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「首相の影」に強みと弱み(日経ネット)
http://www.asyura2.com/07/senkyo34/msg/676.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 5 月 14 日 10:25:21: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.nikkei.co.jp/seiji/20070509e3s0500h05.html

政治部・斎宮孝太郎(5月7日)

 官僚機構のトップに立つ事務の官房副長官。副長官は首相に日常的に具申できる立場から霞が関でも別格とされ、「首相官邸と省庁のパイプ役」かつ「省庁間の調整役」が主な任務だ。しかし安倍晋三首相から個人的なつながりで抜てきされた的場順三氏(72)は「首相の影」としての色彩が濃く、その行動からは安倍内閣の政治主導の方向性と課題が垣間見える。

 「環境が整えば、ぜひ北海道で開催していただきたい」。2008年の主要国首脳会議(サミット)の開催地決定に影響力を行使したとされるのが的場氏だ。高橋はるみ北海道知事に名乗りを上げるよう水面下で促し、知事が2月20日に電話で誘致の意向を伝えた相手が的場氏だった。中立であるべき政府幹部が調整に動く姿には疑問の声もあがったが、結果的に北海道洞爺湖が開催地に決まったことを考えれば首相の意を受けて動いたとの読みができる。

 サミットだけではない。就任半年を経た政権運営を振り返ると、首相の思い入れが強い政策の実現に向けた調整には的場氏の影がちらつく。

 5月18日に初会合を開く集団的自衛権に関する有識者懇談会も的場氏が内閣官房や防衛、外務両省の幹部と問題点を洗い出し、メンバーの人選で中心的な役割を果たしたという。こうした行動からはこれまでの副長官とはやや異なる「首相の黒子役」ぶりが浮かびあがる。

 的場氏のよりどころは就任まで「晋ちゃん」と呼んでいたという首相との信頼関係。4月に単独で首相執務室に入ったのは公表されただけで8回。中川秀直幹事長(5回)や塩崎恭久長官(2回)を上回る最多で、今年に入って面会回数が急増している。的場氏が周辺に漏らす「首相の考えていることはだいたい分かる」という自負も、あながち存在感を高めるためのポーズとは言い切れない。

 一方、官邸や霞が関が期待する「本来任務」ではほころびも見え始めた。顕著な例が公務員制度改革に関する無所属議員からの質問主意書を巡って混乱した3月26日の事務次官会議だ。

 官邸サイドは省庁による公務員の再就職あっせんについて「押しつけ的なものも含まれている」とする答弁書を決定しようとしたが、財務省や経済産業省などの次官が異論を唱えた。何とかその場を収めたが、次官会議での反対意見は的場副長官への不信任を想起させる事態といえる。

 そんな空気を察知したのか、的場氏はすぐに関係修復に動いた。2日後の28日昼、財務、経産、国交、農水各省の4次官を首相官邸に呼んで会議室でソバをすすりながら意見交換。今後も定期的に次官との対話の機会を設ける予定だが、「官」の世界を16年間離れ、就任直後に「今浦島の心境だ」と語っていた的場氏が現役官僚から信頼を勝ち得るのは容易ではない。

 今後、的場氏は「政」と「官」の両方ににらみを利かすバランス感覚が求められる。教育や安全保障などこれまで省庁が担っていた政策分野を官邸主導で押し進める上で「首相との近さ」は強みである半面、省庁との軋轢(あつれき)や難しい省庁間の利害調整では弱みにも作用しうる。与党や各省庁には官邸スタッフの調整能力への不満も根強いだけに、的場氏の差配ぶりは安倍内閣の政治主導が円滑に進むかどうかを占う試金石にもなる。

 的場氏が師と仰ぎ、事務の官房副長官を務めて政界入りした故後藤田正晴元官房長官が官僚の心構えを説いた「後藤田五訓」に「省益を忘れ、国益を想え」という一節がある。霞が関の目線をいかに国益に近づけていくか――。的場氏が背負う役割は極めて重い。

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