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「いじめ」の構造と「抑圧の移譲」【世相ぶった斬り】
http://www.asyura2.com/07/senkyo32/msg/787.html
投稿者 たけ(tk) 日時 2007 年 3 月 31 日 00:45:37: SjhUwzSd1dsNg
 

(回答先: 貴方たちは、自分たちが国民をこれ以上失望させ、政治にさらに無関心になることに加担しようとしているということに気づくべき。 投稿者 heart 日時 2007 年 3 月 30 日 12:05:58)

>私にはしばらく理解できなかった。
>しかし、タイトルの「共産党・吉田支持者は、10%以下の少数派だということを自覚しているのでしょうか」を再度読み返して、気付いた。「少数派」は黙っていろ、という意識から書いているのだ、と。

抑圧移譲の原理が、無意識のうちに出て来たということでしょうね。

たぶん、日本人なら誰でも、そのような「抑圧移譲の原理」が内にあることに気がつくだろう。

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http://bongai.exblog.jp/i4

2006年 11月 15日「いじめ」の構造と「抑圧の移譲」

11月14日付けの朝日新聞の1面に、「いじめられている君へ」という、児童文学者のあさのあつこ氏のメッセージが掲載されたのにつづき、15日付けでは同じく1面に、「いじめている君へ」という見出しで、精神科医の斎藤環氏が仕事上の経験から、大人を含めた「いじめ」のたくさんの事例を踏まえて、「その安心は自由を奪う」というメッセージが掲載された。

「いま、だれかをいじめている君に伝えたいことがあります。君はひょっとすると、家でつらい思いをしたり、以前に自分自身がいじめられたりして、嫌な経験をしたことがないだろうか」という書き出しで始まり、そのはけ口として自分より弱い相手や、すでにいじめえられている友達に対していじめたいという気持ちになっているのではないかと分析し、そうすることで気分がよくなり、安心を得たつもりになっているのではないかと書いている。

「いじめ」の問題に関し、いじめられる側と同じくいじめる側の子ども達もSOSを発しているのだという見方がある。いじめる側がどんな家庭環境にあり、どのような抑圧を抱えていたかという突っ込んだ報道は、不思議なことにまったくと言っていいほど見あたらない。

朝日新聞に載せられたこのメッセージを読んで、私は丸山眞男の「超国家主義の論理と心理」(『現代政治の思想と行動』)という論文と、その言っているところは同じものだということに思いあたった。    

東条英機首相が戦時中に行った国会答弁での「私は独裁者などではなく、総理大臣というものは、陛下の御光を受けてはじめて光る、陛下の御光がなかったら石ころにも等しい」という言葉から、独裁観念にかわって抑圧の移譲による精神的均衡の保持というべき現象が発生すると丸山は分析している。上からの圧迫感を下への恣意の発揮によって順次に移譲していく事によって全体のバランスが維持されている体系で、福沢諭吉の『文明論之概略』を引き合いに出しながら、これこそ近代日本が封建社会から受け継いだ最も大きな「遺産」の一つということが出来るというのである。

この日本の国家秩序の隅々にまで内在している運動法則が集中的に表現されたのが軍隊であり、「圧迫の移譲」原理は更に国際的に延長された。幕末以来の列強の重圧は征韓論や台湾派兵につながり、今次の戦争における中国やフィリピンでの日本軍の横暴な振舞についても、直接の下手人は一般兵隊であったという痛ましい事実がある。市民生活においてまた軍隊生活において、圧迫を移譲すべき場所を持たない大衆が、ひとたび優越的地位に立つとき、己れにのしかかっていた全重圧から一挙に解放されんとする爆発的な衝動に駆り立てられた。
ところが、超国家主義の権威の中心的実体であり道徳の源泉体であるところの天皇は、無からの価値の創造者などではなく、万世一系の皇統を承け、皇祖皇宗の遺訓によって統治しているので、天皇も亦、無限の古にさかのぼる伝統の権威を背後に負っている、というのである。

耐震偽装問題や組織の中に見られるパワーハラスメント、そしてドメスティックバイオレンス、子ども達の「いじめ」なども、この「抑圧の移譲」の典型的現象と見ることができる。社会の病理現象のかなりの部分はこの「抑圧の移譲」によるものと見ることもできるだろう。抑圧の移譲先を見いだせず、解決する局面をつくりだせなかった者の行きつく先が、「自殺」なのではないか。

丸山はまた「軍国支配者の精神形態」という論文において、「日本の戦争機構に内在した諸原則はきわめて平凡であり、われわれにとってむしろ日常的な見聞に属するかもしれないことがかくも巨大な結果を産みだしたことに対して、つねに新鮮な驚きと強い警戒を忘れてはならない」と書いている。
「いじめ」の構造と「日本軍国主義」の精神構造が同根であると見るのは、決して牽強付会ではない。

# by 130atm | 2006-11-15 21:30 | 世相ぶった斬り | Comments(2)

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