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「月刊日本」創刊の辞=末尾にある編集方針の(二)に注目!
http://www.asyura2.com/07/senkyo32/msg/483.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 3 月 24 日 14:12:29: mY9T/8MdR98ug
 

(回答先: 植草教授が「月刊日本」四月号で小泉・安倍売国路線を激しく批判〜(山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』) 投稿者 あん密結社 日時 2007 年 3 月 24 日 13:58:06)

http://www.gekkan-nippon.com/Soukan-no-Ji.htm

いま日本国は羅針盤も方向舵も失った巨大客船の如く、行方も知れず大海の荒波に翻弄されているかのようです。戦後世界を支配していた冷戦構造が崩壊したいま、進むべき新たな方向を求め、暗中模索、五里霧中の状況にあります。

 アメリカの保護の下、安逸を貪っていたわが国もいよいよ、自らの頭で考え、自らの足で立たねばならない事態に直面したと言えます。借り物のイデオロギーを振りかざしても、この閉塞状況に風穴を開けることは出来ません。

 相対的な座標軸にこだわった論議ではなく、より根本的な日本の文化、伝統にしっかりと根を下ろした真摯なダイアローグこそが未来を切り拓く鍵だと思います。

 が、残念なことに、わが国の論壇は旧態依然とした価値相対的な議論に終始しています。わが国の現状、歴史を、西欧の眼鏡を通してではなく、自らのモノサシで的確に見据えていくこと、日本独自の理念・価値観を、独り善がりではなく、肯定的に見直していくことが、いまこそ必要とされていると考えます。

 われわれの周囲で起こった最近数年間の事柄を注意深く見れば、わが国がいま、建国以来最大と言っても過言ではない危機に瀕していることは誰にでも見て取れます。このまま何もせず、わが国が沈み行くのを座視するか、それとも志と勇気をもって良き方向へ変革してゆくのか、われわれは深刻な分岐点に立っているのです。

 わが国は先の大戦から半世紀の間、冷戦構造という世界秩序の中でアメリカという超大国の庇護のもと、経済活動のみに専念してきました。そこには日本独自の外交・安全保障政策は不要でした。否、邪魔ですらありました。したがって、国家の基本法である憲法、民族共同体としての核である歴史観も、すべて外国製という異常な状態が続いてきたのです。

 さらにこの間、わが国は戦前の歴史とまったく断絶させられてしまいました。それが何をこの国にもたらしたのか。祖国と民族への矜持、歴史観など、一つの共同体にとって死活的に重要な背骨――生命の連続体としての縦軸――が、ものの見事に消し去られてしまったのです。わが国は表面的には独立国としての対面を繕ってきましたが、実質的には半独立国家だったのであり、アメリカの五十一番目の州でしかなかったと言わざるを得ません。

 しかし、冷戦は終焉し、わが国を取り巻く種々の情勢は決定的に変化しました。わが国が安逸を貪っていた条件はことごとく消滅したのです。怠惰と甘えは、もう許されません。自らの頭脳で思考し、自らの足でしっかりと大地に踏ん張り、自らの行動の結果は自らが潔く責任をとるという、まともな国民、まともな国家にならねばならないのです。そのためには、半世紀の間に喪失してしまった大切なものを取り戻す必要があります。その上で、真の独立を達成し、日本を蘇らせなければなりません。それが、いまを生きるわれわれに課せられた歴史的使命なのです。

 私が『月刊日本』を創刊するに至ったのは、前述してきた観点から、わが国の現状を変革し、蘇らせるための力になりたい――たとえ微力でも――という、止むに止まれぬ思いからなのです。

 現在、周知のとおり、多種多様な雑誌が発行されています。その大半は従来からの発想を引き摺り、新たな時代への指針・展望を提示できぬまま、部数競争に明け暮れているのが現状です。企業収益至上主義に陥っているのです。

 『月刊日本』はこうした商業主義を排し、日本という国を真正面から見据えて、真摯な言論の場を提供しようとするものです。

 かつて『日本』という題号の新聞がありました。明治の言論界に巨峰をなした陸羯南が明治二十二年に創刊したものです。自由民権派が長年要求してきた帝国憲法や衆議院議員選挙法などが公布されたのと時を同じくしています。羯南は創刊に当たって次のように述べています。

「わが『日本』は固より現今の政党に関係あるにあらず、然れども亦商品を以って自ら甘ずるものにもあらず。吾輩の採る所既に一定の義あり。先ず日本の一旦亡失せる『国民精神』を回復し、且つ之を発揚せんことを以って自ら任ず」

 この創刊の理念は『日本』の編集を貫き、政府、政党はもとより、読者にも阿ることなく、とくに日清戦争前の最大の争点――条約改正問題では反政府陣営の最有力紙として名を馳せ、独自の言論活動を展開したのです。因みに、この『日本』で三宅雪嶺、古島一雄、正岡子規らが筆をふるっていました。私が、思いを同じくする者とともに発刊する『月刊日本』は、この陸羯南に努めて倣い、一党一派に偏することなく、また、いたずらに読者の意を迎えることを排し、創刊の初志を貫きます。商業主義を排して、日本人としていま何ができるか、何を為すべきかを訴えていきます。

 偏狭なナショナリズムに安易に妥協することなく、民族として、文化共同体として、高度な倫理を伴った自信を日本人にもたらしたいのです。声高に叫ぶ日本礼賛ではなく、奥歯を噛み締めて胸奥に秘めておく誇りを取り戻したいのです。

 『月刊日本』は次に掲げる三本柱を編集の基本方針とします。

(一)わが国の縦軸としての歴史認識の再構築

(二)日本国憲法の徹底的な見直し

(三)根本的、構造的なマスコミ批判

以上の編集方針に基づき、『月刊日本』は、わが国の再生と真の独立国としての復活を果たすべく全力を傾ける覚悟です。


 平成九年四月

『月刊日本』主幹 南丘喜八郎

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