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原田武夫 2007年2月2日 「 第23回 ジョーカーとして生きる勇気」
http://www.asyura2.com/07/senkyo30/msg/523.html
投稿者 新世紀人 日時 2007 年 2 月 02 日 15:22:53: uj2zhYZWUUp16
 

http://biz.yahoo.co.jp/column/company/ead/celebrated/person5/column_person5.html
2007年2月2日 (第1、第3金曜日更新)

第23回 ジョーカーとして生きる勇気


思わず読みふけってしまった一冊の本

 書店に並ぶ新刊本を読んで、「これは面白い!」と思えなくなって久しい。まだ駆け出しの言論人なので偉そうなことを言うべきではないのだが、自分で本を書き始めてからというものの、古典を除き、面白いと思って本を無我夢中に読むことがなくなった気がする。これもある種の職業病なのだろう。世にいう「大ヒット作」なるものを手にするたびに、その背後にある周到なマーケティング戦略と、膨大な広告費が気になって仕方がないのだ。そんな中、珍しくも、思わず読みふけってしまう一冊の本と出会うことができた。「花を売らない花売り娘の物語」(権八成樹 光文社ペーパーバックス)だ。


 週に一度、大阪の読売テレビに出演するため、東京・新大阪間で往復5時間の新幹線「のぞみ号」の旅に出る。その時間を利用して、必ず最低一冊はビジネス書を読破する。そのため、ビジネス書の書棚の前で物色することが多いのであるが、ここに来て急に一つのトレンドが見えてきた気がしている。


 それは、数値分析やら英語の専門用語をずらずらと並べるだけの、いわゆる米国流のビジネス作法を真正面から唱える本が少なくなったということである。むしろその裏側で、「人と人とのふれあい」「心持ち」「感動」といった内容を前面に押し出す本がとても目立ってきている。この本=「花を売らない花売り娘の物語」もそうした一冊であり、その限りにおいては最新のトレンドにうまく乗った本に過ぎないと見えなくもない。


 しかし、私がこの本に目を奪われたのには別の理由がある。それは、マーケティングを説くにあたって「トランプ」をたとえ話で取り上げ、とりわけ「ジョーカー」が果たす役割にスポットライトをあてているということだ。


筆者のたとえ話、孤高のカード=ジョーカーの役割とは……
 この本の筆者・権八成樹氏はいう。――「スペードは剣、すなわち貴族」「ハートは聖杯、つまり聖職者」「ダイヤは貨幣で商人」「クラブは棍棒(こんぼう)=農民」をそれぞれあらわしている。トランプが誕生した14世紀のイタリアでの社会構造そのものだ。そしてそれぞれのカードの種類(スート)の中で1から13までの階級があるというわけである。


 しかし、こうした社会秩序とはまったく異なる役割を果たすカードが1枚だけある。「ジョーカー」だ。言ってみれば「ジョーカー」とは4種類・13階級から成り立つ「トランプ社会」を冷静に見ているアウトサイダーであり、そのルールの外で超然としている。そしてあるときは一人はなれて虚業の位置に身を置き、またある時はトランプたちが繰り広げる実業にも参加できる特殊な存在なのである。


 権八成樹氏はこうした「孤高のカード」であるジョーカーが、三つの意味を持っていると語る。まず、ジョーカーはそれ自身、「哲学」であり、「思想」であるということ。だからこそ、彼(=ジョーカー)はすべての幻を見破り、物事の本質を見抜くことができる。第二に、ジョーカーは切り札であり、才能でもあるということ。無敵と怖れられる最強のオールマイティであり、何でもできる全知全能の神でもある。そして第三に、ジョーカーは処世術であるということ。いろいろな仮面をつけて社会にかかわり、あるときは厄介者、役立たず、そしてまたあるときには期待とあこがれの理想像ともなる。つまり、ジョーカーは自分が特殊な存在であることを知りながらも、気分のおもむくままに生きていく、「自己実現」の象徴なのではないのだろうか。――私はこれを読んで、「まさにこれだ!」と思った。


これからも私は「何者にもおもねることなく、日本のあるべき進路のことだけをまっすぐ考える」
 私が外務省を自主退職したばかりの、2005年4月のこと。朝日ニュースターの番組に出演する際、事前打ち合わせで司会の宮崎哲弥氏から、こう言われたことがある。


 「それにしても原田さん、あなたほど嫌われてる人っていないねぇ」


 正直、「カチン」と来なかったといえばウソになるが、その一方で不思議とそう言われた自分を誇らしくすら思ったことも、良く覚えている。だが、その時には「あなたの悪口を言っている人が大勢いるよ」と陰口の延長戦のようなことをささやかれたのに、なぜ、むしろポジティブに感じたのかが、自分自身、説明することができなかった。


 しかし、今は違う。例えばこの宮崎哲弥氏。何度もお世話になっているので、その分の感謝を差し引いたとしても、「中堅言論人の雄」と思われているはずの同氏が見せる最近の「権力に対する擦り寄り方」は目に余るものがある。深い思索に基づいているのだろうとは思っても、結局は安住先を求めているのだろうなどと、「言論人の黄昏」を感じざるを得ない。


 それに対し、私自身はどうか。誤解を怖れずに申し上げるならば、いまだ「パワー全開」である。


 小泉政権にいたるまで進められてきた「構造改革」という時の「構造」とは、実は敗戦後まもなく、米国=GHQが日本人につくらせた「構造」に他ならないこと。その意味で、ブッシュ政権になってからこれを「対日年次改革要望書」なる紙切れ一枚で日本に「改革」するよう求め、「構造破壊ビジネス」を展開する環境を整えさせた米国の行いは、まさに「自作自演」「マッチポンプ」に過ぎないということ。そして、その延長線上で「金融資本主義」が確実に日本に仕込まれてきており、今や年金すらもらえず、虎の子の郵便貯金・簡保すら奪われた個人としての日本人たちが、無防備なまま、その渦の中に陥れられているということ。さらには、「圧力」としか言わない安倍政権を頂く日本人にとっては唖然(あぜん)とするような「問題解決」が米朝によって高らかにうたわれようとしている北朝鮮問題も、その渦の中にあるということ。――とにかく、これらすべてについて「おかしいことはおかしい」と事あるごとに発言してきたつもりだ。「何者にもおもねることなく、私たちの国=日本のあるべき進路のことだけをまっすぐに考える」というこれまでの思索の結果を、最近、拙著『仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理−マネーの時代を生きる君たちへ 原田武夫の東大講義録』(ブックマン社)として上梓した。無論、これでおしまいということではまったくない。それどころか、問題は無尽蔵にあり、またその根は途方もないくらい根深い。


 幸い、こうしたこれまでの言論や活動に対し、意識の高い皆様が、ある時は支援者、またある時は情報提供者、そしてビジネス上のクライアントとして深くコミットしてくださってきている。そのことに深く感謝の念を感じるものの、それよりもまして思うのは、いまだに私の展開している一連の議論を、やれ「陰謀論」だ、「思い込みだ」と批判する一群の人々のことである。一部のネット上で反乱する、そうした声だけに注目しているわけではないが、あくまでも真実を語ろうとする者への誹謗中傷としては、目に余ることがないわけではない。


 私が米国について語り、米国による世界構造の維持や、対日統治の実態について語る時、それには常に根拠がある。例えば米国の情報工作機関の存在について語るのに、CIAのケースオフィサーの行動をつぶさに観察したことがないわけがないだろう。あるいは、米国を実際に統治している閥族集団(私のいう「奥の院」)にしても同じことである。だからこそ、私は彼らの行動と意図を語り、警鐘を鳴らすのである。


米国流の新世界で安住し、格差社会の中でハイランキングを確保している者たちからすれば、私は「ジョーカー」なのである
 これに対し、飽くなき「批判」を語る一群の人たちについてどう考えるべきか、権八成樹氏の本を読むことで、ようやく頭の整理がついた。――つまり、彼らにとって、私は「ジョーカー」なのである。米国が創り出し、あるいは「改革」と称して破壊し、新たに創りあげようとする米国流の新世界の中で安住し、あるいは格差社会の中でもハイランキングを確保している者たちからすれば、現状の「見えない秩序」を指摘されることこそ嫌なことはない。このコラムを含め、私がさまざまな媒体を通じて発信してきている内容は、彼らにとっては余りにも「危険」であり、「忌むべき」ものなのである。


 実は、彼らの「メンタリティー」こそ、今の日本社会全体が抱えている病巣に他ならない。見えない秩序にとらわれ、その秩序を一体誰が創り出したのかについて知らず(歴史の無知)、あるいはそもそも情報リテラシーについて学んだことがないために「この秩序を、米国があの手この手で維持しようとしている」という仕掛けにはまったく気づかず、また気づこうともしないのが今の日本人なのだ。だからこそ、「教育」「年金」「外交」など、すべての問題が日本国内に原因があり、責任者がいるはずだという議論へと落とし込まれていく。挙げ句の果てには犯人探しの「内ゲバ」に終始することになる。


 「社会の木鐸(ぼくたく)」を自認する日本のメディアは、そのことを語るどころか、それをあおり立てる役割を買って出る始末。なぜなら、GHQによる統治以来、日本のメディアにとっての「創造主」・「管理者」は日本国内にはいないからだ。それは米国に他ならない。だからこそ、メディアはこのことを語らず、関連するすべての真摯(しんし)な問題提起を茶番にし、あるいは完全に黙殺するのだ。


「覚めた日本人」に対し、真実を明かし、そこからはい上がるための本当の手段を語るのが、ジョーカーに託された役割なのだ


 しかし、まもなく状況は急変する。なぜなら、金融資本主義の急激な浸透によって、さしもの日本人の中でも「これは何かがおかしいぞ」と気づく人が増え始めるからだ。「郵政民営化」によって虎の子の郵貯・簡保が宙に浮き、「年金崩壊」によって言い様のない将来への不安を感じつつある日本人たちは、一斉に株式マーケットへとなけなしの資金を投げ入れつつある。素人である日本の個人のカネを「マーケット」というブラックボックスを通じて奪いとることなど、米系を中心とした外資にとっては朝飯前であろう。


 だが、奪われる側にも「論理」はある。さしもの日本人も、大手メディアが垂れ流す情報を信じて投資を行うことで巨額の損失を被り、だからといってそこからはい上がるための知恵を(巨額の投資をしてきたはずの)「学校教育」においてまったく学んだことがないことを思い知る中で、「何かが明らかにおかしい」と思い始めることであろう。つまり、米国流の金融資本主義が情け容赦なく浸透すればするほど、そこには数多くの「覚めた日本人」が誕生する可能性があるというわけだ。


 その瞬間こそ、「ジョーカー」の出番に他ならない。まさに「一撃必打」、敗戦後よりずっと「集団催眠術」をかけられてきた日本人に対し、真実を明かし、そこからはい上がるための本当の手段を語るのが、ジョーカーに託された役割なのだ。なけなしの投資資金を情け容赦なくマーケットの妖怪たちに奪われた日本人たちは、最後の望みをジョーカーにかけることであろう。


 「中国による元の切り上げ」「北朝鮮情勢の米朝主導の急展開」「日銀による金利引き上げ」「米国における急激な景気減退」「鉱物を中心とした資源高」、そして「円安への暗転に伴う国際優良銘柄の急落、平均株価の転落」など、始まったばかりの2月には実に多くのメニューが控えている。日本の個人投資家の内、一体何人がこれからやってくる大波の中で生き残ることができるだろうか。


 「現代日本の『ジョーカー』を目指すためには一体何をすべきなのか」―――私にとっての宿題は日増しに増えていくばかりである。

※ 原田武夫についてのさらに詳しい情報は、「しごとの自習室 - 原田武夫通信」をご覧ください(外部サイト)。
※ 『仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 ―マネーの時代を生きる君たちへ 原田武夫東大講義録』の出版記念無料セミナーを2月16日と3月2日に開催予定(外部サイト)。


[新世紀人コメント]
ジョーカーは、怒ったり反撥したりはしないだろう。そんな事とは無縁であるのがジョーカーなのだから。
ジョーカーは詰まらない事は気にかけないのだ。
ジョーカーは万能である時も有するのだから気楽な身分にいるのだ。
ジョーカーは破滅を免れる。影も現実も自由自在であるからだ。
弱者は強し。
権力者・金力者はしばし、酒に溺れる酒乱者である。権力・金力に飲まれ溺れ死ぬ。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?dtype=2&p=%A5%B8%A5%E7%A1%BC%A5%AB%A1%BC
ジョーカー【joker】
1 しゃれや冗談をいつも言う人。道化者。2 トランプで、道化師の絵などが描いてある番外の札。最高の切り札、または手元にない札の代用として使う。ばば。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?dtype=2&p=%A5%D4%A5%A8%A5%ED
ピエロ【pierrot】
1 サーカスなどの狂言回しをつとめる道化役者。紅を入れた白塗りの顔、長袖の寛衣、こっけいな動作などを特徴とする。元来、イタリアの即興喜劇中の道化役がフランスのパントマイムの役柄に取り入れられたもの。2... [さらに]
ピエロ
道化師 道化役 三枚目 おどけ者 笑われ役 剽軽(ひょうきん)者 

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