)使用権限を国に移してでも、やらなければいけないと考えていた。もし負けたら、力づくででもこっちはやるんだという腹を持っていた」

 共同通信の配信によれば、このような表現だったそうだ。日米両政府が合意している名護市・辺野古崎のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設には海面の埋め立てが必要になるのだが、埋立てには都道府県知事の許可を得なければならないと、公有水面埋立法の第2条が定めている。久間長官の発言はこの点を難じたもので、糸数県政が誕生して辺野古沖の埋立てを許可しないのであれば、特別措置法を成立させて知事の権限を剥奪してしまうつもりだったというのである。

 県知事選では結局、県内移設を容認する仲井真弘多氏(自民、公明推薦)が当選したので、強攻策が実行される可能性はとりあえずなくなった。とはいえなんと思い上がった発言であり、発想ではないか。久間長官が打ち明けたようなやり方が認められてしまうなら、民主主義もへったくれもない。権力はオールマイティで、一切の抵抗は許されないということになってしまう。

 久間長官の沖縄に対する目線の高さはすさまじい。米軍嘉手納基地(嘉手納町、沖縄市、北谷町)への地対空誘導ミサイル・パトリオット(PAC3)配備が、市民グループの座り込みや地元自治体の抗議にもかかわらず強行された10月にも、彼は参院外交防衛委員会で、次のように答弁していた。

 「幸いなことに、沖縄については米軍がPAC3を置いてくれました。だから沖縄の方までは我が国の今の予算の中で追い付かない点を先にやってくれたわけでございますから、むしろ沖縄の人は喜んでもらいたいと私は思っているわけであります」

 従来にも増して日米両国政府に踏みつけにされ、“テロ”の標的にされる危険性まで一気に高められた人々に向かって、「むしろ喜べ」とは。この防衛庁長官もまた、さらにその上から米軍に見下ろされているわけである。彼らにとっては、保守の県知事が登場したところで、何も聞く耳などありはしない。選挙戦中の仲井真知事は普天間基地の3年以内の閉鎖を公約に掲げていたのだが、彼が当選した途端、久間長官は「できない」と一蹴している。ならば仲井真氏への政府・自民党の全面支援は何だったのか。有権者を騙させただけだったということになりはしないか。

 以上の経緯の大部分は、地元・沖縄でしか報じられてこなかった。筆者は意識して沖縄のメディアに触れるよう努力しているのだが、冒頭に紹介した久間長官の「力づく」発言についてはそれでも扱いが小さく、出張しがちな時期だったこともあって見逃していた。沖縄在住の作家・目取真俊氏はこの間、久間発言は「県民に対する脅し」であり、「沖縄のマスコミはどうして久間発言や政府の高圧的な姿勢を追及するキャンペーンを張らないのだろうか」と語っている(『琉球新報』12月12日付朝刊文化面)が、同感だ。と同時に、政権に都合の悪いことは初めから報じようともしない沖縄以外のマスコミに怒り狂っている。

 全国紙やキー局の本社が基地の島から遠く離れているから、ジャーナリズムには必須であるはずの他者に対する想像力が決定的に欠落しているから、ばかりでもないと思われる。現代のこの国で“報道”に携わっている人々の圧倒的多数派が、久間長官とまるで同じ感覚を共有してしまっている現実を思い知らされざるを得ない。

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さいとう・たかお 1958年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。イギリス・バーミンガム大学修士(国際学MA)。日本工業新聞記者、『プレジデント』編集部、『週刊文春』記者などを経てフリーに。『カルト資本主義』(文春文庫)『バブルの復讐』(講談社文庫)『小泉改革と監視社会』(岩波書店)など著書多数。最新作に『ルポ 改憲潮流』(岩波新書)
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