「自民溶解のはじまり　ルポライター鎌田慧氏寄稿
2007年7月30日 夕刊

　予想以上の自民党大敗となったのは、強行採決を繰り返した安倍政権に、有権者がノンを突きつけた結果である。自民党と一体化した公明党が議席を減らしたことにも、その怒りがあらわれている。

　テレビの開票中継には、どこか有権者をナメていた首相が、手痛いしっぺ返しを食っている様子がつたえられていた。期日前投票が一千万人という数字に、有権者が今回の投票にかけた思いがあらわれている。

　たしかに、投票率自体はさほどふえていなかったが、これまで、選挙などカンケイない、と考えていた無関心層が、積極的に投票所にでむいたのは、もはや自民党政治は許しがたい、とおもうようになったからだ。

　数すくない自民党の一人区当選となった群馬県で、自民党候補が、党名を極力ださない戦術で当選したのは、時代の変わり目を象徴している。ここは福田、中曽根、小渕と三人の首相を輩出した保守王国だったのだ。

　マスコミでつたえられているように、「年金問題」が自民党の凋落（ちょうらく）の原因だったのか。わたしは、そうとはおもわない。年金は民主党でも、すぐには解決できない問題だからだ。「有権者をナメていた首相」というのは、庶民の生活などにはまったく無関心な首相が、衆人の目からは、もはや空理空論を唱えるハダカの王様、あるいは目黒のサンマのバカ殿様にみえるようになったからだ。

　大敗の結果を目の前に突きつけられていても、安倍首相はテレビに出演して、「これまですすめてきた美しい国造りは基本的には、国民の理解を得られてる」と強弁していた。おやおや、である。美しい国に命をかける、というような時代錯誤では、もはや若者の気持ちをつかめない。

　まるで、日露戦争のとき、膨大な屍（しかばね）の山を築いて、「二〇三高地」を攻略したように、「戦後レジームからの脱却」は、すでに生活保護世帯をふやしている。

　同時に、保護を受けられず、自殺したり、餓死したりするひとたちもふやしている。すすめ、すすめと号令をかけられても、もううんざりだ、という声が、今回の結果である。

　「戦後レジームからの脱却」は、中曽根氏の「戦後政治の総決算」の受け売りでしかない。「改革」はすでに前首相が目いっぱい使い切って、在庫なし。前首相よりさらにボキャブラリーの乏しい安倍首相は、「問答無用」で押し切るだけだった。

　といって、それは安倍首相だけの得意技というべきではなく、今回の自民大敗には、長期政権をつづけ、党内批判も連立政党からの批判もない、権力維持だけでつながっている退廃が、そのまま示されている。

　それでも、まだ続投するというのは、ここで交代すると、自民党がもたないという玉砕主義によるものだが、無理心中がいやな議員たちは、これから辞任を迫ること必定だから、党内の混乱から再編にすすむ。

　大勝した民主党は、集団的自衛権の行使や改憲にたいする市民の批判が、その票にふくまれていたことを、忘れたフリをしないでほしい。」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007073002037218.html

参考
安倍内閣はすごい　教育基本法を変え、国民投票法も成立させ、不出来の大臣でも自殺するまで守り抜く（壊れる前に…）
http://www.asyura2.com/07/senkyo36/msg/736.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 6 月 17 日 11:10:13: KbIx4LOvH6Ccw

そりゃそうだ。彼は「愚将の鑑」だもの。常人には理解できませぬ。突撃くり返すだけの事。本文なし。
http://www.asyura2.com/07/senkyo36/msg/739.html
投稿者 新世紀人 日時 2007 年 6 月 17 日 11:26:45: uj2zhYZWUUp16

新世紀人さん、それじゃ「203高地」乃木希典将軍の再来では、あ〜りませんか。
http://www.asyura2.com/07/senkyo36/msg/740.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 6 月 17 日 11:36:29: KbIx4LOvH6Ccw

安倍首相の「愚将ぶり」は乃木将軍をはるかにしのぐのでは？
http://www.asyura2.com/07/senkyo36/msg/748.html
投稿者 JAXVN 日時 2007 年 6 月 17 日 12:39:42: fSuEJ1ZfVg3Og

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• 曰く「戦後レジームからの脱却」とは， baka 2007/7/30 22:49:18 (1)
  • 駄目押し baka 2007/7/30 22:54:34 (0)

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