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「日の丸・君が代」に反対する教職員をいじめるシステム(野田正彰)
http://www.asyura2.com/07/senkyo31/msg/355.html
投稿者 heart 日時 2007 年 2 月 28 日 10:45:04: QS3iy8SiOaheU
 

(回答先: 君が代伴奏*軽視された内心の自由(北海道新聞社説)←非常にまともな社説 投稿者 heart 日時 2007 年 2 月 28 日 10:36:07)

http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/noda-kouenn.htmより転載。

「日の丸・君が代」に反対する教職員をいじめるシステム

 私は、この「日の丸・君が代」の強制問題を、周辺にいる人たち、私の場合は大学の研究者が多いのですが、そういう人たちと話をして、非常に危機感と不愉快な思いをしています。
教育学者の多くは、このように言います。確かに「日の丸・君が代」の強制は行われています。しかし、教育全体は、総合的な学習の推進や偏差値教育の追放などで、教師たちの自由度は少しづつ高くなっているはずですと。
というのは、教育の現在の方向は、規制緩和だというのです。
よくこんなことを言っているなと思いますが、教育学者の多くはそういう言い方をします。
中には、現在の指導力不足教員の体制作りの委員会に入っている人たちもたくさんいます。
各都道府県の教育委員会に入って、それを推進している人もいます。
学校の自己評価なども進めている人たちもいます。
こういった自己評価、指導力不足のトップに校長の命令に従っているかという項目があります。
彼らは、「日の丸・君が代」に従ってるかどうかがチェックされる仕組みになってることをはっきり知っておきながら、平然とこういう形で言っているわけです。

 この15年間、教育の現場がいかに荒廃しているかと言うことは、『世界』の連載に書いてあるとおりであります。
一例だけお話をしておきましょう。
ある中学校の音楽の先生のことですが、彼女は10年前から卒業式・入学式で「君が代」をピアノ演奏しろと校長に命じられてきました。
早いところでは15年前から進行している地域がかなりあります。
この地域では、彼女が演奏を断ると、校長は前日まで何回となく彼女を呼び出して脅迫をしていきます。
一方では、拒否することができない弱い立場の非常勤講師に、「君が代」演奏の準備をさせておいて、最終的に当日拒否されて実行できなかった場合には、非常勤講師に演奏させるという手だてを取って、脅迫を続けていくわけです。
だんだん抑圧は厳しくなっていきます。
彼女を校長室に呼んで「ピアノ演奏するように職務命令をだす。」とか、「職務命令に従わなければ、あなたは処分されるが、私も職場を混乱させたことで処分される。だから黙ってピアノを弾いてくれ。」と泣き言を言ったりとか、様々な脅しと泣きで対応するわけです。

 さらに、盛んに「通勤困難な地域に配置転換させることができる。」「そうなった場合は、家庭生活ができないんではないか。」「(右よりの)保護者などに囲まれて脅される学校もあるぞ。」「処分が続いたら、分限免職になるので、結局一緒だぞ。」など、言い続けられるわけです。
こういった状況でも、かつてのように組合員が多かった時には、「そんなのは受ける必要はない」と周りが守ってくれる状況もあって、それなりにがんばってこれたわけですが、現在では組合潰しが進行し、組合の組織率は各地で非常に落ちていきます。
そして、こういった人たちは学校を移されて、孤立させられていきます。

 立川の根津先生のように、一旦「日の丸・君が代」の問題で処分しておいて、次に右派の校長のいるところに配置転換するというやり方もあります。
しかもその先生が来る前に「今度来るのは偏向先生だ。」と子どもたちや親にふれておくわけです。
いかに攻撃されようと子どもたちとふれ合ってる人は、子どもたちと親に支持されています。
しかし、前もってデマが流されているところに追いやられてしまうと子どもたちとの関係がなかなかうまくいきません。
そういう状況に追い込んでおいて、校長は授業中に教室に入ってきてチェックをしていくわけです。

 私は、ここにいくつかの地域で校長がポケットに持っているチェック表を持っています。
例えば、このチェック表はABCのランクで、学級の雰囲気はどうか、学習のしつけはどうか、子どもの発言はどうか、教師の声量はどうか、発問は精選されているかどうか、発問のタイミングはどうか、板書の仕方はどうか、机の間の巡視の仕方はどうか、など30項目あります。こういったことをやっている地域がたくさんあります。
この調子で、一人一人の教師をいじめていくという手だてが、微にいり際にいり進行しているわけです。

 京都の場合ですが、不起立の教師をこんな風にいじめた例があります。紋切り型の文化を持つ日本の原型を指し示しているような気がします。
不起立だった教師を教育委員会は呼び出しをします。
6人から8人の指導主事が、集団で2時間近くいじめをやるわけです。
まず、上席の指導主事が「なぜ不起立なのか。」と聞きます。
この教師が「部落差別の対極にあるこの歌を」と言いかけると、いきなり怒鳴りつけられました。
「部落のことなんか聞いていない。どうして校長の指示に従わないのか。」
周りの指導主事からも一斉に「何年学校に勤めているのか。職務命令違反だ。」と罵倒されました。
1対6〜8ですから、多勢に無勢です。
そして、「そんな勝手なことを言うなら、私学に行け。」「今強い指導を受けていることがわからないのか。」と言われる。
指導主事の中に一人教師出身者がいて、「先生は熱心に授業をしている。あなたは、今日のぼくらの話を理解してほしい。」と言ったそうです。
すると、攻撃の対象は一旦この指導主事に移って「何を言っているか。おまえは甘い。」と発言を訂正させられました。
これは、どういうことでしょうか。

 もう一人の教師の場合はこうです。
教育委員会から「校長と二人で来い。」と呼び出されました。
その時、成績一覧表を持ってくるように言われました。
ここでは、8人の指導主事たちに2時間にわたって査問されました。
いろいろと教師に脅しが続き、提出した成績一覧表について「こんなの昨夜一晩で作ったのだろう。」と嫌みを言われたあと、突然隣にいた校長に攻撃が移ります。
指導主事が、成績一覧表に校長印がないと言い出しました。
「成績一覧表は、通知票に書く前に担任が印を押し、校長に提出し、校長がそれを見てよいと思ったら印を押して担任にかえし、そして担任が通知票に写すものだ。校長の印が押していないのは、どういうことだ。常識じゃないか。こんなことだから学校の常識は世間の非常識だといわれるんだ。」とどなり散らされました。

 この場面を想像してください。
人間を幼児化して退行させる装置を私たちの文化が持っているということです。
子どもを呼びつけるだけではありません。
親と同行させるわけです。
この場合、校長は親であります。呼びつけられた教師は、子どもの役割になっているわけです。
そして、子どもを散々いたぶった後、目の前で別の人、この場合校長をいたぶるわけです。
つまり、舞台の中で、もう一つ舞台が設定されるわけです。
そこで、人は逆らうとどうなるかという劇が行われるわけです。
日々人間を幼児化して自分の意志がきちっと持てないような舞台装置が私たちの社会に組み込まれていることを物語っています。
文部科学省の役人の中でも、課長が課長補佐に対してやっていることですし、そして彼らが出向していった先でやっていることですし、そして各都道府県の教育委員会の中でもやっていることですし、それが学校の場でも使われているでしょう。
しかも私が言ったことは、私の分析です。
されている本人もしている本人も気づいていないと思います。
自分たちがいかに退行の文化、人間として責任をとらないように、幼児的反応を強いることが望ましいということを強いる文化に、私たちがいかに親しく生きているかを物語っているわけです。

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