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北方領土二等分論 [国会TV]
http://www.asyura2.com/07/senkyo31/msg/1187.html
投稿者 white 日時 2007 年 3 月 13 日 19:19:36: QYBiAyr6jr5Ac
 

□北方領土二等分論 [国会TV]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070313-01-0601.html

2007年3月13日
北方領土二等分論
 戦後日本が解決しなければならない外交課題として、北朝鮮との国交正常化とロシアとの平和条約締結がある。北朝鮮との国交正常化のためには日本統治時代の「過去の清算」と拉致問題の解決が前提となり、ロシアとの平和条約締結のためには北方領土問題が解決されなければならない。
 小泉前総理は北朝鮮との国交正常化に意欲を見せ、自らが平壌に乗り込んで日朝平壌宣言に調印したが、北朝鮮のミサイル実験や核実験によって宣言は有名無実のものとなった。安倍総理は拉致問題の解決を政権の最優先課題としているが、すでに解決済みとする北朝鮮の前にこちらも状況は容易でない。対北朝鮮外交が思うに任せない中、昨年末に麻生外務大臣が北方領土問題の解決策として北方領土面積二等分論に言及したことが注目された。
 
 12月13日の衆議院外務委員会で、麻生外務大臣は民主党の前原誠司議員の質問に答えてこう発言した。
 「二島だ、三島だ、四島だという話になると、これはこっちが勝って、こっちが負けだという話みたいになって、双方ともなかなか合意が得られない(中略)したがって、半分だった場合というのを頭に入れておりました(中略)現実問題を踏まえた上で双方どうするかというところは、十分に腹に含んだ上で交渉に当たらねばならぬと思っております」
 
 日本が固有の領土だと主張している歯舞、色丹、国後、択捉の四島のうち、歯舞と色丹の二つは北海道の属島とも見られ、1956年の日ソ共同宣言でも平和条約締結後の返還が確認されている。しかしこの二島の面積は北方四島全体の7%に過ぎない。次いで北海道に近い国後島を加えても36%、択捉島の四分の一を加えるとちょうど50%位になる。したがって面積二等分論を島の数で表現すると三・二五島返還論ということになる。
 
 これまで四島返還という原則は原則として、交渉の落としどころとして鈴木宗雄議員が主張した二島先行返還論や河野太郎議員が主張した三島返還論などがあったが、面積二等分論は領土面積で言えばそれより四島返還に近くなる。
 
 ところで面積二等分論を最初に主張したのは麻生大臣でも前原議員でもない。公明党の高野博師参議院議員である。高野議員は昨年4月5日、参議院決算委員会で麻生外務大臣に対し、中国とロシアが戦略的パートナーシップを結ぶため、プーチン大統領と胡錦濤国家主席との間で国境線問題がどのように解決されたかを説明した。それが面積二等分のやり方である。中国はベトナムとの間でもそのやり方で国境線を画定している。そして高野議員はこう言った。
 
 「1999年の世論調査ですが、国民の80%は日ロ平和条約は不可欠(と考え)、しかし82%の人はその阻害要因は領土問題だと(考えている)、2000年の場合には二島返還が34%、四島返還が32%、二島返還の方が少し増えている。一方で26%の国民は日本は領土問題に固執すべきではないという意見も強くなりつつある。多くの日本人は日本とロシアのパートナーシップ、友好関係、これが領土問題よりも重要だという、こういう現実があります。
 また一方で、ビザなし交流もかなり進んでいますので、相互の理解というのも相当進んでいる。ロシア人と共生することもできるという日本人も地元地域では増えている。(中略)今現在ロシアは景気はいい。しかし、いずれにしても資源に依存した経済構造ですから、構造改革をやって安定的な経済成長ができるようにする必要がある。そのためには日本の技術と資本が必要だという考えはあるだろう、シベリアの開発も日本とやる、やりたいという希望はあるだろうと思います」
 
 つまり原則論をぶつけあって現状を固定したままでいるよりも、双方の利益になる解決方法を考えるときロシアのプーチン大統領が中国との間で行った面積二等分は有効な方法で、日本の国民世論を考えても実現の可能性があると説いたのである。
 この発言に対して麻生外務大臣は「初めて聞いた説だが、頭が柔らかくてうらやましい」と感心して見せた。
 
 3月1日の国会TV「政治ホットライン」にその高野博師参議院が出演した。高野議員は外交官出身だが、勤務したのは主に中南米の大使館で、ゲリラに誘拐された日本人人質の救出に活躍したこともある。しかし外交官としてロシアとは無縁だった。
 それが何故北方領土問題に関心を持つようになったのかと言えば、2年前に知床半島が世界遺産に指定され、当時環境副大臣の高野議員が現地視察をしたことに始まる。知床から見る国後島は思っていたより近く、そちらからゴミが流れてきたりする。知床の海の環境を守るためにはロシア側にも協力してもらわなければならない。こうして高野副大臣はロシア大使館を訪れるようになり、それが北方領土問題を考えるきっかけとなった。
 
 中ロの国境線画定の経緯を見て面積二等分を「落としどころ」と確信するようになったが、「落としどころ」であるため公言するわけにはいかない。じっと胸に秘めていた。しかし北方領土問題には何の進展も見られない。当時の小泉総理に打診してみたが小泉総理は四島返還論者だった。そこで昨年4月に思い切って国会で質問をしてみたという。
 
 安倍政権が誕生した後、最初の予算委員会で安倍総理にも面積二等分論をぶつけてみた。しかし安倍総理からも慎重な反応が返ってきた。ところが昨年11月に大田公明党代表とモスクワを訪れた際、会談したロシアのデニソフ第一外務次官が「プーチン大統領は領土問題を凍結するつもりはない」と述べ、さらに中国との間で面積を二等分して政治決着した話をしてきた。高野議員が「北方領土でもその方式が取れないか」というと、デニソフ次官は「いい質問だ。ただ線を引けばいいという問題ではない。世論の問題もある」と言い、そこで話は終わった。
 
 高野議員は「プーチン政権の力の強さを考えれば、ロシアの世論はプーチン次第である。問題は日本の世論だが、国会で質問した後も思ったより反発は少なかった。プーチン政権の力の強いうちに実現させるのが一番で、それなら今年前半がチャンスだ」と番組で語った。
 
 考えてみれば安倍政権が最も力を入れている拉致問題は今のところ全くのこう着状態である。日本は次の一手が打てない。アメリカに協力を求める話ばかりが聞こえてくるが、アメリカが金正日政権を打倒して北朝鮮の体制を変えようとしているのならばともかく、そうでなければ協力にも限界がある。アメリカ、中国だけでなくロシアとの関係を強化して北朝鮮を揺さぶる方法も考えなければならない。
 
 豊富なエネルギー資源によって経済成長が著しいロシアは中国、インド、ブラジルと並ぶ新興経済国家の一つである。今後の経済発展を考えれば日本の技術力は魅力であるに違いない。そしてロシアは歴史的な経緯からして北朝鮮に影響力を行使できる強力な存在である。
 実は昨年11月にロシアの二つの諜報機関のトップが来日し、官邸の要人や警察庁長官と密かに会談したという情報がある。拉致問題での協力関係を話し合った可能性が高い。
 
 安倍政権が拉致問題と領土問題の解決をリンクさせて日ロ外交を進展させることが出来れば、支持率低下を反転させ政権浮揚のきっかけを作ることが出来る。領土問題の解決は平和条約の締結という歴史的偉業につながり、日本にとっては水産資源と海底資源の確保という経済的メリットもある。
 高野議員は今年前半がチャンスだと言ったが、それは7月の参議院選挙前を意味する。そう考えると日ロ関係の進展、とりわけ領土問題の解決は一石二鳥どころの話ではない。安倍政権にとって厳しい情勢の参議院選挙を勝利に導く切り札となる可能性もある。うまい事ずくめの話だが、北方領土面積二等分論が本当に転がりを見せる事になるのだろうか。これまで全く進展のなかった領土問題である。
 
 2月28日、日ソ共同宣言に署名した故鳩山一郎元内閣総理大臣の銅像がロシアから日本に寄贈され、東京・音羽の鳩山会館に於いて除幕式が行われた。式典には来日中のロシアのフラトコフ首相、安倍総理大臣、麻生外務大臣らが出席した。式の後で民主党の鳩山由紀夫幹事長は「四島返還を主張しているだけでは千年経っても北方領土は返らない」と発言した。そして安倍総理は3月7日に行われた内閣記者会との会見で、今後の課題として北方領土問題の解決を強調して見せた。

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