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日本の警察の裏事情:60年代末の新左翼による街頭闘争で先頭に立って火炎びんを投げ煽動していたのが公安の刑事だった!
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投稿者 姫 日時 2007 年 1 月 02 日 07:09:34: yNQo0naya4Ss.
 

「日本の警察」 西尾漠(著)より引用です

 権カ犯罪を助ける裁判所

 最近になってようやく、数多くの冤罪やフレームアップについて、無罪判決や再審決定(有罪の判決が確定した冤罪事件の裁判をやり直す非常救済手続き)が相次いでいる。無罪が確定したものとしては大森勧銀事件、警視総監公舎事件など。再審が決定したものとしては免田事件、財田川事件、松山事件(いずれも無罪確定)などだ。そのことはしかし、とりもなおさず、警察・検察による最大の犯罪である冤罪・フレームアップが、それだけ多く存在したということに他ならない。

 しかも、未だに救済の道がひらかれていない冤罪やフレームアップは、帝銀事件や狭山事件など著名な事件から闇に葬られたままのものまで、なお無数にある。無罪になった事件でも、たまたま後になってアリバイが見つかったというような「幸運」に助けられなければどうなっていたかわからないケースがいくつもある。「冤罪」というと、殺人や強盗といった事件への連想がはたらくが、交通違反などをふくめた無実の罪の被害者は、膨大な数に達するだろう。弁護士もつかない少年の事件では、特に冤罪が多い、と言われている。

 そして、無罪が確定した後になってもまだ「捜査には十分自信をもっている」などと必ずコメントが出される点に、警察・検察の罹信犯としての犯意は、容易に見てとれる。にもかかわらず、裁判所は、土田・日石ピース缶事件の東京地裁判決(83年5月)で大久保裁判長が、マスコミですら矛盾だらけと批判する「灰色の無罪判決」をし、しかも「灰色」を強調する違法なコメントを加えたことに端的に現われているように、フレームアップ・デッチ上げと呼ばれるのを極カ避けようとする。

 83年3月の北海道庁爆破事件判決では、札幌地裁の生島裁判長は、「犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡しをしなければならない」(刑事訴訟法第336条)にもかかわらず、「疑わしきは有罪」と、むりやりの有罪判決を下してまで警察・検察をかばおうとした。

《灰色無罪》
※無罪はあくまで無罪であって、「灰色無罪」などというものはない。ある冤罪事件で無罪を勝ちとった弁護士さんから、こんな話を聞いた。「こちら側の主張がすべて認められて無罪となったのはうれしいが、一方で、これだけ徹底的に無罪の証拠をつきつけないと無罪にならないということになったら、そのほうがよけい悪い。疑わしきは被告人の利益に、ということが定着するほうが好ましい」。「疑わしきは有罪」が実は日本の裁判の伝統であったからこそ、最近ようやく批判が高まり、無罪判決を出さざるをえなくなって、違法な「灰色」のコメントがなされたりするのだろう。

 身うちをかぱう警察の体質

 冤罪やフレームアップの責任が問われるべき個々の警察官が、実際には何らの処分を受けず、むしろ出世をしている現状からも、権カ犯罪の”犯意”は指摘し得る。一連の爆弾事件フレームアップを直接指揮した三井脩警視庁公安部長が、その後、警察庁長官の座についているのだ(有罪判決をした裁判官も、責任を問われず、むしろ出世している)。他方で、無実を信じ冤罪事件の救済にカを尽くす警察官もまた何人もいるのだがそれらの人びとは、出世とは無縁たらざるを得ない。

 警察が、身内をかばう体質を異常に強くもっていることは、先に掲げた警察官犯、罪年表にもよく示されている。そこには、「オマワリ」だの「イヌ」だのと呼ばれてさげすまれ、一種の「日蔭者」』として白眼視されているという被差別意'識が、色濃く影を落としている。そして、それゆえにこそ、集団内の士気昂揚をはかるには、職務上の違法行為については最後までこれを庇護することが要求されるのだ。

 81年12月、茨城県鹿島警察署の巡査部長が、両手錠をかけ、もう一人の巡査との間にはさんで、捜査用のライトバンに乗せていた住居不法侵入の被疑者が暴れたとして、拳銃で両足を射ち出血多量で死亡させた事件でさえ、警察では「拳銃の使用は正当」としている。さらに極端な例としては、菅生事件の戸高公徳巡査部長のケースが挙げられよう。菅生事件というのは、1952年6月、大分県直入郡菅生村(現在は竹田市に編入)の巡査駐在所が爆破された事件で、市木春秋なる偽名で共産党入党を申し込んでいた戸高巡査部長に現場近くに呼び出された日本共産党員3名が、待ち受けていた私服警官数十名に現行犯逮捕され、さらに2名が共同謀議者として逮捕された。

 5人は60年12月になってやっと無罪が確定するが、一方、”真犯人の片割れ”である戸高巡査部長は「健康上の理由」で大分県国家地方警察を依願退職、東京に逃げて東京都国家地方警察(のち警察制度の改革により警視庁に編入)に入り、5年後、共同通信社会部の記者たちに発見され、裁判を受けるものの、有罪ながら刑は免除、警察庁に復職している。83年8月には、警察大学校の術課教養部長兼教授(警視長)にまで出世しているのだ。警視長といえば、県警本部長クラスである。これは、いかにも極端な事件で、朝鮮戦争下の急激な反動化にからんだ特殊な事件と見えるかもしれない。

 しかし、60年代末の新左翼による街頭闘争でも、先頭に立って火炎びんを投げ煽動していたのが公安の刑事だった、というような話はよく聞かれた。あるいはまた、デモ隊のエネルギーを分散するために、近くの交番に警察官自身が火を放つこともあったらしい(群衆心理学を応用した警備を研究していた、警視庁警備心理研究会の指示によるものという)。それらの実行者たちが何らの処分も受けていないことは、いうまでもない。その一方で、警察署内の同好者のための文芸誌を上司の事前検閲を受けずに発行したというだけで懲戒免職になったりするのだから、奇妙なものだ。

《警視庁警備心理研究会》
※警備心理研究会は1961年6月発足。高橋幹夫警視庁警傭部長(のち警察庁長曹、現在は日本自動車協会会長)の発案になるもので、「警備は心理戦」という高橋部長が「少壮心理学者にお願いして」組織した。依嘱されたメンバーは、宮城音弥東工大名誉教授、安倍北夫早大教授、島田一男聖心女子犬教授、それに『頭の体操』の多湖輝千葉大教授ら。これまで公表されている研究成果は「大震災対策のための心理学的調査研究」などで、ほかにも、マスコミに思いどおりの報道をさせるための情報の流し方とか、機動隊の士気昂揚のさせ方とかが研究されている。

 警察官の責任を問えないしくみがある

 冤罪事件では、多くの場合、証人や証拠の撞造が行なわれている。後にアリバイが成立したり、真犯人が現われたりして無実が明らかになったケースでも、目撃証人やいくつかの証拠物があったりする。まことに不可思議な話だが、佐藤友之著『ドキュメント・警察捜査の恐怖』(青年弓館)などの書物が指摘するように、証人や証拠は警察によって「つくられる」のだ。目撃証人が、被告を逮捕した警察官の高校時代の同級生だったとわかり、無罪判決が出た例(1977年4月、東京高裁)もある。これは明らかに警察自体の犯罪行為である。

 また、一方で、証拠物が公判の途中で「警察官の不注意により紛失」されることも少なくない。これまた警察自体の犯罪行為たることは論をまたないだろう。冤罪事件とは、すなわち「警察による犯罪」事件なのだが、前述のように、その責任がほんとうに問われたことは、ただの一度もない。警察官の不当な拳銃使用や暴行などで被害を受けた人や遺族、あるいは冤罪事件で無罪が確定した元被告が、警察官を裁判所に訴え、損害賠償を求めても、裁判所ではこの訴えを退け、公務員の職務上の遺法行為については、公務員個人の責任は問えないとしている。

 その警察官の所属によって、国または都道府県が国家賠償法による賠償の責を負うのみである。特別公務員職権濫用(致傷、致死)や、特別公務員暴行凌虐(致傷、致死)で告訴し、さらに検察官が起訴しない場合は、裁判所に付審判請求=準起訴をするということもできるが、やはり訴えが認められることはきわめて稀だ。

 デモ中に警視庁機動隊員の暴行を受けて大けがをし、国家賠償を求めている事件(81年5月発生、10月提訴)や、帰宅途中の弁護士が東京・渋谷警察署員の職務質問を拒否して暴行され同じく国家賠償を求めている事件(80年12月発生、81年8月提訴)で、81年9月と12月に、相ついで警察資料の証拠保全申請が認められ、東京地裁の裁判長らが警察署や警視庁に出向いて資料文書の提出を求めた。しかし、警察側ではこれを拒否、あくまで加害警察官をかばう姿勢を崩していない。

 イギリスでは、著名な「市民警察の五原則」の一つとして、「警官の個人責任」を掲げている。警帽の正面と肩章に個人番号がはっきりと読みとれ、加害警察官を特定できるし(レインコートなどで番号を隠す例がないわけではないが)、警察官はみずから損害賠償の責任を負うのだから、いやでも職権の濫用には慎重になるだろう。警察官が合法的にしごとをすることを保証するためには、個人責任の厳格な、上級者により厳しい、適用がやはり必要なのではないか。同時に、であればこそ警察官の人権をきちんと保護することが必要となる。

 アメリカ、フランス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、オランダ、ベルギー、スペイン、ドイツ、イタリアなどでは警察官の労働組合が組織されている。イギリスでは、労働組合としては認められていないが、警察官の利益を代表する警察官同盟がある。警察官の人権を保護することは、警察官が他の人の人権についての理解を深めることにも役立つはずだ。

 「過激派」に人権なし

 人権、というとき、「過激派」や「暴カ団」などには人権なし、といった風潮が意図的につくられてきた。警察法の第一条は個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持する」ことをうたい、第二条では「警察の活動は(中略)いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない」と規定する。

 しかし、「公共の安全と秩序の維持」の意味を手前勝手に国家主義的に解釈した上で、そのためには「個人の権利と自由」を制限してもよいとするのが、警察の伝統的な考えである。まして”ふつうの市民”でない「過激派」;などについては、市民権の配慮は不要、法に基づかない(つまり違法な)弾圧も当然というわけだ。たとえば『新地平』誌の79年7・8月合併号でジャーナリストの堺井秋彦氏が報告している「埼玉県警ウルトラ弾圧の実態」を見てみよう。

 <突然、3つのドアが一斉に開かれた。同時に”屈強な男たち”と警官隊がガッチリとドアを固め、室内を完全に閉ざしてしまった。「ここに逮捕状が出ている者がいる!」真ん中のドアをふさいだ一団の中にいた私服の男が叫ぶと同時に、ちょうど彼らの目の前にいてこの日の集会に参加していたひとりの男が、あっという間に会場の外ヘ連れ出されてしまった。彼は一瞬のうちに逮捕されたのだ。しかし、彼らの目的は、それで終わったのではなかった。それから約一時間にもわたって行なわれる”緊急執行”という名の、実に不可解な事態の始まりにすぎなかった。

 去る3月20日、埼玉県の川口市にある労働会館では、午後6時30分頃から「三里塚に続く労働者の闘いを!「川口討論会」が開催されていた。前述のように、埼玉県警が集会場へ乱入してきたのは午後8時30分頃である。ひとりが逮捕されるとき、逮捕状らしきものは一切提示されなかった。「その場を動くな!」「ただちに捜査する」私服の刑事がこう叫ぶのと同時に、彼らは次々と集会参加者たちの身体検査をやりはじめた。ある者はうしろからはがい締めされる形で抵抗力を封じ込められ、またある者は腕を3人の警官にとられて、ポケットに手を突っ込まれ、身分証明書や手紙、手帳を奪われる。手に持っていたカバンもこじ開けられて、中の書類やノートを引っぱり出される。まるで追いはぎの一団に襲われたようだった。

 「令状をみせろ!」「捜査するからには、捜査令状をみせろ!」「身分を明らかにしろ!」「賛任者は誰だ」人々は一瞬、何が起こったのか、突発した事態に驚いたが、ともかく原則的な対応と抗議を繰り返した。警官隊はそれら一切の抗議に聞く耳を持たぬといった態度で、警察手帳も見せず、ただ黙々と身体検査を強行していった。彼らは取り上げた手帳や電話帳などからメモをとり、あるいは参加者の顔をはじめ手紙やノート、名刺を写真に撮っていく。こうして検査が終わった者から、順に会場のタトヘ引きずり出され、中には外に待機していた機動隊員にとり囲まれて暴行される者も出た。>

 まさに無法といってよい。書き写しているわたし自身、「まさか、こんなことが」と、とても信じられない気持ちなのだ。「過激派」や「暴カ団」などに対しては、既存のさまざまな法令を見なおし、立法の趣旨から外れた拡大解釈をとることで、あるいは濫用を禁じた付帯決議やただし書きを無視することで「治安法」化するということが、これまで一貫して公言され、実際に行なわれてきた。そのうち原則と例外が逆転し、どうみても”過激”とは考えられない労働運動や市民運動、あるいは一般犯罪にも適用されるようになり……というわけだが、ありていにいえぱ、実は「過激派」うんぬんは言いわけで、はじめから労働運動などに適用されてきたケースが多い。

 そして、裁判所は、警察の後を追って、拡大解釈の追認を行ってきたといえる。各都県や市の公安条例にしても、下級審で、「憲法違反」とする判決が相次いだものの、けっきょく最高裁に押しきられて今日に至っているのだ。

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