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豊かな国は  どこですか(東京新聞)
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投稿者 天空橋救国戦線 日時 2007 年 1 月 02 日 09:39:36: ZtsNdsytmksDE
 

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20070101/mng_____kok_____005.shtml

 他国に「民主化」を促し、「安全で豊かな国」の仲間を増やそうと疾走を続けた米国が、昨年終盤、自ら振りまいた混迷にふと気づき、ブレーキに足をかけた状態で世界の新年が明けました。この“減速”の時を節目に今、米国が追求する「豊かさ」へのほのかな疑念が広がっています。大国の利権を絡めつつ、自由競争から生み出す経済の繁栄。その傍らで拡大一方の貧富格差。こんな米国型社会とは対極に、国を挙げて“清貧の豊かさ”を探すアジアの小国ブータンと、世界一「豊か」な米国自身が内に抱えるニューヨークの矛盾とを見比べながら、問いかけます。この地上で「本当に豊かな国」はどこにありますか−。

■清貧ブータン 国民総幸福

 ヒマラヤ南麓(ろく)に位置するブータン王国。多様性に富む自然と伝統文化を守りながら、物質的な幸福よりも、すべての国民の「心の幸せ」を重視する「GNH」(グロス・ナショナル・ハピネス=国民総幸福)を軸とした国造りを宣言。2008年の民政移行に向け、憲法草案に盛り込んで独特の幸福路線を目指す。物的欲求ばかりを追求する西洋的な尺度を用いれば最貧国の一つだが、「人の幸福とは何か」と問うた時、ブータンは「周回遅れのトップランナー」に見えてくる。 (ブータンで、平田浩二)

 「GNH(国民総幸福)はGNP(国民総生産)よりも重要」

 当時二十一歳のワンチュク前国王が「GNH」を提唱したのは三十年前の一九七六年。経済発展に血道を上げる先進諸国を尻目に、ブータンは「物質的な豊かさは、幸福になるための手段にすぎない」と国民の「心の幸せ」を追求している。

 七十数万人(政府推計)が九州ほどの広さに暮らす。水力発電によるインドへの売電と外国の資金援助で国家予算の多くを賄う。ヒマラヤからの豊富な水と国土の70%を占める森林。「潜在的な水力エネルギー能力の1%も使っていないだろう」。エネルギーコンサルタントのジグミーさん(32)は分析する。政府は今後も65%以上の森林面積を堅持する。「自然には精霊が宿る」と誰もが信じているから、必要以上の開発はしない。

 国民一人当たりの年間所得は七百六十ドル。日本の五十分の一。しかし、街にはホームレスや物ごいはいない。血縁の濃淡にこだわらない“大家族制”が生活を支えているからだ。教育費や医療費は無料。国内で手に負えない場合、インドの病院で治療を受けるが、移送費は国が負担する。

 一昨年春に行われた国勢調査で、「幸せか」の問いに回答者の97%もが「はい」と答えた。「心が足りれば、腹も足りる」。米国カンザス州の大学や富山大学大学院で学び、エネルギー工学の博士号を持つジグミーさんも「家族や友人が大切」と故郷に戻った。

 昨年四月に創刊した初の民間新聞「ブータン・タイムズ」。週一回の発行だが、犯罪のニュースはほとんど見かけない。「盗みやかつてあった“夜ばい”の名残によるセクハラぐらい」とテウジン編集長は言う。日本では年間三万人に上る自殺は、一年で二、三件。「理由は失恋か薬物使用。ストレス? そんなものはブータン人にはない」。国内に精神科の医師は一人だけだ。

 ブータン研究者でティンプーの国連開発計画(UNDP)事務所に勤務する上田晶子さんは「先進国を自転車にたとえるなら、この国は三輪車。スピードは遅いけど、いつでも立ち止まって自らを見つめ直す余裕がある」と話す。

 インドと中国という大国に挟まれ、伝統文化の保護と継承による国民のアイデンティティーの維持は、大国に介入のすきを与えない安全保障上の重要な手段だった。政府が「ゴ」「キラ」と呼ばれる着物に似た民族衣装の着用を奨励しているのも、その狙いがある。

 しかし、一九九九年にテレビとインターネットが解禁され、欧米の習慣、文化、ファッションなどの情報が大量に押し寄せ、いやでも欲望をかき立てる。ティンプーにはディスコが登場した。週末の深夜には、民族衣装を脱ぎ、Tシャツやタンクトップ、ジーンズ姿になった六十人以上の男女が踊る。看護師のチキさん(23)は「ここに来ると一週間の疲れを忘れる」と言った。

 「我慢を無理強いすべきではない。満足感と我慢のバランスが重要だ」。政府観光局のクンザン副局長は情報化が生活に多少の変化をもたらすことは自然なことと受け止めている。「環境や家族のきずなを犠牲にして『幸せ』を感じることなどできないことはブータン人は分かっている。景色が美しい観光地は世界中にいくらでもあるが、ブータンが誇るのは、観光客にやすらぎを与える国民の生き方なのだ」

 ブータンが国の指針とする「GNH(国民総幸福)」は、決して経済発展や開発、近代化を否定するものではない。「物質的な満足と精神的な満足の両立こそが、幸福をもたらす」。開発の究極の目標がGNHだ。

 国の「豊かさ」を知るための経済指標として広く利用されるGNP(国民総生産)。一定期間内に生産された財・サービスの総額だ。しかし、この中には例えば交通事故による医療費や公害対策費といった“負のコスト”も算入されている。一方で、環境保全や資源の持続可能性といった視点は考慮されていない。

 「足るを知る」「輪廻(りんね)転生」のチベット仏教の思想が強く根底に流れるブータンは、公平な社会経済開発▽文化遺産の保護と伝統文化の伝承▽自然環境保全と持続可能な利用▽良き統治−の四本柱をGNHの基本にした独自の国造りを選択した。国家アイデンティティーを誇示する伝統文化の重視は、小国ながら国家主権を維持するための盾でもある。

 「幸福」という極めて個人的な感情を国家の開発政策の目標とすることに、「貧困を容認する結果になる」との指摘もある。しかし、非物質的な側面の大切さと正対する国家の姿は、「精神的な豊かさ」をないがしろにしてきた先進諸国の自省を促す側面もある。

 「GNPのように数値化し客観的な指標に」。こうした国内外の声に押され、ブータン総合研究所は昨年二月から国連開発計画(UNDP)と共同で本格的な研究を始めた。教育、医療、コミュニティーの活力、時間の使い方、自然環境、統治−など九つの要素で住民の意識調査を行い、〇八年ごろまでに国内で通用するGNHの数値化の手法を確立させ、将来的には国際的指標に発展させたいとしている。

 医療、教育といった基本的な社会資本だけでなく、安心して暮らすための根幹である地域社会の互助機能や、分権化により開発計画の策定などにも関与する地域社会の現況などについて住民の満足度、信頼度を調べる。

 例えば、調査対象の一つである「時間の使い方」では、一日のうち家族のだんらんや趣味など、仕事(家事)や食事、睡眠以外に充てた時間を調べ、“幸福量”の数値化を目指す。

 ブータンでは来年、初の総選挙が行われ、王政から民政へ移行する。二〇〇一年以降、成文憲法制定作業に着手してきた同国では、憲法草案に「GNHの追求は国の責務」として明記されており、GNHは名実共に国是となる。

 一方、「国民の良識を信じる」(ワンチュク前国王)と一九九九年にテレビ、インターネットが解禁され、国民の意識や生活様式に変化が起きている。情報という“パンドラの箱”を開けたブータンの「幸福」が少なからず変質していくのも間違いない。

■電化拒んだ村 『暗くなったら寝るだけ』

 かさついたほおを真っ赤にしたソナム君(13)はストーブに薪(まき)をくべながら、「もっと電気が使えれば、最初にライスクッカー(電気炊飯器)をお母さんに買ってあげたい」と言った。

 フォブジカ村は「ツルの里」だ。首都ティンプーから東へ約百五十キロの道のりだが、足元に深い谷底を見ながら密林に覆われた険しい山をいくつも越えるため車で五時間かかる。

 中国チベットからヒマラヤ山脈を越え、絶滅危惧(きぐ)種のオグロヅルがフォブジカ谷の中央部に位置する竹の自生地や湿地に飛来。毎年十月中旬から三月にかけて二百−四百羽やってくる。

 標高三千三百メートル。山すそには主要作物のジャガイモ畑が広がり、土を塗った木造家屋が点在する。約六百世帯、三千人が暮らしているが、送電設備はない。日が落ちると、漆黒の闇と静寂、肌を刺すような寒気に包まれる。

 「送電線ができれば、越冬に来るツルの邪魔になる」。飛来するオグロヅルを守るため電線延伸による「電化」を、村人は拒絶した。

 オグロヅル保護のために設立された「王立自然保護協会」は四年前、村に太陽光発電の導入を提案。厳冬の寒さをしのぐため、電力の安定供給を求める声もあった。だが、村人たちはわずかな電力量しか得られない上、天候に左右されるのを承知で太陽光発電を選択した。

 各家の屋根には低利融資で購入した縦五十センチ、幅七十センチほどのソーラーパネルが一基設置されているが、ほとんどの家には、村から支給された薄暗い電灯以外、電気製品はない。

 ソナム君の父親ドレさん(54)は農業の傍ら二年前からゲストハウスを経営する。「仕事の合間は家族やお客さんとしゃべって時間を過ごす。暗くなったら寝るだけだ」。送電線が張られても、賢いツルは触れるようなことはないと信じるが、酔っても村人たちの選択に対し、愚痴をこぼすことはない。

 三人の子どもの将来には不安もよぎる。が、「村に住む六十人の“家族”が助けてくれる。この家だってみんなが手作りで建ててくれたんだ」と、ドレさんは言う。

 ドレさんのおいのケンチョさん(19)の日課は、ツル観察。保護協会に依頼されたアルバイトだ。今季は二百六十羽以上が越冬しているという。「ツルよりテレビでサッカーの試合を見ている方が楽しいだろうけど、子どものころから見続けてきたツルが来なくなったら寂しいよ」。保護協会の職員になるのが夢だというケンチョさんは曇りのない笑顔を見せた。

■国営シンクタンク ブータン総合研 カルマ・ゲレ上級研究員に聞く

 ブータンは一九七〇年代に国家開発計画立案のため欧米の先進国をモデルに研究した経緯がある。しかし、貧富格差や環境破壊、文化喪失を生み、必ずしも国民の幸せにつながるものではないと判断し、真の幸福を追求する独自のGNHという概念を導入した。

 それから三十年。経済至上主義の米国に追随した国々は経済的には豊かだが、さまざまな深刻な問題に直面している。経済発展はもちろん必要だ。経済発展の原動力となる新技術の開発も重要だ。例えば医療技術の進歩は大勢の人を救う。しかし「幸福」になるために経済や技術を発展させるのであって、経済発展が必ずしも「幸福」をもたらすのではないことを知るべきだ。

 経済力である程度の幸せをつかむことはできる。しかし、それ以上の幸福感は、カネや物では得られない。幸福は人の奥深くにある願望。究極の目標でもある。周りの誰か一人でも不幸だと、人は幸福になることはできない。物欲の達成を追い求めると、環境への悪影響などに気づかなくなってしまう。

■繁栄求めた米弱者しわ寄せ

 国内総生産(GDP)世界一の米国で、貧しさから民間保険に加入できず、医療の“網”からこぼれ落ちる人たちが増えている。ボランティア団体「プロジェクト・リニューアル」はこうした弱者を救うため、ニューヨーク市内で、検診設備を備えた移動式のクリニック「医療ワゴン」を走らせる。同乗し、“セーフティー・ネット(安全網)なき競争社会”の実態を探った。 (ニューヨーク支局・池尾伸一)

 シャネル、ティファニーなど有名店が立ち並ぶニューヨークの五番街。年末のホリデーシーズンを迎え、ショーウインドーの飾り付けが華やいでいた。株高を背景にウォール街では証券会社、ゴールドマン・サックスのトップが六十三億円ものボーナスを受け取るなど大盤振る舞いに沸く。勢い五番街のブランド店や高級レストランの商戦も好調だ。

 だが、そこから三百メートルほど離れた聖バーソロミュー教会の周辺にはまったく違う光景がある。ホームレスの人たちが段ボールや毛布にくるまる。午前八時、「プロジェクト・リニューアル」の運営する「医療ワゴン」が到着すると、たちまち行列ができる。

 「この先生がいなかったら、とっくに死んでたよ」。十二年前から路上で暮らすジョージさん(72)はメリット医師(52)を指さして言う。ぜんそくや糖尿病、白内障を患い同医師から薬を定期的にもらっている。

 市内を巡回する「医療ワゴン」には、医師に看護師、ケースワーカーらが乗り込む。「厳しい生活で結核、肝炎やぜんそくを病む人が多い。だが無保険の場合、一回の診療だけで数百ドル(数万円)も取られる。病院に行けず病気を進行させてしまっている人が多い」と、メリット医師は言う。

 「背中と腕が痛くてたまらない」というミゲルさん(40)は運送会社に勤務。ベッドや家具を運ぶ重労働で体を痛めた。週六日働いても月収は約二千ドル(二十三万円)。家賃は七百ドル(八万円)。残りの千三百ドル(十五万円)で家族四人が暮らすことを考えると、医療保険に加入する余裕はない。「家族の誰かが重病にかかったらどうするかは、考えていない」と顔をしかめた。

 移民たちが抱える問題もある。マリオさん(71)は持病の胃炎でつらそうに脇腹を押さえながら、「問題は永住権や市民権がないこと。ずっとグリーンカード(永住権)を申請しているがいまだにもらえない」と嘆く。

 ペルーから移住したのが四十一年前。製鉄工場に長く勤めたが、引退。今は収入がない。低所得者向けのメディケイドや、高齢者向けメディケアなどの公的な医療援助は永住権などがないため、受けることができない。

 病気が重く、手術が必要な場合などは救急車を呼んだり、無保険者でも診療してくれる数少ない公的な病院に患者を移送する。だが、専門医の多くは無保険患者を嫌がる。「説得や値下げ交渉にはいつも四苦八苦する」と、看護師たちは口々に実態を明かす。

■難題と闘うNYの有志 医療・福祉最後の“砦”

 プロジェクト・リニューアルは三十年前に設立された。職業訓練や食事、住居の提供など、ホームレスや低所得者の支援を続けている。市内に六カ所の無料診療所と歯科医院も運営する。

 看護師のデビッドさん(58)は大病院の緊急病棟(ER)で働いていた。貧しい人々やホームレスが救急車で次々に担ぎ込まれた。「心臓発作や末期がんなど、もっと早く診療を受けられれば助かったケースに遭遇するたび、いたたまれない気持ちになった」。治療を受けたくても受けられない人を救いたいと二十年前に活動に加わった。

 治療費などの負担が重すぎて弁護士費用が払えない人々は、自己破産もできず、借金だけが膨らむ悪循環に陥るケースも多い。ニューヨーク市のクランズドルフ弁護士はこの問題の深刻さに気づき、昨年から仲間の弁護士と「NY破産支援プロジェクト」を立ち上げ、無料で破産手続きや法律相談を始めた。

 相談に訪れる人の中には「いまにも心臓発作を起こすのではと心配になるほど弱りきった人もいる」と同弁護士。「なぜここまで苦しまねばならないのか。米国の制度はあまりに非人間的だ」と怒る。

 米国では行政の役割は限定される代わり、寄付金で運営されるNPOや教会などが医療や福祉の最後の「セーフティー・ネット」(安全網)として、難題に立ち向かっている。

 低所得者が多いブロンクスでもA・アインシュタイン大の医学生らが無料診療所を始めた。だが、週一回の診療では、受診希望者を翌週以降に回さざるをえないこともある。同大三年生のリサさん(25)は言う。「善意だけで解決するには問題があまりに大きすぎる」

■米は民間保険のみ 未加入6人に1人 破産の半数 病気が原因

 米国では、日本の国民健康保険のように国民すべてをカバーする公的な医療保険がない。このため、国民は民間の保険に加入するしかない。だが、経済的に加入できない人も多く、無保険者は2005年時点で4660万人に上る。国民の6人に1人は加入していない計算だ。極端に貧しい人には「メディケイド」という公的な保険があるが、支払額が限定されるメディケイド患者の診療を拒否する病院は多い。

 さらに、自己破産する米国民は毎年150万人から200万人に上るが、ハーバード大の調査によると、自己破産の半分は病気が原因。このうち75%の人は病気になる前は保険に加入していた。

 病気による休職と同時に会社が提供する保険が使えなくなるためで、「普通の暮らしをしていた人が病気をきっかけに大地の裂け目にのみ込まれるように破産に追い込まれる」とクランズドルフ弁護士は言う。

 米国では歴史的に政府の民間への介入を嫌う「小さな政府」を志向するため、医療など社会保障についても公的な支援体制はもともと薄い。コスト削減のために従業員に医療保険を提供しない企業も増えている。

 国勢調査でも2000年に国民の14.2%だった無保険者は、05年には15.9%に増加。特に黒人は2割、ヒスパニックは3割もの人が無保険。白人男性の平均寿命が75歳なのに対して、黒人男性は69歳にとどまるなど、人種間での平均寿命の差にもくっきりと影を落とす。

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