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事態は悪化しつつある(沖縄タイムス)
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 15 日 17:48:44: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070815.html#no_1

社説(2007年8月15日朝刊)

[8・15と戦後体制]

事態は悪化しつつある


戦場・占領・復興の混在


 終戦記念日にあえて問い掛けてみたい。「先の大戦が終わった日はいつですか」「沖縄戦が終わったのはいつですか」。

 「八月十五日=終戦記念日=戦争が終わった日」という認識は、今や国民共通の記憶となっているが、ことは必ずしも単純でない。

 国民が終戦詔書の玉音放送を聞いたのは八月十五日だが、日本政府がポツダム宣言の受諾を正式に連合国に伝えたのはその前日の十四日。ミズーリ艦上で降伏文書の調印式が行われたのは九月二日のことである。

 沖縄の慰霊の日に当たる六月二十三日は、沖縄戦が終わった日だとはいえない。六月二十三日以降も一部では日本兵による奇襲攻撃などがあった。逆に六月二十三日以前に収容所に収容され「戦後」の生活を歩み始めた住民も少なくなかった。

 激しい戦闘と占領生活と戦後復興が混在する形で進行していたのである。

沖縄で降伏文書の調印式が行われたのは九月七日のことだ。

 地上戦のあと米軍がそのまま占領軍として駐留し住民を直接統治した沖縄と、ポツダム宣言受諾後に米軍が進駐して間接統治した本土とでは、「終戦」の迎え方、受け止め方が大きく異なる。そしてそれ以上に本土と沖縄の決定的な違いを生んだのは戦後体制であった。

 本土の一部知識人の中には、四月二十八日を終戦記念日にすべきであるとの意見があったという。

 四月二十八日はサンフランシスコ講和条約が発効した日である。日本が米軍占領から解放され主権を回復したこの日、沖縄は本土から切り離され、米軍の統治に委ねられた。

 この日を終戦記念日にしたいと主張する知識人には、沖縄が置かれた戦後の境涯に対する痛覚が働かないのだろうか。

 安倍晋三首相は就任以来、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を訴えてきた。参院選敗北後も、その姿勢を変更する気はないようだ。だが、沖縄の戦後体制は本土とまったく異なっており、一緒くたに論じることはできない。それが議論の前提だ。


同一制度の異なる現実


 復帰前、沖縄には憲法が適用されなかった。軍事上の必要性がすべてに優先され、地方自治も人権も大きな制約を受けた。あえて要約すれば、これが沖縄の戦後体制であった。

 復帰によって憲法が適用され、米軍基地は日米安保条約と日米地位協定の下で運用されることになった。しかし、本土と同一の制度に移行したからといって、本土と同一の現実を保障したわけではなかった。

 基地外での米軍機事故にもかかわらず、県警さえ近寄れないような米軍の一方的な現場規制。学校敷地への米軍装甲車、車両の度重なる侵入。米軍基地をめぐるさまざまな「理不尽さ」は、沖縄の戦後体制が今なお続いていることを示している。

 憲法は国の最高法規である。けれども沖縄では、その最高法規の位置に日米安保条約が鎮座していて、憲法の影が薄い。

 普天間飛行場所属の米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落した際、現場規制をした米軍は、地位協定の合意議事録に基づいて、つまり与えられた権利として、県警の検証を拒否した。

 イラク戦争にのめり込む米国を支援する一方で、国家主権にかかわる事例に対して米軍に強く当たることのできない日本政府とはいったい何なのか。多くの県民が疑問を感じたはずだ。


進む日米の軍事一体化


 「戦後体制からの脱却」を言うのであれば、何よりもまず沖縄において基地をめぐる「理不尽さ」の解消に全力を挙げなければならない。

 残念ながら沖縄の現実は、その方向に向かっているとは言い難い。普天間飛行場の辺野古移設をめぐる最近の政府の対応は、あまりにも強引で度が過ぎるところがある。

 事前の相談もなく日米で移設案を決め、決まったものに対しては「のむならカネをやるが、のまないならカネはだせない」という露骨な脅し。これが果たして負担軽減のための施策といえるのだろうか。

 米軍再編に絡んで本島北部への基地の集中化、機能統合が進んでいる。米軍と自衛隊の一体化も急速に進みつつある。その上、集団的自衛権の行使や憲法九条の改正が具体化すれば、沖縄は大きな安全保障上の負担を新たに抱え込むことになるだろう。

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