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【新防人考 変ぼうする自衛隊】第三部 海を越える新任務 <1>日常化するインド洋派遣(東京新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo41/msg/190.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 24 日 20:51:25: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakimori/news/070527.html

 五月十日、雨上がりの広島県呉市。

 海上自衛隊呉基地では、補給艦「とわだ」の乗員が小型艇に移った艦長の山下正和二佐(54)に向かって帽子を振った。退任者への「帽振れ」の儀式だ。

 テロ特措法に基づくインド洋派遣から帰国してわずか十四日。半年前、定年を控えた山下二佐は再就職先も決まらないまま日本を出発した。これまでの慣例では退官間近の隊員には海外勤務を命じない。インド洋への派遣開始から六年目、もはや海自の“日常”となったから、特別扱いされないのだ。

 「とわだ」乗員百三十四人のうち、半数以上の七十九人が複数回のインド洋経験者。四回目という大西司三曹(26)の仕事は補給艦と並走する相手艦にパイプを渡して洋上補給すること。夏場は七〇度を超える甲板に立ち、不測の事態に備える。

 「集中が必要だから自分を高められる」。活動は乗員の体にもなじんだようにみえる。

 海自が燃料などを洋上補給した回数は八百九十九回。相手国は米英など十一カ国。各国のフリゲート艦はインド洋北部のアラビア海に点々といて、テロリストや武器を積んだ船が密航できないよう監視している。

 注目されるのは、米国によるアフガニスタン攻撃の対象になったイスラム原理主義政権タリバンを陰で支援したパキスタンが、二〇〇四年七月から監視グループに加わったことだ。

 海自から洋上補給を受けた回数は米国に次ぐ二百二十九回。老朽化したパキスタン艦は海水から真水を精製できず、水の提供も受ける。

 自衛艦隊司令官の香田洋二海将(57)は「国内に反米感情があるパキスタンが米軍と連携するのは難しい。日本の支援があるからイスラム教国が『テロとの戦い』に参加できている」と海自のパキスタン支援を自賛する。

 インド洋での洋上補給は、当初、中枢同時テロの報復としてアフガン攻撃を始めた米国を支援する色彩が強かった。だが、活動は長期化、自衛隊を変ぼうさせる呼び水になった。

 昨年五月、日米合意した米軍再編の中間・最終報告文書。「テロとの戦い」「イラク支援」などの二国間協力を「最近の成果」とし、米軍と自衛隊が「国際安全保障環境の改善」に取り組むことを明記した。これを受けて自衛隊法が改正され、海外活動が本来任務に格上げされた。

 安倍晋三首相が設置した集団的自衛権行使の事例研究を進める有識者懇談会にも、反映されている。事例四類型のうち、「自衛艦と並走中の米艦船が攻撃された場合の反撃」は、まさに海自が続ける洋上補給を想定している。

 インド洋へ派遣された海自艦艇は延べ五十七隻。日本からインド洋に至る海域や港湾の情報は着実に蓄積された。帰国した派遣部隊指揮官の久野敬市一佐(49)は「ペルシャ湾の海象や気象、砂塵(さじん)による電波障害の特性まで体得できた」と自信をみせる。

 このルートは、米国が監視を強める中東から北東アジアに至る弧状になった地域の「不安定の弧」をつなぐ「シーレーン(航路)」である。この地域に含まれるのは多くのイスラム教国や中国、北朝鮮といった国々。

 その海で活動を続けること自体、日米同盟強化の証しとして、日本に突きつけられた踏み絵である。「インド洋派遣はエンドレスになる」と海自幹部。もはや「日本防衛」との整合性を問う声は、限りなく小さい。

    ◇

 「海を守る」任務から、海外志向が強い海上自衛隊。インド洋での洋上補給、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)訓練への参加、P3C哨戒機の海外派遣など、「日本防衛の枠」を超える多彩な活動を報告する。(この連載は社会部・半田滋が担当します)

2007年5月27日

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