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安倍内閣、止まらぬ失態ドミノに麻生・塩崎が追い打ち
麻生太郎外相（右）と塩崎恭久官房長官（左）。安倍内閣の屋台骨を支えるはずなのだが…
２９日の参院選投開票日を前に安倍内閣が失言、疑惑の“蟻地獄”に陥っている。麻生太郎外相の「アルツハイマー」発言に続き、塩崎恭久官房長官には事務所費疑惑まで浮上した。両氏は、安倍首相が特に信頼を置く要の閣僚とあって、安倍内閣への不信の高まりは拡大する一方だ。
「最近、閣僚の不規則発言が多い。ベテラン大臣と言われるほど、そういう発言をする。大臣の発言は慎重に、影響の大きさを考えなくてはいけない」
閣僚による“失言ドミノ”が止まらないことに、自民党の最大派閥で首相の出身母体・町村派の町村信孝会長は２０日、山口県内の講演で苦言を呈した。
「女性は産む機械」発言の柳沢伯夫厚労相、事務所費疑惑を抱えたまま自殺した松岡利勝前農水相、原爆投下「しょうがない」発言の久間章生前防衛相、事務所費疑惑で説明責任を果たそうとしない赤城徳彦農水相…。すっかり信頼を失っている安倍内閣だが、麻生氏が「アルツハイマーの人でも分かる」と発言し、野党は攻勢をしかけている。
麻生氏は２０日、「例え話で不適切なものがあった。発言を撤回し、不快な念をもたれた関係者におわびする」と陳謝したが、波紋は広がるばかりだ。
こうした中、だめ押しとばかりに浮上したのが、塩崎氏の事務所費疑惑だった。共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が報じたもので、同氏の地元後援会と自民党の選挙区支部の事務所費をめぐり、２００５年に約１３３０万円の使途不明金があるという。
塩崎氏は２０日、記者団に「（報道は）選挙目当てかと、厳重に抗議したいぐらいの気持ちだ」と潔白を強調したが、民主党の小沢一郎代表は早速、「閣僚は問題が指摘された以上、（詳細を）公表すべきだ。説明ができないというなら、職を辞する以外にない」とかみついた。
麻生氏は首相のよき相談相手で、塩崎氏については党内の評判はともかく、首相の信頼は極めて厚い。安倍内閣の看板ともいえる重要閣僚の失言、疑惑が参院選に影響するのは必至だろう。
自民党執行部は、逆風下にある参院選へのテコ入れとして、全国の衆院小選挙区支部長と比例選支部長に「逆風に負けるな」という書き出しで始まる檄文（げきぶん）を送った。だが、自民候補者からは「逆風を招いているのは閣僚たちだ」との声も飛ぶ。
このままなら、それこそ地獄の政局が幕を開けそうだ。
ZAKZAK 2007/07/23
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