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□「松岡さんにも戦ってほしかった」 [読売ウイークリー]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070605-02-0202.html
2007年6月5日
「松岡さんにも戦ってほしかった」
松岡前農相と親交が深く、KSD事件で罪に問われながらも無罪を主張し続ける村上正邦・元自民党参院議員会長に、松岡氏の自殺について聞いた。
松岡さんとは、自殺した日の夜に会うことになっていた。本当に残念だ。やはり精神的に追いつめられたのだと思う。
私も経験があるが、ああいう状況になると、いろんな話が耳に入ってきて、すべてをマイナスに考えてしまう。松岡さんは農相になれたことを大変喜んでいて、「安倍首相に感謝している」という言葉を何度も聞いた。首相に迷惑をかけたくないという気持ちも強かったんだと思う。
最後に松岡さんに会ったのは、1か月ぐらい前だ。明るくカラオケを歌って、自殺なんて全く予想できなかった。
ただ、事務所費の問題は気にしていたようで、私に「先生、私の答弁あれでいいですかね」と聞いてきた。私は、冗談交じりに「ずっと同じ答弁をしてきたんだから、これでいくしかないだろう。落語家を見てみろ。同じ話を何百回もして一流になるんだ」と言ったんだが。
私も、事件に直面して自殺を考えたことがある。だが、死んだら真相は藪の中だ。必ず「罪を認めたから死んだ」と言われる。
実際、私が議員辞職しただけで、検事に「罪を認めたから辞めたんだろう」と言われた。だから、戦って潔白を証明するべきだと考えている。松岡さんにも戦ってほしかった。そういう話ができれば、自殺を思いとどまったのではないか、と思うと残念だ。
今になって、「早く大臣を辞めさせるべきだった」と、自殺を安倍さんの責任のように言う者もいるが、首相が彼を守り続けたのは間違っていない。
閣僚の椅子はそんなに軽くない。ただ、「捜査当局から、松岡大臣の取り調べを行っていた事実もないし、取り調べを行う予定もない、との発言があった」というコメントはすべきではなかった。他の閣僚の疑惑も首相が地検に確認するのだろうか。
首相が聞けば検察がすべて話すなら、首相の影響力は、捜査にも及ぶと国民は思うだろう。
首相が松岡さんのことで責任を感じているなら、「政治とカネ」の問題にきちんと取り組むべきだ。自民党は参院選で日本歯科医師連盟の候補を公認しているが、日歯連の1億円ヤミ献金事件はまだ解決していない。この問題を真剣に考えたら、公認などできないはずだ。
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