★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK31 > 648.html
 ★阿修羅♪
もう一つのごまかしーアフガン復興に関する日本のNATOへの協力【天木直人・日本の動きを伝えたい】3/5
http://www.asyura2.com/07/senkyo31/msg/648.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 3 月 05 日 12:01:38: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年03月05日

もう一つのごまかしーアフガン復興に関する日本のNATOへの協力
      

   3月7日に東京でアフガニスタンの復興支援をめぐる北大西洋条約機構(NATO)との高級事務レベル協議が東京で開かれるらしい。協議の焦点はNATO主導の国際治安支援部隊(International Security Assistance Force)が文民とともに治安維持と復興支援にあたる地方復興チーム(Provincial Reconstruction Team)へ日本としてどのような協力をするかにある。
   きっかけは安倍首相が1月に訪欧した時、NATO本部で「自衛隊が海外で活動する事をためらわない」と格好をつけたことにある。アフガンにおける犠牲に手を焼いているNATO各国は加盟国以外の国が負担を分担してくれることには大歓迎だ。果たして日本は安倍首相の大見得切った手形をどう落とすつもりだろうか。
   正しく理解する為に、まず基本的用語を整理してみる。
   北大西洋条約機構とは、ソビエト連邦を中心とする東欧共産圏に対抗する目的で1949年に出来た西側軍事同盟である。89年のレーガン・ゴルバチョフ会談(マルタ会談)による冷戦の終結と、91年のソ連崩壊によって、NATOはその存在意義を失う。あらゆる組織の常として、生き残りのためにあらたな役割を作り出さなければならなかったNATOは、92年のボスニア・ヘルツエゴビナ内戦、99年のコソボ紛争という域外に介入するようになり、テロとの戦いが始まってからはついにアフガニスタンにまでNATO軍を派遣するに至るのである。
    国際治安支援部隊とは2001年12月の国連決議に基づき、アフガニスタンのタリバン、アルカイダに軍事的に対抗する目的で作られた部隊である。当初はカブール周辺におけるアフガニスタン国軍の支援という形で派遣されたが、2003年9月10月の国連決議で地方まで展開するようになった。当初は英国、トルコ、ドイツといったNATOの有志加盟国が半年ごとに順番で交代して指揮をとっていたが、これら指揮国の負担が大きかったため、2003年8月の決定でNATOとして指揮をとることになった。
 地方復興チームとは軍隊と文民援助専門家を一体化させた紛争地域における新しい支援形態で、2003年にアフガニスタンではじめて派遣された。今はイラクにも派遣されている。アメ(復興援助)とムチ(軍隊)を使って中央政府の権威を地方に拡大し、反体制に対する抑止力と治安の安定化を図るという、こよなく内政干渉的なものである。
 以上から明らかなように、これら一連の活動は、米国とのテロとの戦いに協力するNATOが中心となった対テロ戦争なのである。戦争に終わりが見えない中で、負担増に苦しむ米国、NATO諸国が、その負担を日本にどう分担させるかというのが今回の協議である。日本は大見得を切った以上どう対応するつもりか。
   しかしイラクの復興支援と違って今回の協力は危険度において格段に高い。
まず、PRTの派遣地はアフガニスタンである。アルカイダが隠れているアフガニスタンの地方である。イラク復興支援の場合のように、イラクで最も安全な場所を必死で探して派遣したようなごまかしは出来ない。しかもその安全なサマワでさえも危険から逃げ回っていたのである。アフガンの場合はそうはいかない。
   次にPRTの任務である。地方復興チームという言葉にごまかされているがこれはれっきとした戦闘チームである。アフガンの治安を回復する為に地方における反体制の抵抗を抑止する目的で派遣されるのである。殺し、殺されることになる。
   だから3月4日の毎日新聞が報ずるように、「NATO内には日本の人的貢献への期待もあるが、日本は当面、資金面での支援にとどめる」、「自衛隊はもちろん、文民がPRTの非軍事分野へ参加することもあり得ない」ということになる。
   政府は都合のいい時だけ憲法9条を持ち出す。憲法9条に基づいてつくられた現行のテロ対策特別措置法では、戦闘地域への人員派遣は禁じられていると弁解する。冗談もいいところだ。政府はもうこれまでに十分憲法違反を繰り返してきた。現行のテロ特措法が不十分であれば、いつでもあらたな法律を強行採決で通せばいいのである。
   対米従属でテロとの戦いに加担してきた日本はいよいよ追い詰められてきた。自衛官が戦地に赴かねばならない圧力が現実の物となってきたのだ。
   しかしこればかりは日本は応じないであろう。あの小泉前首相でさえ、たとえ盟友のブッシュ大統領に頼まれても、応じなかったであろう。日本は平和に慣れすぎて来た。戦地で殺し、殺されることを覚悟せよと命ずる指導者は今の日本にはいない。ましてや日本の安全保障とは何の関係もない米国のテロとの戦いで犬死することを甘んじて受ける自衛官がいるとは思えない。そんな自衛官に安倍首相の面子のために犬死せよと命じることの出来る司令官がいるというのか。
   国際協力、復興支援という言葉でごまかしてきたイラクの自衛隊派遣であった。そもそも戦闘中の地に復興援助する必要がどこにあるのか。まず治安回復であろう。平和がくれば復興は一挙に国際社会が行う。アフガニスタンはイラク以上に混乱しているのだ。治安回復こそ焦眉の急だ。そんなアフガニスタンにどうやって自衛隊を出すというのか。
  国会で追及されるべきは安倍首相のNATO本部での発言である。ふたたび嘘をつこうとしているのかと。

     How Does Japan Respond To the PRT in Afghanistan At the Coming Consultation with NATO ?

   When PR Abe visited Brussels in January and said at the headquarter of NATO, “ Japan never hesitates to send its Self Defense Force overseas” NATO welcomed this hoping Japan would share the burden of NATO in Afghanistan.
From 7th March a high official consultation between Japan and NATO will start in Tokyo on Japanese cooperation for the Provincial Reconstruction Team in Afghanistan.
According to the report of the Mainichi Shinbun of March 4, however, Japan will respond to NATO that her cooperation limits to only financial one. In other words Japan will never send Self Defense Force nor civilian experts to Afghanistan.
The excuse of not sending any personnel to Afghanistan is tthat he Article 9 of Japanese Constitution prohibits sending Self Defense Force to disputed area. But in effect Japanese policy makers are so afraid of the public opinion which is so allergic to any Japanese national's killing other nationals or being killed by other nationals
This is indeed a dilemma which Japanese leaders are facing with. Japanese leaders try to strengthen Japan US military alliance but they never wants to run a risk to kill Japanese nationals in the battlefield.
 

http://www.amakiblog.com/archives/2007/03/05/#000285

 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK31掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。