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参院議員 田 英夫さん Q 日本国憲法、果たした役割は?(東京新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo38/msg/205.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 7 月 10 日 23:59:13: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/sokkyo/news/200707/CK2007071002031173.html

 参院選が12日に公示され、17日間の選挙戦に入りますが、これを機に、ベトナム戦争などを取材したジャーナリストで、参院議員の田英夫さんが政界を引退します。学友を戦争で失い、自らも特攻隊員だった田さんは、日本国憲法が果たした役割をどう考え、9条改正に向けた動きをどう受け止めているのでしょうか。記者・豊田 洋一

 豊田 日本は戦後、平和憲法の下で戦争を放棄しました。実際には自衛隊が存在し、国連平和維持活動(PKO)協力法成立後は海外にも派遣されていますが、正規軍が海外で一人も殺害していないことは、世界に誇るべきだと思います。まず、憲法九条が果たしてきた役割をどう考えますか。

 田 それは命ですよ。憲法九条は今、その存在が危うくなっていますが、九条がなくなったら、憲法としての価値がないくらいに思っています。僕は海軍で特攻隊に行ったんだけど、終戦の数日後「特攻隊は早く帰せ」という指示があって、僕は内地にいたから、割と早く、家に帰ったんだ。それで、学生に戻って、新しい憲法をつくろうというときには、それを見守っていたよ。初めて憲法を読んだときは「これだ!」という感じだったね。特に九条は。憲法九条があったからこそ、日本は戦争をせずに、平和であり続けたと、本当に実感してます。

 豊田 改憲派の狙いは九条です。ただ、今の国会論戦を見ると、党派による違いよりも、世代による違いがあります。戦争を経験したり、戦後苦しい思いをした人たちは、自民党でも九条改正に慎重です。戦争体験の有無や世代の違いが、安全保障をめぐる議論に影響を与えていると感じたことはありますか。

 田 ありますね。まさにそうだと思う。戦争を体験した、自ら体験しなくても、体験した人から話を聞いている人は、戦争反対だよね。例えば河野(洋平)君なんてのは、今、(衆院)議長をしているけど、九条改正に反対しているよね。それに対して、安倍晋三首相なんかは典型的な戦後派だよ。こうした違いは、自民党にも民主党にもありますね。若い人には想像力が欠けています。実際に体験してみないと、分からないね。戦争の悲惨さ、惨めさは。

 豊田 日本国憲法が押しつけ憲法かどうかは議論が残りますが、三百万人以上の犠牲を払って手にした新しい憲法を、なぜ簡単に変えようとするのかという気がします。

 田 本当だね。ここで一回、問い直さなくちゃいけない。このまま惰性で憲法改正まで行っちゃったら、間違うよ。

 豊田 日本政府は主体的判断と言いながら、米国の求めに応じて、自衛隊をイラクに派遣しました。しかし、イラク戦争は、大量破壊兵器の保有という開戦の大義自体が誤りでした。イラクは内戦状態に陥り、米軍も撤退できない状態が続いています。田さんはベトナム戦争を現地で取材していますが、米国はイラク戦争で、ベトナム戦争と同じ轍(てつ)を踏んでいるのではないでしょうか。

 田 米国はイラク戦争でも間違えたね。ベトナム戦争の現場を歩いて、米国は負けると思ったよ。ベトナムは国を挙げて戦争をしていたからね。これが戦争だなぁと思ったよ。米国が負けるとははっきり言わないけれども、「奮戦するベトナム軍」なんてテーマで、現地リポートしたりね。その報道が元で、ニュースキャスターを辞めさせられて、参院議員になったんだけど、僕は今でも、真実の報道を貫き通す報道人であるべきだったと思う。望んでいなかった国会議員を辞めるのは、不思議な心境だね。

 豊田 憲法九条を持つ日本が、米国に追随して軍事的な協力をすることは、究極的には日本の国際的信頼を失わせ、国益を害することになるのではないでしょうか。

 田 まさに、そうだよ。日本は思い切って、自衛隊を出したんだろうけど、全部裏目に出ているね。今でも航空自衛隊が派遣されているけど、国民の名において、やめさせなくちゃ。英国はどうやら、それに気が付いたらしいけど、取り残されたのはもう、日本だけだね。米国でも多数意見は撤退なんだから。

 豊田 真実をどう追究するか、権力とどう対峙(たいじ)するかはわれわれ自身が考えなければならない課題ですが、後輩ジャーナリストへのアドバイスがあれば、お願いします。

 田 メディアはもっと姿勢を正さなくちゃいけないね。報道に意気込みが感じられない。引きずられているんだよ。政治は、いい悪いは別にして、戦略、戦術で時にはうそを言うことも許されるんだよ。ところが、ジャーナリストは真実を大事にしなくちゃいけないね。世の中でこれくらい正直なやつはいないくらいの決心がなくちゃ、やれないね。そういうものだと思うんだよ。

 でん・ひでお 1923年、東京生まれ。43年、東京帝大経済学部入学直後、学徒動員で応召。特攻隊員に。47年、共同通信社入社。社会、文化両部長を歴任し、62年、TBS「ニュースコープ」キャスター。ベトナム報道をめぐる政治圧力で解任され、71年、参院選全国区で初当選。現在6期目、社民党所属。

(*大変貴重なインタビュー記事です。田英夫参議院議員のお話をこの後も、何度も読み返したいと思います)


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