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原田武夫 2007年1月5日 第21回 滅びゆく日本人と生まれ出でる日本人
http://www.asyura2.com/07/senkyo29/msg/702.html
投稿者 新世紀人 日時 2007 年 1 月 05 日 19:26:35: uj2zhYZWUUp16
 

http://biz.yahoo.co.jp/column/company/ead/celebrated/person5/column_person5.html
2007年1月5日 (第1、第3金曜日更新)

第21回 滅びゆく日本人と生まれ出でる日本人
マーケットを揺さぶる外的要因は北朝鮮だけではない
 いよいよ2007年が始まった。「期待の年」、そして「不安の年」の始まりである。まずはこのコラムの愛読者の皆様に、新年の挨拶方々、日本のマーケットとそれを取り巻く国内外の政治、外交、そして軍事の「潮目」が今年どのように生じるのかを書かせていただければと思う。

 昨年の師走も押し詰まった12月28日。私は、いつものように大阪のよみうりテレビで放映されている「情報ライブ ミヤネ屋」に出演した。関西では絶大な人気を誇る宮根誠司さんの軽妙なトークで番組が進む中、「2007年を漢字一文字で書くと?」というコーナーとなった。

 この時、あらかじめディレクター氏から渡されていたボードに私が書いた漢字は「学」。番組開始直前にボードを受け取りにきたディレクター氏もちょっと驚いたようで、「え? 何でですか?」と開口一番に質問してきた。私は次のように答えた。

 「来年は、年明け早々から大変なことが続々起きます。外交、政治、そして経済と揺れ動く中で、私たち日本人は一体何がどうなっているのか分からないようになるでしょう。でも、だからこそ『私たち日本人が知らぬ間に変わってしまった世界の構造』について全力で学ばなければならないのです。したがって、来年の漢字は『学』です」

 それではこれからの1年、一体何が生じるというのだろうか。――詳しくは、マネーの潮流が織り成す「世界の潮目」を踏まえた投資スタイルを身につけようとされる日本の個人投資家の方々のために出しているCD版「原田武夫通信」をお聞きいただきたいが、これから生じるシナリオの「あらすじ」をポイントだけ記すと次のとおりだろう。

 まず、日本は新年早々から北朝鮮問題が急激に展開し始めることによって、大打撃を受ける。そのショックで立ち直れなくなる可能性が高いのが、安倍晋三総理大臣が率いる日本の現政権だ。マーケットの論理を知っている者が一人でも総理の周りにいれば事前に察知することのできた展開を読むことができず、安倍政権は失速していく公算が大きい。そして、リカバリー・ショットを打とうとすればするほど、各国が随所に仕込んだ罠にずるずるとはまり込み、もはや収拾がつかなくなる危険性すらある。もちろん、日本のマーケットも大揺れに揺れることは間違いない。

 日本のマーケットを揺さぶる「外来性の要因」は何も北朝鮮だけではない。かつて流行した「同時多発テロ」にも似た勢いで、ほぼ同時期、東アジアで為替レートを巡る大変動が生じることであろう。想定内の出来事であったとはいえ、そうした「想定」と日本株マーケットとの隠微な関連性にまで思考の枠組みが追いついていない個人投資家は、続々、転落していくことであろう。


「三角合併」は「黒舟来航」以来の大騒動を招く

 まさに、「金融資本主義」が百花繚乱といった状況の中で、日本の内政はどうなのかというと、「選挙一色」である。4月に行われる統一地方選を皮切りに、7月には参院選が予定され、選挙の季節が続く。永田町を巡ると、本来であれば参院選と無縁なはずの衆議院議員たちが昨年夏ごろからすでに「臨戦態勢」に入っていることに気づく。――そう、「衆参同日選」になる可能性が高いのだ。そして、選挙には大量動員がつきものである。動員するにはカネがかかり、その資金調達のためにマーケットが動かされる。

 春先からの「選挙相場」はこうして始まるわけであるが、それと同時に生じる現象が二つある。一つは改正会社法の施行に伴う「三角合併」の解禁、そしてもう一つは「団塊の世代」の大量離職である。前者はいわずもがなの「米系を中心とした外資による日本買いの始まり」を告げるものであるが、その一方で後者が日本の金融マーケットに及ぼす影響も負けずとも劣らず重要である。なぜならば、離職後の不安な時期にやってきた「M&A相場」、そして「選挙相場」である。少しでも未来を確実にしたいと考える「団塊の世代」たちが、大手メディアに煽られ、一斉に「にわか個人投資家」に変身し、その虎の子を惜しげもなく株式市場へと注ぎ込んでいくことであろう。突如として発生する「にわか個人投資家」と、重装備の装甲車で周到な作戦計画にのっとって乗り込んできた「外資集団」――何もなければ、どちらが勝利するのかは目に見えている。

 「選挙の季節」を迎えるのは日本だけではない。フランス、韓国、ロシア、そして米国も「選挙の季節」へと突入している。団塊の世代を中心とした「にわか個人投資家」という集団的な犠牲者が生じることで、この上もなく「おいしいマーケット」となっている日本株マーケットに、これらの外国政治勢力が資金調達のため、やってこないはずがない。その結果、日本のマーケットは各国勢力が入り組んだ激しい攻防戦となり、それによってますます日本は世界中で起きる「金融手段を用いた、国富の合法的な移転を巡る争い(これを私は『洗練された帝国主義』と呼ぶ)」へと巻き込まれていく。

 「所詮、マーケットでの話だろう。私には関係のないことだ」

 そう思われるかもしれない。しかし、考えてもみていただきたい。今年5月から、「三角合併」が解禁となれば、サラリーマン投資家である読者の方々がある朝出社すると、突然、自社が「外資系」となっており、上司が根こそぎ「外国人」になっていることも十分にあり得るのだ。日本は江戸末期の「黒船来航」以来の大騒動となることであろう。

「有名言論人」たちは金融資本主義を理解できるか?
 その結果、世界中を飛び回るマネーの潮流には無関心であり、「世界の潮目」を感じる能力を退化させてしまった日本人の中でも、さすがに次のような疑問が叫ばれるに違いない。

 「今起きていることは一体何なのか? 私たちは生き残るために、何を行うべきなのか?」

 そうした鋭い疑問の矛先は、まずは大手メディアへとぶつけられることであろう。しかし、戦後まもなくに行われたGHQによる占領統治の中で、すっかり米国によって飼いならされ、「閉ざされた言語空間」(江藤淳)に安住することで、生き残ることを良しとしてきた日本の既存メディアとそこに暮らす「言論人」である。資本主義国を自称する日本に暮らしているのに、金融投資一つ語ることができず、何かというと「拝金主義批判」を唱え、「武士道」と連呼していれば済むと考えていた旧タイプの言論人たちは、今や世界を席巻しつつある金融資本主義について語ることができない。

 過去20年近くにわたってテレビ・ニュースを仕切り、政治討論番組を仕切ってきた「有名言論人」たちが、こうして一斉に馬脚をあらわすことになる。なぜなら、彼らは迫り来る金融資本主義を型どおりに理解するのに精一杯であり、今や誰もが個人投資家となったテレビ視聴者や各紙読者が矢継ぎ早に投げかける「それでは次に一体何が起きるのか」という問いかけに、「世界の潮目」を踏まえた答えを出すことができないからである。その結果、日本のメディアは第2のホリエモンによる買収を待つことなく、そこに出演する論者の総入れ替えという形で内部から変革されていく。


2007年は歴史の転換点となる!!

 まだまだたくさん「シナリオ」はあるが、大所を記せば以上のとおりである。問題は、金融資本主義の本格的な到来を迎えた新たな「潮目」の中で、個人投資家である読者の皆様が果たして生き残れるかどうかであろう。もちろん、生き残るためにはまず第一に「学ぶこと」が必要である。しかも、米国を仕切る閥族集団「奥の院」のメンバーたちが幼いころから課せられている膨大な量と同じか、あるいはそれ以上の量の知識と経験を、一日でも早く吸収しなければならないのだから大変である。相当な「真剣勝負」となることはいうまでもない。

 これこそ、「会議は踊る、されど動かず」という言葉がぴったりの教育再生会議では語られることがついぞない、現代日本が抱える本当の「教育問題」である。滅びゆく旧タイプの言論人、あるいはそれに追随する日本人たちからの甘い誘惑を断ち切り、勇気を出して、紋切り型の「拝金主義批判」と「擬似武士道精神論」を乗り越えた日本人だけが、「今、生まれ出でる日本人」となることができるのだ。今年の早々から、私もそうした日本人が一人でも生まれ出でるよう、盛んに「地上戦」を展開していければと考えている。

 かつて、中国大陸に君臨する強大な帝国「隋」を相手に、真正面から「日出ずる国」を名乗った偉人・聖徳太子の子孫が私たち日本人である。あの時の「気概」を再び振り絞る遺伝子は必ずや私たちの体の中に残っているはずだ。――2007年は、必死に学ぶ日本人がそのことを思い出す「歴史の転換点」となるに違いない。

追記 今回から本コラムにあわせて掲載する写真は、ロンドンから帰国したばかりの新進気鋭のフォトグラファー・水落由紀さんの作品を使わせていただくことにした。そこに切り取られた「瞬間の美」をどうぞ堪能いただきたい。

※ 原田武夫についてのさらに詳しい情報は、「しごとの自習室 - 原田武夫通信」をご覧ください(外部サイト)。
※ 「仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 ――マネーの時代を生きる君たちへ 原田武夫東大講義録」の出版記念無料セミナーを2月16日と3月2日に開催予定(外部サイト)。


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