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白川勝彦:世界陸上を観て思うこと = 永田町徒然草
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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 8 月 31 日 08:03:23: mY9T/8MdR98ug
 

永田町徒然草 No.535

いま夜になると世界陸上を観るのが楽しみである。やはり世界の水準は高い。正直いってわが国の選手はメではない。そのような選手をもちあげて報道しなければならないのだから、TBSのアナウンサーや解説者に同情をする(笑)。あまり無理にわが国の選手に焦点を当てなくてもよいのではないかという気もする。このような現象は果たしてスポーツだけなのだろうか、と私は思っている。何らの根拠もなく、わが国は経済や科学や文化の世界で一流の水準にあると錯覚しているか、自惚れているところがないのだろうか、と……。

例えば電子部品や半導体の分野でわが国が世界で最先端を走っていたときがあった。そんなところからコンピュータやインターネットの分野で、わが国は当然世界の相当高い水準にあり、自分も世界で一流の水準のものを享受していると考えているのではないだろうか。しかし、わがWebマスターにいわせれば、日本のインターネットの水準は世界の中の下の水準であるという。私は世界のインターネットの現状を残念ながら知らないが、Webサイトを開設している者として若干の当事者としての感触はある。インターネットのほんの政治的分野しか知らないのであるが、わが国の政治的サイトの現状が世界で一流の水準である筈がないと思うことは確かに多い。

インターネットの水準を決めるのもやはりソフトであろう。コンピュータの分野だって、コンピュータという機械や部品を作れることとコンピュータを利用するソフトや価値観はまったく別問題である。これもほんのわずかな経験だが、政治家の事務所のコンピュータはべら棒に高い宛名印刷機でしかないというのが、私の実感である。私にはその原因がよく分かる。選挙で何が大切な要素だということを知らないソフトウェア技術者と、コンピュータというものをほとんど理解していない政治家がコンピュータを事務所に導入しても大したものにならないのは、当たり前のことである(笑)……。

「どんなに立派なテレビを作り、それを床の間に置いたところでそれではなんにもならない。テレビは、そこに映る画像を観る機械である。わが国はテレビを作らせたら世界一だが、そこに映る画像を創り、外国に売れるようなものを作る力はない。これからは、良い映像を創り、外国に売れるような国になるのがわが国の課題である」

 いまから30数年前に政治活動をはじめたとき、私はこんな演説をよくしたものである。コンピュータが出はじめたころ、「これからはハードからソフトの時代だ」ということも人口に膾炙(かいしゃ)したものである。

映像の分野に、私はいつも興味をもってきた。また報道の分野も職業柄関心を持たざるを得なかった。しかし、この分野でわが国が世界の一流の水準をいっている訳がない。それはこの分野に対する国の政策が明らかに間違っているからである。自由に対する深い配慮をもってこの分野の政策を進めなければ、文化や芸術や報道が発展できる訳がない。わが国の政治家や官僚は、自由に対する理解がまったくない。自由に対する理解がないのだから、これに配慮した政策が立てられる訳がない。映画会社や報道会社のトップも同じである。このことについての詳論は、私の「テレビ雑考」に譲ろう。

戦後わが国は「文化国家をめざす」ということを強調した時期があった。強大な軍隊を失い、経済の基礎ともいうべき基本的生産手段も失ったわが国の国民に、目標と生き甲斐を与えることができるのはこのようなスローガンしかなかったのではないか。しかし、すべてを失ったときに妥当するということは、それはいつの時代でも原点だということである。テロ特措法の延長がこの秋の臨時国会の最大の争点だといわれている。安倍首相の下で、集団的自衛権の行使を認めようという動きが相変わらず熱心に進められている。だが軍事力行使ということが現在の国際社会の中でどれだけ意味のあることなのかという根本的な議論が疎かになっている。

経済だって所詮は、人間的に豊かな社会や生活をどう実現するかということであろう。人間的に豊かであるかどうかは、文化的・文明的考察力があってはじめてその方向性を決めることができるのではないか。その文化的・文明的視点がまったくない経済人の作る商品は、資源有限や環境という観点からはたして世界が求めるものに合致するのだろうか。世界の求めるものに合致しない商品には限界がある。わが国の政治はアメリカ従属であるが、わが国の経済もアメリカ型経済を超えようとする気概はなにもない。アメリカと良きパートナーであることは必要だが、アメリカに従属していたのではわが国の進路は開けてこない

永田町徒然草No.521で述べたが、政治は疑いもなく文化・文明の分野のものである。いま否応なしに見せられている安倍内閣の改造劇は、世界陸上に比べもっとお粗末なものであろう。これをあたかも重大事のように伝える報道の質は、世界でも“中の下”の水準であろう。少なくともわが国の政治の水準が、そのようなものであるという自覚だけを国民はもたなければならない。私がWebサイトで毎日指摘していることは、そのような現状に対する警鐘である。くだらないことを書いているように思われる分類“徒然”のものも、私としては文化・文明とは何かを考える上でなにがしかの参考になることを書いているつもりなのである(笑)。

それでは、また明日。

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