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矛盾のし掛かる3期目の石原都政(下)
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投稿者 Kotetu 日時 2007 年 4 月 29 日 19:24:44: yWKbgBUfNLcrc
 

(回答先: 矛盾のし掛かる3期目の石原都政(上) 投稿者 Kotetu 日時 2007 年 4 月 29 日 19:21:35)

矛盾のし掛かる3期目の石原都政(下)
最後の公職、晩節汚す?青木 理(2007-04-09 13:32)
■暴政の足跡

 振り返ってみれば、石原氏の1999年都知事就任時のスローガンは「東京から日本を変える」だった(石原氏の公式ホームページ参照)。これが果たして都知事のスローガンとして適当かどうかはさておき、1期目の初期には大銀行への外形標準課税(銀行税)やディーゼル車規制など、賛否は分かれたものの、国や財界に波紋を巻き起こしたのは間違いない。03年の2期目選挙で308万もの票を集めたのは、その評価でもあったろう。


都庁のあるお膝元・新宿で演説する石原知事=3月28日 (撮影:吉川忠行) しかし、側近の専横と石原流トップダウンの悪弊が増大するに従い、 都政は歪(ゆが)みばかりが目につくようになる。例えば石原氏が2期目に掲げた公約。このうちの目玉だった「新銀行東京」と「首都大学東京」の創設だけを見ても、惨状は明白だ。

 中小企業支援を名分として05年4月に開業した「新銀行東京」は、 当初から都庁内外で収益見通しや設立意義に懐疑が強かった。しかし、石原氏のトップダウンで強行され、大方の予想通りの経営難に喘(あえ)いでいる。06年9月期決算は154億円もの赤字を計上、既に累積赤字は500億円近くに膨らみ、「石原都政で最悪の失策になる」(都庁幹部) との声も漏れる。

 都立4大学を統合して05年4月に新設した「首都大学東京」も同様だ。都立大と都側が積み上げてきた議論は石原氏の意向で一方的に破棄され、以後はイエスマンが跋扈する都側が大学側との話し合いを一切拒否して設立を強行。都のデタラメなやり方に反発した優秀な教員が数多く都立大を離れた。都立大関係者からは怨嗟の声しか聞かれず、大学運営は今も混乱しているという。これらはあくまでも、増大した石原都政の病理が生んだ一例に過ぎない。


■「公」のない知事

 さて、石原氏が今回発表した公約を眺め見ると、かつてのような勇ましさは影
を潜めている。あえて言えば東京五輪の招致ぐらいだろうが、2期8年の負の遺産を抱えた石原氏は、今や勇ましい叫びを挙げられるような状況ではないように見える。

 東京五輪招致にしても、冷静に考えれば実現は難しい。一方、3期目に入れば「新銀行」をはじめとする失政が重くのしかかってくる。「名代」は存せず、都職員の心も離反している。そんな惨状の中でも石原氏が3選を目指した理由についてはさまざまな見方を耳にしたが、取材に応じてくれた複数の都庁幹部や都議らが挙げたのは「ファミリーや側近、取り巻きのためだろう」という信じ難き理由だった。

 4男を都の美術事業に関与させたことが批判を浴びた石原氏だが、衆院議員の3男・宏高氏も都知事である父の威光がなければ現在の座を維持できるか怪しい。都庁の内部、外郭団体などには石原氏の取り巻きやファミリー関係者が数多く配されている。更迭された浜渦氏も今、都参与の職に引き戻されている。ある都議は石原都政3期目を「石原ファミリーの生命維持装置になる」とまで断じた。石原氏の心中は不明だが、 一連の取材の中で、ある都幹部が2期8年の石原都政を振り返ってこう嘆じたのが印象的に残っている。

 「石原さんにはそもそも『公』という概念自体がない。だから側近とともに乗り込んできて周辺に侍らせ、都政を丸投げする。たまにしか登庁せず、やりたいことだけをやり、やりたくないことはやらない。石原都政は石原氏と側近らによる一種の『宮廷政治』のようなものだ。豪華外遊や高額交際費、それに4男を都政に関わらせた問題などは、その弊害の一端すぎない」

 もちろん、私の取材に応じてくれた都職員のうち、石原都政を評価している人物もいた。ある中堅幹部は「石原都政には『功』もたくさんあった」と語り、こう石原氏を擁護した。

 「石原さんは世論の風向きを読む力などに関して天才的だ。また、 『東京から日本を変える』と訴えた石原さんのおかげで、都庁内には『時には国とも対峙(じ)する』という自立心も植え付けられた」

 一方で同じ中堅幹部はこうも語っていた。

 「だが、私も石原さんの3選出馬に反対だ。今辞めれば石原都政には『功』があったという印象が残るけれど、3期目に入れば『罪』の部分が噴出し、大きな汚点を残す可能性が大きい。それは石原さんにとっても不幸な事だ」


石原氏の周囲の厳重な警備。爆発物処理班も動員されていた=3月28日、新宿で(撮影:吉川忠行)
■晩節を汚すか

 石原氏をめぐってはこれまで、とかく差別的言辞や暴言、あるいはイデオロギッシュな側面からの賛否が世間を賑わせてきた。はっきり言えば、私自身は石原氏のこうした言動や佇まいを嫌悪するが、一方で差別的言辞や暴言すら石原人気を押し上げてきた面があったのも否定できない。だから私は、賛否が分かれる言動や教育問題などに関する論評は、本稿においても『現代』誌のリポートにおいても敢えて避けた。しかし、2期8年にわたる石原都政の「罪」は、これらを差し引いても相当に深い、というのが率直な実感だ。

 そんな石原氏も既に74歳。今回の選挙期間中、応援演説に立った長男・伸晃氏が「これが父の最後の選挙になる」と強調したように、恐らくはこれが最後の公職となるだろう。だが、都幹部らが語ったように、2期8年で積み重ねてきた矛盾がのし掛かれば、3期目の都政は石原氏にとって茨の道になる可能性が高い。

 石原氏と親しかった文芸評論家の故江藤淳氏は99年に石原氏が都知事に初当選した当時、『産経新聞』(99年5月10日付)紙上で「圧倒的に選挙に強いという、恐らくは石原君が持って生まれた資質」に感嘆しつつ、石原氏を「作家としても政治家としても日々孜々として努めるところの見えないアマチュア」と喝破していた。

 今回も石原氏はやはり「圧倒的な選挙での強さ」を発揮して3選を勝ち取った。しかし、江藤氏が評したように、石原氏は都知事としてもやはり孜々として努めたようには見えない。

 3期目も同様のスタイルで都政に向き合うならば、積もった矛盾の噴出によって石原氏は晩節を汚す。それは、プライドの高い石原氏にとって堪え難い不幸のはずだ。それとも、一部で囁(ささや)かれるように石原氏は、任期途中で都政を投げ出してしまうのだろうか。だとすれば、石原氏に票を投じた都民は徹底して愚弄されたことになる。

http://www.ohmynews.co.jp/news/20070410/6646

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