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解釈改憲によって集団的自衛権行使の道を開こうとする安倍首相の試みは邪道であり、きわめて危険である(森田実の言わねばならぬ
http://www.asyura2.com/07/senkyo34/msg/534.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 5 月 11 日 07:54:39: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007.5.10(その1)
森田実の言わねばならぬ[221]

平和・自立・調和の日本をつくるために【146】
解釈改憲によって集団的自衛権行使の道を開こうとする安倍首相の試みは邪道であり、きわめて危険である

「政治においては、何をしても軽蔑されない」(ベンジャミン・ディズレーリ)
「善がなければ人間はうるさくて有害劣悪な動物に過ぎない」(フランシス・ベーコン)


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 安倍政権が発足してから約8カ月が経った。この間、安倍首相の言動を見てきたが、安倍首相には“温かみ”がない。道義がない。目立つのは計算づくの行動ばかりである。筋が悪い。安倍政治には“善”が感じられないのである。国際的信用を著しく落とした従軍慰安婦問題をめぐる発言と米国への謝罪旅行はその典型である。
 やることに“美”がない。醜悪である。靖国問題についても何も語らない態度だが、民主主義国の政治家としての根本の資質が問われる。

 最近、安倍首相は極右・非民主主義の政治家としての本性をあらわにして、解釈改憲による集団的自衛権行使に向かって暴走し始めている。この安倍首相に自民党議員が追随し、公明党議員も不満を口にしながらも安倍政権を必死になって支えている。非常に危険である。
 安倍首相は、一方では憲法第96条による憲法改正手続き整備のために国民投票法を強行採決しながら、他方で米国政府の求める解釈改憲に踏み出した。
 憲法第96条による憲法改正は、数年かかる。国民投票法を使えるようになるのにも3年かかる。これに対しブッシュ政権の任期は残すところ2年未満である。ブッシュ政権の間に日本が集団的自衛権を行使できるようにするためには、正規の手続きによる改正では間に合わないとの判断が働いたのであろう。解釈改憲による集団的自衛権行使の道を探り始めた。
 憲法改正は憲法第96条で規定された手続きによる以外はできないことである。この手続きを踏まずに憲法を改正しようとするのが解釈改憲である。これは違法である。解釈改憲は事実上の憲法改正である。したがって憲法違反である。首相の独断的な個人的判断で事実上の改正を行うのは、議会制民主主義の否定であり破壊である。邪道の政治である。

 安倍首相は首相に就任する以前から解釈改憲論者だったことが、5月4日付東京新聞(2面)と5月5日付毎日新聞(2面)で報道された。
 東京新聞「解釈改憲・集団的自衛権を問う(上)」は、2005年当時の発言と問題点を次のように報じている。(原文は漢数字だが、読みやすくするために洋数字に変える)
《「われわれ世代の責務の一つは、政府解釈を変更して行使を可能にすることだ」
 2005年5月、ポスト小泉候補に頭角を現した自民党幹事長代理の安倍晋三は、訪問先の米国で講演し、集団的自衛権に関する憲法解釈の見直しを同盟国に約束した。
 それから2年後、安倍は首相として初訪米し、有識者懇談会を設置して、集団的自衛権行使の具体的研究に着手する方針をブッシュ大統領に伝えた。
 集団的自衛権の行使は、戦後の歴代内閣が一貫して憲法9条違反としてきたタブーだ。しかし、安倍は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を唱え、それを破ろうとしている。》

 東京新聞の同記事は「集団的自衛権をめぐる従来の憲法解釈」を紹介している。以下、引用する。
《自衛権発動の3要件――憲法9条で許容されている自衛権の発動は(1)わが国への急迫不正の侵害、(2)これを排除するのに他の手段がない、(3)必要最小限度の実力行使にとどまる、に該当する場合に限られる。
 集団的自衛権の行使――自衛権の行使は、わが国を防衛するための必要最小限度にとどまるべき。集団的自衛権の行使はその範囲を超え、憲法上許されない。
 武力行使との一体化――わが国が直接、武力行使しなくても、他のものの武力行使への関与などから、わが国が武力行使したと法的評価を受けることがあり得る。そのような行為は憲法9条で禁止される。》

 この解釈は内閣法制局の解釈ではあるが、国会のコンセンサスになっている。国民的コンセンサスを得ていると言っても過言ではない。これは一種の国民的合意でもある。安倍首相は、首相一人でこれを根本からひっくり返そうとしているのである。 
 めざすは「安倍独裁」の政治である。大変あぶないことが行われようとしている。
 安倍首相は日本国憲法について無知、無理解である。日本は立憲主義(憲法にもとづいて政治を行うこと)の国であり、議会制民主主義の国である。国会が国権の最高機関であり、唯一の立法機関である。安倍首相は首相の地位を国会の上におこうとしている。これは独裁である。
 不思議なのは公明党だ。解釈改憲反対を表明しながら、安倍政権を一生懸命に支えつづけている。自公連立政権を選挙で支えているのは公明党支持の宗教団体=創価学会である。公明党・創価学会は「平和と福祉」を標榜しながら、反平和・反福祉の小泉・安倍政権を必死になって支えてきている。驚くべき矛盾・倒錯である。
 マスコミもまた「安倍独裁」を支持している。驚くべき堕落である。
 安倍独裁といっても、安倍政権はブッシュ政権のエピゴーネンである。安倍独裁はブッシュ独裁である。安倍自公連立政権のもとで、日本は独裁的植民地国家の道を進み始めている。阻止しなければならぬ。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03337.HTML


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