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「小沢民主党」への注文=平田崇浩(政治部)―毎日新聞 (記者の目)
http://www.asyura2.com/07/senkyo30/msg/501.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 2 月 02 日 09:22:13: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/kishanome/

◇分かりやすさを対立軸に−−「財源論」を軽視するな

 「小沢民主党」が分かりにくい。昨年末の基本政策策定、1月の党大会、衆院本会議の代表質問などをみてきた率直な感想だ。小沢一郎代表は「生活維新」という抽象的なスローガンではなく、目指す政権像を分かりやすく示してほしい。

 昨年末、民主党の政権政策委員会の議論は混乱した。小沢氏が昨年9月の代表選で出した政策ビジョンに基づき、基礎年金の全額税方式や、高校と就学前(5歳児)教育の無償化、農家の戸別所得補償など計10兆円以上の歳出増が見込まれる政策がずらりと並んだ「政権政策の基本方針」(政策マグナカルタ)。その作成作業に「消費税は上げない」という小沢氏の意向が重くのしかかっていた。メンバーの間では「どうやってもつじつまが合わない」「政権をとったらどうせ消費税は上げざるを得ないんだから、今は上げないと言っておけばいいんだ」などのやり取りが交わされたと聞く。

 小沢氏は「民主党の歴史で基本政策をまとめたのは初めて」と胸を張ったが、与党は「バラマキ」と批判した。小沢氏は昨年末の記者会見で「財源の裏付けがあって初めて政策は実行可能になる。ただ、マスコミも国会議員も現状の制度や仕組みを前提としてすべてを考えている」と財政の抜本改革に取り組む姿勢を強調。1月29日の代表質問で補助金廃止などの地方分権で6兆円、国家公務員の人件費削減で1兆円、特殊法人・独立行政法人の原則廃止で4兆円といった財源捻出(ねんしゅつ)策の概算を示した。しかし、具体的な積算根拠には触れず、説得力を持つ説明とは言えなかった。

 ここで思い出すのは、96年衆院選で小沢党首率いる当時の新進党が打ち出した18兆円減税と消費税率3%据え置きの公約だ。バブル崩壊後の長期不況を大型減税による景気刺激で打破しようとしたものだが、原理原則を重んじる改革者イメージとのギャップは否めず、新進党敗北の一因とされた。その後の新進党の解党や旧自由党と自民党との連立など、過去の小沢氏の政治行動に振り回され痛い目に遭った政治家も与野党を問わず多く、自民党幹部は「小沢さんは政局の人。矛盾だらけだ」と批判する。

 かつて非自民連立政権から旧社会党を追い出した小沢氏が、今は民主党内で旧社会党系の横路孝弘衆院副議長らのグループと協力する構図も分かりにくい。小沢氏の旧自由党が民主党に合流する2年前の01年末、自衛隊のインド洋派遣に反対で一致した小沢氏と横路氏の間で新党結成まで模索されたのがなれそめだという。そのとき、両氏と双方の中核メンバーが連携を誓う「血判状」を残したというエピソードは、政権交代という共通の目的のためなら主義主張の違う相手とも手を組む小沢氏の「すごみ」も感じさせる。

 しかし、国民の間に根強くある「小沢人気」は、やはり「日本の政治を改革してくれる」との期待感に根差すものだろう。昨年、小沢氏が民主党代表に就任してまもなくのころ、私は町内会の会合で近所の年配男性らが小沢氏を好きか嫌いかで議論する場に居合わせた。嫌っている側も「小沢氏が言った通り政治を変えられなかった」という理由が主で、期待感の裏返しだ。失礼な言い方だが、まだ小沢氏の「賞味期限」は切れていないと思った。

 この期待感を盛り上げるには、小沢氏の描いてきた改革の姿を自民党との対立軸として分かりやすく再提示する正攻法が一番だ。最近は「改革」という言葉が小泉純一郎前首相の専売特許のようになり、民主党もあまり使わなくなっているが、本来は小沢氏が老舗。国民に自立を説き、「官僚政治の打破による真の民主主義実現」を政権交代の目的に掲げてきた時代認識は間違っていない。

 公務員の天下り先となる特殊法人・公益法人への補助金から、官製談合の温床といえる公共事業に偏った予算配分、果ては年金保険料の流用まで、官僚主導の「無駄遣い」をなくし、税金の使い方を抜本的に見直す道筋は基本政策にも示されている。これによって生まれる新たな財源が社会のセーフティーネット構築に充てられ、格差が是正され、「生活維新」につながることを説得力を持って訴えられるかが問われる。財源論は軽視すべきでない。

 小沢氏にとっては幸いと言うべきか、安倍晋三首相も「美しい国づくり」という具体性を欠く目標しか示していない。小沢氏が政治生命をかけるという7月の参院選は「分かりやすさ」が対立軸になると思う。

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 「記者の目」へのご意見は〒100−8051 毎日新聞「記者の目」係へ。メールアドレスkishanome@mbx.mainichi.co.jp

毎日新聞 2007年2月2日 東京朝刊

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