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左翼かつ愛国者であるということ - 及川健二
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投稿者 kaname 日時 2007 年 9 月 15 日 21:00:39: 3X28X40b0xN.U

http://www.ohmynews.co.jp/news/20070907/14871

左翼かつ愛国者であるということ
仏政党「共和国市民運動」が実践
及川 健二(2007-09-08 09:00)


 日本では左翼と愛国者は水と油のように思われている。しかし、フランスでは「左翼であり、愛国者である」という政治姿勢はきわめてスマートだ。

 1981年5月〜86年3月、88年5月〜93年3月まで、約11年という長期に渡って文化相を務めた仏社会党の重鎮・ジャック=ラング下院議員は、2000年3月から2002年5月まで国民教育相を務めた時、省をあげて国歌「ラ・マルセイエーズ」の普及キャンペーを行った。

 字や楽譜が読めないとか、習得する機会を逸したとかいう理由で、国歌を歌えない若者が増えているとして、全国の小・中・高校に国歌の誕生から現在に至るまでを解説した約60頁の案内書『ラ・マルセイエーズ』を無料配布した。

 ラング氏は「『ラ・マルセイエーズ』の運命は独特だ。軍歌であり、革命歌であり、共和国の象徴でもある」と語り、「共和国の象徴」として市民すべてが国歌を歌えるように努力した。

今春の大統領選挙で右派のニコラ=サルコジ仏大統領に惜敗した、セゴレーヌ=ロワイヤル社会党候補は、選挙期間中に「フランスの国旗と国歌を極右の国家主義者たちから奪還したい」「大統領に選出されたら、国民1人1人に国歌を覚えさせ、一家に1本国旗を常備させて、祝日の国旗掲揚を働きかけたい」「国家のシンボルを極右に明け渡すのではなく、われわれの手に取り戻したい」と発言した。有力左派候補による愛国発言だった。このようにフランスでは左派の間でも愛国心が当たり前のように語られる。

 その中でも、とりたてて「愛国」を前面に掲げる左派政党がある。社会党を創立した1人であるジャン=ピエール=シュヴェーヌマン元内務相が2002年に結成した「共和国市民運動」がそれだ。

 同党は「共和主義(愛国の精神)」と「社会主義」の2つを柱にしている。現在はパリ6区の区長を務めるジョルジュ=サール元下院議員が党首を務め、上院に1議席、下院に1議席持つ。同党の思想を謳った「原則の宣言」によれば、党の性格は「共和制の実現のためにあらゆる分野で尽力しようとしている市民が集結することで成り立っている」という。
ジョルジュ=サール「共和国市民運動」党首(2005年11月)。(撮影:及川健二)

 同党は「国家主権」を尊重し、「民衆による国家主権というものは、自由を保障し、市民権をあらゆる機会に行使する上での土台となるもので、国家の独立を確かなものにする」と主張し、新自由主義による覇権政治に抵抗するという。

 自由や政教分離、権利と機会の平等、社会正義、友愛など、フランス人権宣言や共和国憲法の前文に銘記されたような、共和主義の原則が徹底されることを同党は要求している。

 愛国的な考えから、「欧州連邦」構想には強く反対し、現在の欧州連合を新自由主義の権化であるグローバリズムの延長にすぎないと批判する。2005年5月29日にフランスで行われた欧州憲法条約の批准をめぐる国民投票に際して、共和国市民運動が反対の立場をとったのは、欧州連合が国家を超える存在になると考えたからだ。グローバリズムとは米国による覇権政治だと見なし、巨大な欧州連合はヨーロッパのアメリカ化だと断ずる。

 シュヴェーヌマン氏が国防相だった1991年に湾岸戦争が勃発し、フランスが参戦するや、国家主権を尊重するという立場から、戦争反対だと彼は述べ、参戦に抗議して職を辞した。

 1997年6月の下院議会議員選挙で左派が勝利して、社会党のリヨネル=ジョスパン氏を首相とする内閣ができると、シュヴェーヌマン氏は内務相に就いた。コソボ紛争の時は「私は共和主義者であり、国家主権主義者だ」という理由からNATO軍による介入に内閣の中で反対し、2000年8月にジョスパン首相が、コルシカ島の自治権を拡大すると発表すると、「共和主義者であり、国家主権主義者である私の立場からすると、国家主権を弱めるような判断には賛成できない」と述べて、内相を辞めてしまった。根っからの愛国者なのである。

 2007年6月の下院選で落選してしまったが、シュヴェーヌマン氏の舌鋒は鋭い。

 8月にベルナール=クシュネル仏外務相がバクダッドを訪問し、イラク復興の支援を約束したことに対して、党のホームページ上で「アメリカ政治への追従であり、カノッサの屈辱のような行為だ」「イラク戦争に反対したことで、アラブ諸国やイスラム諸国においてフランスは確固たる地位を築いた。クショネル氏の行為は、イラク侵略に際してアメリカに追従しなかったフランスの国益を無駄にするものだ。」と非難した。

 「国益」という観点からクシュネル外相を批判するのは、いかにも愛国者らしい。

 さて、左翼と愛国が水と油の日本……。我が国においてシュヴェーヌマン氏のような「左翼かつ愛国者である」政治家が登場する日は来るだろうか?

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