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映画『それボク(それでもボクはやってない)』と植草事件との不思議な類似性(神州の泉)
http://www.asyura2.com/07/senkyo30/msg/736.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 2 月 06 日 19:27:17: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2007/02/post_dc20.html

 昨日の朝、日本テレビの「ウェークアップ!ぷらす」という辛坊治郎氏が
司会をやっている番組で冤罪の話をしていた。 その中では、「痴漢えん罪
全国合同弁護団長」でもある弁護士の秋山賢三氏が言っていた。痴漢の
裁判では、裁判官は被害者の女性だけの供述を取り上げ、被疑者の言い
分はまったくと言っていいほど無視される場合がほとんどであると。私はこ
の見解に植草氏が陥った出口なき迷路を思いやった。

 この番組では、今ヒット中の映画、周防正行監督の『それでもボクはやっ
てない』を取り上げていた。冤罪被害について、辛坊治郎氏に何名かのゲ
ストコメンテーターが意見を聞かれていたが、その中に自民党の世耕弘成
氏もいた。彼は「マスコミも悪いんですよ!」と語っていたが、私はその物言
いに物凄い違和感を感じ、思わずテレビに向かってツッコミを入れていた。

『完全官邸主導の前政権中枢にいて、マスコミ対策を一手に引き受けてい
たのは誰だったんだ?せこうさん、あんただろうが。そのあんたがマスコミ
が悪いなんて今更言うのかよ?』

 竹中平蔵氏率いる経済政策の基本スタンスは、米国発の強制指令書と
も言うべき「年次改革要望書」に則った構造改革であった。ずばり言うなら、
これは米国による第二の日本占領政策にほかならない。この年次改革要
望書の要望事項をつぶさに見てみると、これはM・フリードマンをモデルに
した完全傾斜配分型の構造転換なのである。いわば、日本の社会体制を
新自由主義経済へ塗り替えるマニュアルである。その目的は日本国富の
アメリカ流出システムの構築にある。

 小泉政権の本質が米国の傀儡政権であったことは疑いのない事実であ
り、世耕さんはその広報宣伝マンだった。その傀儡政権の国民に対するイ
メージ付与を担当していた世耕さんが、周防監督の「それボク」映画のヒッ
トで話題になった冤罪について、なぜゲスト出演していたか、私は気になっ
た。彼の出演目的は、穿って考えれば、番組の話題が植草事件に及ばな
いようにレギュレーションをかけることではなかっただろうか。

 この番組を見て触発され、私は矢も盾もたまらなくなって、『それでもボク
はやってない』を観に行ったのである。ひと言で言えば非常にリアルなタッ
チでよくできた映画だと感じた。午後3:20分に始まって、夕方の6時前に
終わった。予告編の時間を引いてもゆうに二時間半はかかっていた。しか
し、あまりにも引き込まれて一時間くらいにしか感じられなかった。それほ
ど秀逸な作品なのである。

 この映画は、細部は違うが、本質的には植草氏の事件とほとんど相似形
を持っていることに驚いた。これは私が植草氏の公判を、立て続けに二回
も傍聴したすぐ後ということもあるだろうが、法廷内の空気や質感、判事や
検察官、弁護人、傍聴席の人々などの存在感は紛れもなく私が行ってきた
ばかりの東京地裁そのものだった。映画では被害者は15歳の女子中学生
であった。スカートをたくし上げて、うしろから尻をさわるという設定も植草事
件と似ていた。

 植草事件の場合は、乗客が私人で植草氏を逮捕したが、この映画では
15歳の女子中学生が被疑者の袖をつかんで現行犯逮捕していた。しか
し、それに手を貸した乗客がいたことは植草氏が京急電車内で経験した
ことと発生的には似ていると感じた。

 私がこの映画に、植草事件と本質的な類似点を最も見出したのは駅の事
務室に連れられた時の展開である。植草氏は駅事務室に連れて行かれた
ときは、力づくというか、抵抗できない状況で強引に連れて行かれ、車内状
況の説明も被害者との話も出来ない状態だった。一方、映画も駅事務室に
主人公が連れて行かれたときは、彼が痴漢をやっていないことを状況的に
見ていた女性が、すぐに駅事務室に行って証言をしようとしたにも関わら
ず、駅員が彼女を追い返した形になったことである。

 このストーリー展開は、植草氏が弁明の機会も与えられないままに、一方
的に京急蒲田駅の駅事務室に連行されたこととほとんどそっくりである。あ
とは警察、検察に身柄を拘束されたまま、一方的な推定有罪の前提による
取調べが行なわれたことである。そして映画の主人公は釈放されるまでに
四ヶ月の拘禁生活を強いられることになった。植草氏も131日の勾留で、
映画の主人公とほぼ同じ期間である。

 そして、この異常な長期勾留の理由も植草さんと同じなのである。つま
り、否認をすれば、次の三つの理由のどれかで延々と勾留されてしまうわ
けである。

 @ 住所不定

 A 罪証隠滅のおそれ

 B 逃亡の疑いがある

現実的には、長期勾留の理由として検察が利用するのは、Aの「罪証隠
滅のおそれ」である。これは物的証拠を隠すというよりも、被害者に対して、
その被害意識を取り下げるような方向に、被疑者が何らかの有形無形の干
渉を施すということらしい。たとえばお金で買収したり、あるいは脅しで相手
を萎縮させたり、そういうことも範囲に含んでいるらしい。

 支援者の仲間があることを調べてくれた。それは『証人威迫罪(しょうにん
いはくざい)』である。むりやり被害者や証人と会おうとしたり、強弁をもって
相手を言いくるめたりすると犯罪になるという法律である。

    証人威迫罪

 刑事事件の捜査・審理に必要な知識をもつ者などに対し、正当な
理由なく面会を求め、または要求に応ずるようおどす犯罪。

刑法では

(証人等威迫)
第百五条の二 自己若しくは他人の刑事事件の捜査

若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者

又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理

由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為を

した者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金

に処する。


専門的にはどうか知らないが、検察が釈放しない理由が「罪証隠滅」にあ
るとすれば、この「証人威迫罪」はそれに含まれるのかもしれない。しかし
ながら、これを考えてみると、痴漢の被疑者がこのような犯罪を敢えて犯し
てまでも被害者とコンタクトするだろうか。私は現実性がほとんどないと思
う。したがって、推定無罪が原則の近代法治国家で、被疑者の長期拘束
は妥当性を著しく欠いていると考える。

 植草氏の痴漢事件に冤罪の疑いが濃いと思っている人も、植草氏を常習
的な性犯罪者だと思っている人も、周防監督の「それでもボクはやってな
い」を是非見て欲しいと思う。冤罪の恐ろしさがとてもよくわかる。しかも、そ
れは誰にでも起こり得る事であることがよく理解できる。そして私たち支援
者が公開し考察したことと、この映画の展開を照らし合わせて欲しい。

 すると、植草事件の真相が浮かび上がってくる。そうすると、植草事件は
ただの偶発的な冤罪ではなく、深い背景を持った大掛かりなでっち上げで
あることに考え方がシフトしてくるはずである。なぜなら、植草事件の場合
は、被害者と目撃者、それに「私服」と呼ばれた膂力のある乗客に、ある
共通した世界が垣間見られるからである。

 映画と植草事件が決定的に異なっている点が二つある。一つは、植草事
件では、被害者が一度も公の場所に出てこないことである。映画では15歳
の少女が「遮蔽措置」と呼ばれる衝立(ついたて)を使い、傍聴席から遮っ
た状況で証言しているのである。しかし、植草事件では被害者の少女は一
度も出廷しないし、期日外尋問の内容さえ、公判で公開されていない。被
害者が被害状況を一度も法廷で出さない植草氏の裁判ははたして成り立
つのだろうか。

 日弁連は言う。今の裁判制度では「証人保護の諸方策を活用すべきとし
ているが、すでに、遮蔽措置、期日外尋問が、被告人の意向に反して濫用
的に実施されている現状にある」と。しかし、今、進行中の植草氏の公判は
それよりもはるかに不可解なところに行っている。なぜなら、遮蔽措置もな
ければ、期日外尋問の内容さえ公開されていないからである。

 ここまで異常に被害者を出してこないということは、すでに証人保護の域
を超えているように思えてならない。これは被害者不在の裁判ではないだ
ろうか。迷惑防止条例というものが、被害者不在で裁けるという法律なら、
明らかにこれは冤罪を多産する悪法ではないのか。ぜったいにおかしい!

 二つ目は車両の混雑率である。映画では混雑率250パーセント、すな
わち、ぎゅうぎゅうのすし詰め状態であり、痴漢が容易に発生する状況であ
った。しかし、実際の植草氏が嵌められた京急車両内の混雑率は、肩と肩
が触れ合わない程度、または目撃証人と被害者の距離が77センチもあっ
たことなどから、隙間のない、すなわち車両の床に立錐の余地のない混雑
率を100パーセントとすれば、当日車両の混雑率は60ないし70パーセン
トくらいであったと思う。これは決定的な差異であろう。痴漢は起きにくい。

 映画では女子中学生が犯人を間違えたという設定になっているが、植草
氏の場合は犯罪そのものが発生していなかったという疑いが濃厚なのであ
る。


 ※注記
*********************************************************
 上記の混雑率について、読者から訂正の投稿が来た。

 『細かい点ですが、社団法人日本民営鉄道協会のホームページによる
と、100%の混雑率は「定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア
付近の柱につかまることができる)」、150%の混雑率は「肩がふれあう程
度で、新聞は楽に読める」だそうです。植草氏の事件の場合は、150%弱
の混雑率だったと思われます。』

 だとすれば、植草氏の場合は「肩が触れ合わない程度」であるから、150
%以下であることは間違いない。いわゆる『定員乗車』に近いものだったの
ではないだろうか。肩が触れ合う程度でも新聞が楽に読めるくらいだから、
肩が触れ合わない程度がいかに「疎」なる状況かわかると思う。この状況
で、周囲の視認を避けて痴漢行為を起こすことは考えにくいのである。
*********************************************************

2007年2月 4日 (日)

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