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小沢一郎最後のドサ回り [AERA]
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投稿者 white 日時 2007 年 7 月 02 日 19:49:38: QYBiAyr6jr5Ac
 

□小沢一郎最後のドサ回り [AERA]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070702-02-0101.html

2007年7月2日
小沢一郎最後のドサ回り
中央では年金問題で政権が大揺れ。にわかに風が向いてきた。
だが一人、ひたすら現場を歩き回る。愚直で不器用、にもみえる。吉と出るか。
 山に囲まれた盆地に田畑が広がる山形。東北とはいえ、6月の日差しはきつく、暑い。聞く人もいないような田んぼの真ん中のあぜ道に車がすーっと止まると、小柄な女性が降りてマイクを握り、話し始めた。
「政治は生活です。政治がおかしくなれば私たちの生活にも大きな影響が出ます」
 参院選山形選挙区から立候補予定の舟山康江氏(41)だ。農水官僚だった7年前、予備校時代の同級生と結婚して夫の故郷の山形へ。役所時代の上司の衆院議員に声をかけられ、3年前の参院選に出馬し、惜敗。そして今回も引き続き立候補。与野党激突の命運を分けるとされる一人区での出馬だ。山形は民主党が有力な地域の一つとみられている。
 事務所には「政治は生活」と書かれた小沢一郎民主党代表とのツーショットポスターが貼られている。
 街頭演説に力を入れるのは、小沢氏に指示されたからだ。
「一日50カ所を目標に街頭演説をやりなさい。田んぼで誰も聞いていないように思っても、誰か一人でも家のなかで聞いているから。デジタルからアナログに変わらなきゃいけないんだ。日本的風土や人間関係を重視する。それが民主主義の原点だから」
 そう語る小沢氏自身の原点がある。

保守支持層にも行脚
 当選まだ1、2回のころだ。とっぷり日が暮れた後に岩手県の地元選挙区の山の中を、車に乗り、「小沢一郎です」と名前を連呼して走っていた。
「そうするとね、誰も人が住んでいないような真っ暗な山の中から懐中電灯を振ってくれるんだよ。あんなところに人がいるんだ、俺を応援してくれているんだ、とうれしくてね、やる気がわいてくる。あの喜びは選挙をやってみないとわからないんだよ」
 かつて周辺にそう語っている。
 自民党の最年少幹事長から幾多の離合集散を繰り返して、65歳になった小沢氏。衆院で3分の2近くを占める自民党から政権を奪取するには、今回の参院選は絶対に負けられない戦いだ。逆にいえば、これで負ければ小沢氏の政治生命も危うくなりかねない。
 1年前からこの夏の参院選に照準を据え、ただひたすら地方行脚を続けてきた。党内からは「姿が見えない」「何をやっているかわからない」という声も聞こえたが、とにかく現場で人と会って支持基盤を広げることが大事、それが票の拡大につながる、との信念はゆるがない。地方行脚でも、街頭演説などは一切せず、ひたすら人と会い、団体を回る。
 あるときは保守の支持層に。今年の3月、やはり一人区の奈良を訪れたときには、「おそらく野党として初めて」(地元選出の馬淵澄夫衆院議員)県の建設業協会を訪ねた。「昔、箱根研修に行きましたよ」。取り囲んだ業者の一人から、自民党時代の話が出た。
 4月に山形に行ったときは、目的地の山形市の手前で途中下車し、地元選出だった元自民党衆院議員の墓参をした。
「保守の政治家なんだと印象づけたし、田舎の心をつかむにはどうしたらいいのかよくわかっていると感じた」
 同行した近藤洋介衆院議員は、そう話す。

畳の部屋で酒をつぎ
 地方行脚では、必ず自分から相手を訪問する。自分の声が必ず全員に届く場所に座り、座がほぐれるよう気を配る。相手には必ず、自分から「小沢です」と名刺を渡し、帰京したらお礼状を出す。懇親会も、できるだけ胸襟を開いてくつろいだ雰囲気になるよう、畳の部屋にする。そして「ありがとうございます」と酒をついで回る。
 小沢氏の指示で、党の選対本部から重点選挙区に応援のため派遣するスタッフの数も倍増させた。
 ある一人区。地元選出の衆院議員は5月の連休明けの朝、駅頭で参院選立候補予定者と共に演説に立っていた。遠くに、自分たちを見つめる旧知の党職員の姿を見つけた。演説がどんなふうに行われているのか、反応はどうかなどを、事前に知らせずアドバイスしに来たのだ。
「ポスターの貼り方、駅頭での立ち方、有権者との接し方など、具体的な助言をもらえて役立った。緊張感も出ていい」
 と、その議員は語る。
 そんな小沢氏をある側近は「いまや数少なくなった政治家らしい政治家」と言う。
 いちはやく政治主導を唱え、副大臣制も小沢氏の主張で導入された。しかし、官僚を排斥するようなことはしない。小沢氏は官僚を表現するとき、「お役人さん」という言葉を使う。
「頭のいい人たちを使って分析してもらう。でも判断するのは俺だ」という姿勢だ。プライドの高いキャリアたちを使いこなす術を知っている。

「俺は総理にもなれた」
 その源流は田中角栄元首相にかわいがられ、選挙や政治、権力のありようを教え込まれたところに行き着くだろう。全盛期の自民党の中枢に出入りし、幾多の闘争をくぐりぬけ、人情の機微を知ったプロの政治家の姿がある。
 小沢氏が幹事長を務めていた古きよき自民党時代、まわりで競っていた政治家は竹下登元首相であり、安倍首相の父、晋太郎氏であった。晋三氏が首相に就任したとき、小沢氏は周囲に「大丈夫かな、やつは」ともらしている。
 小沢氏が「田中流」を受け継いでいることをほうふつとさせるエピソードはほかにもある。
 民主党の新人候補の一人は、小沢氏を囲む「一新会」に入るよう、側近を通じて誘われた。
「そういう立場になれば応援の仕方も変わってくるんだけど」
 そうほのめかされ、結局断ったが、いまでも気になっている。
「お金をくれるという意味だったんだと思う。いったい、いくら出してくれるつもりだったのか」
 だが一方で、10年以上にわたり、離合集散を繰り返してきた小沢氏。「シャイで自分の気持ちを表現するのが下手」(側近だった平野貞夫元参院議員)という性格も手伝って、側近も次々に離れ、引退していった。いまや、小沢氏の意図をくんで動ける真の側近がどれほどいるか、心もとない。
「俺は総理にもなれたんだ。権力をとれたのに自民党を出たんだ」
 ある民主党議員は、小沢氏が日本酒を次々にあおりながら語っていた姿を忘れられない。
 民主党内にも、派手なパフォーマンスを嫌い、古くも見える政治手法をとり続ける小沢氏に対し、冷ややかな見方がある。
「賞味期限切れ」
「過半数を一つでも割ったら即、交代してもらう」
「次は世代を一つ回して岡田さん(克也元代表)の再登板」
 そういった言葉が半ば公然とささやかれる。そういう声を背に、小沢氏は一人、地方回りを続けている。

候補者選びに「悪い癖」
 永田町では一時、衆院とのダブル選挙の見方もあったが、民主党には衆院選の候補者を公認していない小選挙区がまだ数十ある。
 このことが党内外に波紋を広げている。
「この空白区の公認権をてこに、小沢氏に忠誠を尽くす人だけを公認して新たな政党をつくるか、党を割ったりするのではないか」(民主党関係者)
 前出の平野氏は、
「小沢氏は政界再編を当然視野に入れている。だが、党を割ったり、壊したりすることはありえない。それは勘繰りだ」
 と真っ向から否定するが、つねに「何かたくらんでいるのではないか」と憶測を招くのが、小沢氏の小沢氏たるゆえんだ。
 ここにきて、参院選の候補者選びでも「小沢氏の悪い癖が出始めた」(古参秘書)との見方が出てきた。
 自分のお気に入りを優先する、というのだ。たとえば、民主党が複数候補者を擁立する選挙区で、片方の候補者を地元に相談せず独断で決めてしまった。選挙区を行脚したときもその候補者の陣営ばかりを回り、もう片方には一切入らなかった。別の複数区でも、無理やり候補者を押し込もうとして反対され、比例に回した……。
 それはともかく、年金問題でにわかに安倍政権がぐらつきはじめ、民主党株は急上昇中だ。小沢氏は最近、民主党の獲得議席数について「55議席以上を目標に掲げたい」と述べ、自ら高いハードルを設けている。「5人や10人増えても意味はない。与野党逆転しなければ勝利ではない」と強調、たとえ国民新党が与党側についても与野党逆転できる数を獲得したいというのだ。
 さみしい王様の戦いは、未来へつながる勝利となるのか。それとも、文字どおりの最後の戦いとなるのだろうか。
編集部 秋山訓子

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