小沢一郎代表の世襲肯定論とは（MSNニュース：毎日） Sun Shine

小沢一郎代表の世襲肯定論とは（MSNニュース：毎日）
http://www.asyura2.com/07/senkyo40/msg/570.html
投稿者 Sun Shine 日時 2007 年 8 月 14 日 09:52:36: edtzBi/ieTlqA

私も日本政治の弊害のひとつに「世襲政治」があるということを何度か書いたことがある。

政治を「ファミリー・ビジネス」としている連中は、この「ビジネス」を末代まで存続させるためには、モラルもへったくれもない。なりふり構わず、平気でくっついたり、離れたりするものだ。それが人間の持っている「自己保存本能」というものだ。小沢もそうだから、決して油断はできないと。

たまたま目にしたMSN 日本版に上記のような見出しが出ていたので、読んだ。

あの、あくどくて腹黒いイギリスですら、国内では民意の反映からか、今ではこのようになっている。日本も、この辺から変える必要があるのではないか。

近聞遠見：「世襲政治」、日英の違い＝岩見隆夫

「世襲が日本の政治の根本的な問題です。世襲だと本当に有能な人が出てこられない」（４日付「毎日新聞」）

　と作家の高樹のぶ子に正面切って言われると、やっぱりそうだと思わざるをえない。

　世襲論議がにぎやかになったのは、１９６３年１１月の衆院選からである。ともに２６歳の若い橋本龍太郎、小渕恵三が、死去した父親の地盤を継いで当選、注目されたからだ。戦後の第１世代が去るにつれ、２世議員が回を追って急増した。

　いまでは３世、４世も現れ、５世もそう遠くない。折に触れて世襲の功罪論は繰り返されたが、何か手を打たれることはなかった。

　ところで、議会・政党政治の先輩国、英国では、首相がブレアからブラウンに交代したばかりだが、６月２７日付タイムズ紙に歴代首相の身上調査のような一覧表が載った。

　最初の首相とされているウォルポールからブラウンまで、約３００年間の５２人が対象だ。そのなかに、＜国会議員の子供＞という欄があって、半数以上の２９人が該当していた。

　このデータだけでは、英国の政治も世襲的にみえる。だが、戦時中の大宰相、チャーチルから最近まで、戦後の１１人は全部＜子供＞ではない。２９人中２６人は２０世紀以前の首相である。

　先輩国では、世襲がはるか昔のことなのだ。この一覧表を日本の雑誌に紹介したロンドン在住のエッセイスト、森嶋瑶子（国際経済学者の故森嶋通夫元ロンドン大教授夫人）は、

　「２人続けて議員を親に持つ首相を選んだ日本ではどうなのだろう。このような表を作ったら興味深いのではないか」

　と言う。

　では、日本の歴代首相を点検してみよう。初代の伊藤博文から安倍晋三まで１２２年、５７人のうち、＜国会議員の子供＞は芦田均、鳩山一郎、宮沢喜一、羽田孜、橋本龍太郎、小渕恵三、小泉純一郎、安倍の８人とむしろ少ない。小泉、安倍は３世、あとは２世だ。

　首相、県議、町長の子供、孫など名望家系となると、片山哲、福田赳夫、宇野宗佑、細川護煕、森喜朗の５人も加わる。

　この計１３人が全員戦後の首相であるところが英国とまったく違う。１９世紀に英国の政治が卒業したことを、いまの日本が踏襲している。

　参院選のあと、安倍退陣を求める声が強まっているが、ポスト安倍にうわさされる麻生太郎外相、谷垣禎一前財務相、福田康夫元官房長官、あるいは民主党の小沢一郎代表、全部が世襲政治家だ。この流れはおいそれと変わりそうにない。

　政治家の子供が政治の道を志していけないわけはない。問われているのは資質だ。

　十数年前、「毎日新聞」が橋本、小沢、羽田を招き、＜２１世紀への政治を語る＞という座談会をしたことがある。このとき、小沢が、

　「３人とも２代目で、自分１人で議員になった人よりは努力に欠けると言われる。その通りだが、自分で言うのもおかしいけど、未練がましくなく、まともにやっているという点は、いいところもあると思う」

　と小沢にしては控えめな世襲肯定論を語った。血筋がいいから人柄よくまじめ、ということだろうか。

　しかし、それだけでは頼りない。さきの森嶋が、

　＜安倍氏の首相としての資質が問題ならば、「地盤」撤去を考える時期が日本にも到来したのかもしれない＞

　と指摘しているのは同感だ。いまの英国では、親と子が議員でも、そのまま地盤を相続するわけではない。世襲政治も＜戦後レジーム＞の一つではないか。（敬称略）＝毎週土曜日に掲載

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毎日新聞　2007年8月11日　東京朝刊

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