★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK31 > 406.html
 ★阿修羅♪
復党第二幕 [国会TV]
http://www.asyura2.com/07/senkyo31/msg/406.html
投稿者 white 日時 2007 年 3 月 01 日 17:18:10: QYBiAyr6jr5Ac
 

□復党第二幕 [国会TV]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070301-01-0601.html

2007年3月1日
復党第二幕
 安倍内閣の支持率低下が止まらない。共同通信、NHK、朝日新聞に続いて毎日新聞の世論調査でも支持と不支持が逆転した。就任直後に80%という高支持率を獲得しただけにその下落ぶりが一層際立つことになる。参議院選挙に勝つため国民的な人気を見込んで白羽の矢を立てた自民党にとっては「こんな筈ではなかった」との思いが強いだろう。
 
 しかし本人はここまでくると逆に怖さがなくなり、迷うこともなくなったのではないか。当初は八方顔を立てて立ち位置も定まらなかったが、今では自分の思い通りにやろうと覚悟を決めたように見える。開き直りとも言えるが、本人にしてみれば、支持率が下がり始めてからというもの、総理経験者をはじめ会う人達が異口同音に「支持率など気にせずに自分の思い通りにやれ」と言い続けたのだから、その忠告に従っただけだと思っているかもしれない。
 
 1月27日、柳沢厚生労働大臣が女性を「産む機械」と発言し、野党だけでなく与党内からも「辞任」を求める声が上がった。女性を敵に回しては選挙に勝てないとの判断だが、特に辞任を強く主張したのは参議院自民党と津島派の面々である。総主流体制の安倍政権に、久々に小泉時代を思い出させる角福戦争以来の党内対立の構図が現れた。2月1日、野党は予算委員会の審議を拒否して柳沢大臣の辞任を迫ってくる。間近に地方選挙も控えていた。女性を敵に回すという意味では、小泉政権下で支持率を激減させた田中真紀子外務大臣更迭劇と似た状況である。この時安倍総理は自ら党内を説得して辞任論を押さえに掛かり、柳沢大臣擁護の決断をした。安倍総理としては支持率低下を怖れるよりも自らの任命責任につながるリスクを避けたいと判断したのだろう。
 
 この決断の結果、2月4日投票の愛知県知事選挙は大勝するはずの与党推薦候補が予想以上に苦戦した。自民党内には不満がくすぶる。早期の内閣改造を促す声が永田町に流れ始めた。しかし安倍総理は翌5日に自民党の中川幹事長と会談して柳沢大臣の続投を確認、6日には「続投は私の最終判断だ」と述べて辞任論や改造論を突き放した。
 
 この辺りから去年の復党問題以来存在感が見えなかった自民党の中川幹事長が気になる言動を始める。5日に行われた安倍総理との会談では「リーターシップをどんどん発揮して欲しい」と総理の指導力に注文をつけた。その直後の記者会見では、共同通信社の世論調査で「首相に指導力がない」と答えた人が前月よりも大幅に増えたことに関連して、「この数字はしっかり受け止めるべきだ」と語った。7日夜には小泉前総理、竹中平蔵氏と会食した。8日には「若い人達が官邸に入っている。若いということは経験不足だ」と官邸の未熟さを指摘した。そして極めつけは18日に「閣僚には安倍首相に絶対的忠誠心と自己犠牲の精神が求められる。そうでない閣僚は官邸を去れ」と発言した。いかにもマスコミが飛びつきそうな言い方で、世間の耳目を集めようとする意図が明白だ。
 
 これらの言動が何を意味するか。発言は「ほめ殺し」と似ている。安倍総理を支える発言のようで実は安倍総理の指導力のなさを印象づけている。また「指導力の発揮を求める」という言い方は、内閣改造を求めているともとれる。中川幹事長は新聞記者の出身だから言葉の使い方についてはプロである。おそらく計算し尽くして発言しているに違いない。そしてこの時期に小泉、竹中両氏と会食してみせたのは、自分のバックに小泉前総理がいることを示す必要があったということだ。
 
 これに対して安倍総理は19日夜、「心配していただく必要はない」と中川発言を切り捨てた。総理と幹事長とのやりとりとしてはただならぬ気配を感じさせる。
 
 もともとこの二人、就任当初から微妙な関係にあった。安倍総理は総裁選挙を戦った麻生太郎氏を幹事長にしたいと考えていた。それを翻意させ、中川幹事長を実現させたのは森元総理である。問題なのはその話が表に出たことだ。安倍総理が幹事長人事で自分の意志を貫くことが出来なかったという話は、安倍総理の権力者としての資質を疑わせ、指導力のなさを天下にさらした。皮肉だが指導力のなさが中川幹事長を誕生させたと言える。就任直後、中川幹事長は総理の中国訪問に力を尽くし、安倍政権はロケットスタートを切ることが出来た。当初の高支持率は中川幹事長の力によるところが大きい。そこまでは良かった。しかし復党問題で二人の関係は決定的になる。安倍総理がこの問題を中川幹事長に丸投げしたところから問題が複雑になった。党内では小泉前総理を始めとする小泉支持勢力が復党に反対である。賛成なのは参議院自民党を中心とするかつての反小泉勢力。しかし安倍総理にとっては郵政造反組の中にこそ思想信条の近い同志がいて復党させたい。この複雑な方程式をどう解くか。中川幹事長自身は小泉前総理と同じ立場だから、踏み絵を踏ませ、白旗を掲げさせることを条件に復党を認めることにした。そのため安倍総理が最も復党させたかった平沼赳夫衆議院議員は復党を拒否、直後にストレスが高じたためか脳梗塞に倒れた。安倍総理としては悔やんでも悔やみきれない結末となった。この復党問題のごたごたをきっかけに安倍政権の支持率低下が始まった。
 
 2月20日、中川幹事長はついに小泉前総理の登場を求める。国会内の控室で中川幹事長、石原伸晃幹事長代理が同席する中、小泉前総理は塩崎恭久官房長官に「目先のことに鈍感になれ。鈍感力が大事だ」と述べるとともに、「改革に終わりはない。抵抗勢力に配慮しすぎると思われているから、改革イメージが後退している」と安倍政権が小泉改革の継承者の役割を十分に果たしていないと苦言を呈した。
 
 こうした中川幹事長の一連の動きに対する安倍総理の回答は、「郵政造反組で落選中の衛藤晟一前衆議院議員を復党させよ」という指示だった。安倍総理に強い指導力を求めた中川幹事長が受け入れざるを得ない事を逆手に取り、まさに直球勝負の球を投げ込んできたのである。
 中川幹事長は復党問題で支持率が低下したことを理由に、昨年の衆議院選挙落選組の復党を参議院選挙後に先送りする考えを示していたが、岐阜選挙区では藤井孝男前衆議院議員の無所属での参議院選挙出馬に対して自民党が推薦する決定を下していた。青木幹雄参議院幹事長との手打ちの結果だと言われている。これに抗議して公認候補であった大野つや子参議院議員は出馬見送りを決めた。
 
 衛藤晟一氏の復党指示はいったん収まっていた復党問題を再び蒸し返すことになった。復党させる理由を安倍総理は、「自分と同じ考えを持っているから国造りに参加して貰うのは当然」と述べている。そうであれば平沼赳夫氏も復党出来なければおかしい。中川幹事長が昨年末に決めた復党の条件は有名無実になったも同然である。
 
 一方、安倍総理の指示は連立を組む公明党にも衝撃を与えた。衛藤氏の地元で自民党票をあてにしていた公明党は衛藤氏が参議院比例区に出馬を予定していることから復党に反対していたが、それを覆された。衛藤氏が大分では選挙活動を行わないと表明しても、すぐには怒りが収まりそうにない。
 
 安倍総理が投げた一球はすさまじい破壊力を秘めた一球になるかもしれない。
 小泉総理は「自民党をぶっ壊す」と言って国民の支持を集め、自民党内の抵抗勢力を排除することで、結果として自民党を選挙で大勝させ。安倍総理は支持率低下を「恐れずひるまず」小泉総理に排除された同志を復党させることで、自民党と公明党に不満の種をまいた。夏の選挙結果次第では、不満のマグマが噴き出して政界を揺るがす再編のきっかけになるかもしれない。
 「自民党をぶっ壊す」ことになるかもしれない復党第二幕が始まった。どのような展開を辿るのか興味津々である。

 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK31掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。