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安倍と麻生「小泉切り」の密議(4)(Yahoo!みんなの政治 文藝春秋)
http://www.asyura2.com/07/senkyo41/msg/1078.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 14 日 14:20:20: 2nLReFHhGZ7P6

(回答先: 安倍と麻生「小泉切り」の密議(3)(Yahoo!みんなの政治 文藝春秋) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 14 日 14:18:36)

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070910-04-0701.html

安倍と麻生「小泉切り」の密議(4)

2007年9月10日 文藝春秋

 安倍と麻生が寄り添える解散・総選挙のタイミングは、来春の二〇〇八年度政府予算の衆院通過から成立、そして夏の洞爺湖サミットに安倍が出席する前後までの、政権の経済・外交政策の堅調ぶりを印象づけられるごく短期間のチャンスしかない。
 そこで内閣支持率が十全に戻らず解散できなければ、追い込まれ解散の局面に至る。そこで置き石の如く効いてくるのが、二つの政治日程の微妙なシンクロである。
 衆院の任期満了は二〇〇九年九月、そして次の総裁選も同じ九月なのだ。
 七%という未曾有の低支持率に泣いた森政権の幕引きはどうだったか。当時の古賀幹事長ら党執行部は単純な「首相辞任」という絵を描かず、〇一年夏の参院選で勝てる顔を選ぶという理由から総裁選を前倒しし、それに森が出馬しないという軟着陸シナリオを描いた。
 だとすれば、久間が思い描くように、来秋、衆院選と総裁選まで一年を切り、安倍内閣の支持率が低迷したままならば同じ知恵が出てこないほうが不思議だ。その場合、麻生はポスト安倍で動き始めるほかない。AA連合には耐用年数があるのだ。


小沢民主の最終兵器

 しかも、その前に「未知との遭遇」とでも言うべき国会の難所が続く。小泉政権以来、日米関係の根幹を成したテロ対策特別措置法の期限切れは十一月一日に迫る。「政党間協議」というキーワードを連発し、民主党との修正協議に照準を合わせる麻生だが、既に参院選からこの間、自民党と民主党でその準備運動には雲泥の差があった。徒(いたずら)に時間の浪費を続けたのは、敗者たる自民党の方である。
 もっとも、参院選惨敗の日の夕刻、首相公邸で密談した麻生は安倍にこう進言してはいた。「ここに至っては民主党を参院第一党と遇するべきだ」。「民主党の声にも耳をかたむけるべきだ」。さらに例えば参院議員会長・青木幹雄を参院副議長に推す案もあると言いつつ、「野党との主戦場となる参院を含めて党人事は即刻、断行すべきだ」とささやいた。
「事務所費トラウマ」から閣僚候補たちの「身体検査」に時間をかけようとする安倍が内閣改造を先送りするのは仕方ないにしても、臨時国会で野党を押し返すべく新執行部だけは一日も早く刷新しなければいけない。しかし、公邸での別れ際、麻生の背中に向け、「麻生先生は本当にワルですね」と言った安倍ではあったが、森さえも求めたその党人事先行案にも乗り切れず、麻生もまた背中をもう一度押すことはなかったのだ。
 その結果、幹事長・中川以下、「死に体」と化した執行部は、臨時国会の召集日程さえ組めない。業を煮やした首相秘書官・井上が党国会対策委員室を訪れ、幹部職員との会話ひとつで「八月三十一日、臨時国会召集」案をまとめたと安倍に報告、あろうことか一部新聞にリークしたことで、野党はおろか、与党・公明党の怒りを招いた。混乱の極みである。
 そうした間にも、勝者の民主党は着々と戦陣を固めていったのである。
 代表小沢一郎は参院選翌日、参院民主党の新たなドン・輿石東とひそかに会って、「曲げて参院議員会長を受けてほしい。参院人事はあなたの言うとおり了承するから」と持ちかけた。
 名誉職たる参院議長は江田五月を起用する代わり、参院の人事権を与え、同時に自分と代表代行・菅直人、幹事長・鳩山由紀夫で構成してきたトロイカに輿石を加えたカルテットとすることで、党内左派勢力の代表格でかつ自民党の参院を率いる青木と太いパイプを持つ輿石の取り込みを図ったのだ。
 返す刀で小沢は、唐突に八月三十一日を目途に党人事を「刷新」する方針をぶち上げた。菅、鳩山さえ当初、「自分のポストがどうなるかわからない」と漏らした新人事は、小沢が自らへの忠誠心の踏み絵を踏ませ、党内を掌握し直すため以外のなにものでもない。テロ特措法を巡って自民党との修正協議に心を奪われかねない前代表・前原誠司や、改憲論議で反小沢の声を挙げた枝野幸男ら、隙あらば小沢追い落としを策しかねない「若手」への強烈な挑戦状でもある。
 小沢の党内掌握力が万全となれば、安倍と麻生が民主党の亀裂を狙う「政党間協議」優先の戦術も通用しない。法的拘束力はないとはいえ、閣僚はもちろん首相の問責決議案という参院での最大の武器の使いどころを吟味し、与党を揺さぶり、最も有利な時期の解散に追い込む硬軟両様の戦術も可能となるだろう。
 最大の政治決戦である衆院選までの難局を、麻生と安倍は渡っていけるのか。
 参院選直前の七月のある閣議の後、安倍と麻生は短時間ながら話し込み、話は二人の祖父の故事に及んだ。単独講和に踏み切り、帰国後の焼き打ちさえ覚悟した吉田茂。安保争乱の最中、「声なき声に耳を傾ける」と言った岸信介。保守の筋を通した祖父たちの話だ。軽武装・経済優先の吉田政治と、そのアンチテーゼたる防衛自立・政治優先の岸政治。戦後保守の二大潮流をつくった二大宰相の孫二人が倒れんとする巨象・自民党の最終戦争を担おうとしているかにも見える。
 ただ、戦後保守政権の強みは、リーダーと政策の両方を危機に応じ寸時に取り換える「サイド・チェンジ」の妙味にあった。対米協調の吉田の次は日ソ国交回復の鳩山一郎が取って代わり、安保動乱の岸の後、所得倍増の池田勇人が登場する。参院選惨敗直後に安倍を代えられなかった自民党は、そのチャンスの前髪をつかみ損ねたともいえる。
 政権を競う相手は保守本流「経世会」の末裔であり、新保守主義の前歴を捨て「成長より平等」へと本流に舞い戻った小沢である。さらに、「AA連合」が求心力を失い、動乱が極まればこれまた、「清和会」の別の嫡子である福田の擁立論が熱を帯びる。
 戦後保守の跡目争いの役者はそろい、舞台は整った。(文中敬称略)

※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。

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