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共産党の「社会主義への道」は矛盾に満ちている。机上の空論以外の何ものでもない。
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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 8 月 11 日 11:57:04: mY9T/8MdR98ug
 

(回答先: 自民、民主、社民もイデオロギー政党/共産党嫌悪の多くは流言飛語がもと。 投稿者 heart 日時 2007 年 8 月 11 日 01:07:23)

 日本共産党綱領では社会主義への移行の変化として次のように規定している。
 「社会主義的変革の中心は、主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化である。社会化の対象となるのは生産手段だけで、生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じて、私有財産が保障される。」
 このことをかみ砕いていうと「中小企業を含む全ての企業の工場、生産設備、および全ての農民の農地および農機具を個人から取り上げ、労働者、農民全体の共有財産とする。」ということである。農業についてはかつての中国で行なわれた「人民公社」やかつてのソ連で行なわれた「コルホーズ」、「ソホーズ」、またイスラエルの「キブツ」をイメージしていただければ分かりやすいと思う。
 企業の生産手段の国有化については、ベネズエラのチャベス大統領が進めようとしている石油公団の国有化が有名だ。

 少なくとも「農業の生産手段の社会化」についてはすでに歴史的結論が出ていると思う。人民公社しかり、「コルホーズ」、「ソホーズ」しかり。生産手段を社会化された農民たちは労働意欲を失い、生産性は著しく低下した。イスラエルの「キブツ」も当初の形態からは大きく変化している。

 日本共産党綱領のいう「生産手段の社会化は、人間による人間の搾取を廃止し、すべての人間の生活を向上させ、社会から貧困をなくすとともに、労働時間の抜本的な短縮を可能にし、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台をつくりだす。」にはすでに歴史的審判が下されている。

 ベネズエラのチャベス大統領が現時点で社会主義的路線を進めていくことができているのは「石油」という戦略的資源を手中に収めているからだ。しかし、これもこのままでは長くは続かないだろう。なぜならベネズエラに続く社会主義を目指す政権が他に見当たらないからだ。
 社会主義国は一国では絶対存在できない。仮の存在できるとしたらそれはスターリンの一国会主義論と同じ道をたどるだろう。それは政治的に腐敗、堕落した労働者国家の誕生を意味する。
 社会主義国が同時に数十カ国存在し、それらの国々で1つの経済圏を形成することができなければ社会主義国は生存できない。

 日本共産党の社会主義への道」には、この「国際主義」の視点が決定的に不足している。これが私が共産党の社会主義を机上の空論と呼ぶ理由だ。

 共産党はこうもいっている。
 「社会主義的変革は、短期間に一挙におこなわれるものではなく、国民の合意のもと、一歩一歩の段階的な前進を必要とする長期の過程である。
 その出発点となるのは、社会主義・共産主義への前進を支持する国民多数の合意の形成であり、国会の安定した過半数を基礎として、社会主義をめざす権力がつくられることである。そのすべての段階で、国民の合意が前提となる。
 日本共産党は、社会主義への前進の方向を支持するすべての党派や人びとと協力する統一戦線政策を堅持し、勤労市民、農漁民、中小企業家にたいしては、その利益を尊重しつつ、社会の多数の人びとの納得と支持を基礎に、社会主義的改革の道を進むよう努力する。」

 ここでは選挙による多数派形成により、社会主義社会が実現できると主張している。しかし考えてみて欲しい。共産党が認めているように社会主義社会の実現には長い時間が必要だ。そのためには何十回も行われる国政選挙で常に多数派を維持し続けなければならない。その間、一度でも少数派に転落したらその時点で社会主義への道はゼロにからの出発になる。多数派となった反社会主義政権は、それまでの社会主義的制度をことごとく破壊するだろう。

 これが机上の空論でなくて何であろう。だがプロレタリア独裁を行使するのであれば政権逆転の心配はないことになり、そうであれば机上の空論ではなくなる。プロレタリア独裁の行使は労働者民主主義の行使であり、労働者の利益に反するあらゆる行為は取り締まりの対象となる。共産党が本気で社会主義を目指そうとするなら、プロレタリア独裁は避けて通れない。共産党はこの問題をあいまいにしている。チリのアジェンデ政権を持ち出しまでもなく、アメリカをはじめとする反社会主義国は経済制裁、軍事力行使をもって政権転覆をはかるだろう。それに対抗するだけの人民の武装が必要になるが共産党からはその決意は読み取れない。

 以上、共産党の社会主義への道は矛盾に満ちていおり、机上の空論以外の何ものでもない、というのが結論だ。

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