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迎撃ミサイルによる防衛は不可能だ(五十嵐仁の転成仁語)
http://www.asyura2.com/07/senkyo32/msg/499.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 3 月 24 日 23:44:00: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: ミサイル迎撃可能に/『対処要領』を閣議決定(東京新聞) 投稿者 gataro 日時 2007 年 3 月 24 日 23:40:51)

http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm から転載。

3月24日(土)

迎撃ミサイルによる防衛は不可能だ

昨日、帰宅して『東京新聞』の夕刊を見たら、「ミサイル迎撃可能に」という見出しが出ていました。政府は閣議で、日本を標的に発射された弾道ミサイルを日本独自のミサイル防衛(MD)システムで迎撃する対応を定めた「弾道ミサイル緊急対処要領」を決めたのだそうです。
 「これで安心」などと思ってはいけません。戦争に巻き込まれる可能性が、また一段、高まったのですから……。


 埼玉県の航空自衛隊入間基地に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備し、2010年までに、浜松基地、岐阜基地、春日基地にも配備するといいます。海上のイージス艦発射迎撃ミサイル(SM3)も順次導入するそうです。
 今回の決定で、これらのミサイルの発射について、ミサイル発射の疑いや恐れがある場合、防衛相はあらかじめ迎撃命令を出しておくことができるようになります。命令を受けた部隊は、ミサイルの飛来を確認した段階で、迎撃ミサイルを発射することができるというわけです。


 このような「緊急対処要領」が必要なのは、ミサイルを発射する可能性のある北朝鮮とあまりにも距離が近いためです。今でも、ミサイルが発射されれば、わずか7〜8分で日本に着弾します。
 性能が高まれば、もっと早くなるかもしれません。会議を招集していては間に合わないから、あらかじめ命令を出しておこうというわけです。
 このような命令が出ていれば、ミサイルだけではなく、人工衛星や打ち上げロケットも打ち落とすことができます。現場の指揮官が間違って発射命令を出す可能性はないのでしょうか。現地の部隊や司令官が勝手に戦争を始めてしまった過去の歴史が、またもや繰り返される恐れはないのでしょうか。


 ミサイル防衛(MD)システムについては、「当たるのか」という根本的な疑問があります。実験では5割、実戦では2〜3割の命中率だといわれています。
 技術的にはまだ完成されていないシステムに、巨額の資金を投ずる意味があるのでしょうか。「そもそも、こんな短時間で発射できるのか」という問題とともに、「発射されても、どれだけ当たるのか」という問題は、きちんと検討され回答されなければならない重要な論点でしょう。


 しかし、このような論点は、まだ小さな問題にすぎません。答えられるべきは、ミサイル防衛(MD)システムが持っている根本的な欠陥についての疑問です。
 誰もが持つはずなのに、誰によってもきちんと答えられていない疑問があります。それは、迎撃ミサイルの数以上のミサイルを打ち落とすことができるのか、という疑問です。これには、恐らく誰もが答えることができるでしょう。「そんなことは、不可能だ」と……。
 ならば、ミサイル防衛(MD)システムは無力です。全くの無駄であるばかりでなく、かえって危険を招き寄せることになります。


 地上配備のパトリオット(PAC3)は、沖縄の嘉手納基地のように、多分、一つの基地に12基配備されることになるでしょう。もし、本気で戦争を仕掛けるつもりなら、相手の国は、まず、この迎撃ミサイルを無力化しようと考えるはずです。
 したがって、戦争が始まるとき、最初に狙われるのがこれらの迎撃ミサイルです。つまり、嘉手納基地、入間基地、浜松基地、岐阜基地、春日基地が標的になります。
 これらの基地に、20発のミサイルを撃ち込めば、どうなるでしょうか。100%の命中率でも、迎撃ミサイルによって打ち落とされるのは12発で、8発は着弾します。配備されたミサイルの数以上のミサイルを打ち落とすことができない以上、このシステムは限定された条件――つまり、打ち込まれるのは配備された数以下のミサイルだという条件――の下でしか有効ではありません。


 ミサイル防衛(MD)システムのためのミサイル配備は、安全をもたらすのではないということです。逆に、最初に狙われる標的を作り出すことになります。
 そしてこのシステムは、1対1でしかミサイルを迎撃できないという致命的な欠陥を持っています。配備されたミサイル以上の数を打ち込まれたら、完全にお手上げです。
 先ず、囮のミサイルを発射して迎撃させ、空になった基地を攻撃するという2段構えでくるかもしれません。このような場合、どう対応するつもりなのでしょうか。


 「ミサイルの数を増やせばよい」と仰るかもしれません。しかし、特定の地点を選んで集中的に攻撃されれば、やはりお手上げになるでしょう。
 結局、ミサイル防衛(MD)システムによって防衛することは、軍事技術的にも不可能なのです。したがって、MD構想は「できもしないことをやろうとしている全くダメな構想」であり、MDとは「全くダメ」の頭文字を取ったものだということになります。
 こんな馬鹿げた構想をまともに考えている人の気が知れません。1兆円以上ともいわれている巨額な国家資金が注ぎ込まれようとしていますが、軍需産業や「死の商人」の懐を肥やすだけです。


 マスコミの記者の皆さんでも、野党の議員の方でも、どなたでも結構です。もし、ミサイル防衛(MD)システムが話題になったら、是非、次のように質問してください。
 「配備されている以上の数のミサイルが撃ち込まれたら、どうやって防ぐのですか」と……。

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