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「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか―中村哲(毎日新聞)
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 31 日 18:41:42: 2nLReFHhGZ7P6
 

 今日の「毎日新聞」の<論点:テロ特措法をどうするか>に村田晃嗣氏、寺島実郎氏と中村哲氏3氏の意見が掲載されている。<主張 提言 討論の広場>というのだから、ネットにこの記事を載せ、多いに皆さんから意見を求めればよいのに、残念ながらネット上で見つけることが出来ない。そこでかいつまんで紹介する。

<論点:テロ特措法をどうするか>

 ■アフガン問題での対テロ活動支援。インド洋上での海上自衛隊の外国艦船給油は是か非か

◇村田晃嗣(同志社大教授―国際関係論):延長が国際社会の要請
  イラク戦争と違い国際的に正当な活動
  日米同盟での自衛隊の存在感下げるな

◇寺島実郎(日本総合研究所会長):政策の進化図る局面
  米主導より国連主導で地域の安定化を
  日本の貢献は軍事と一線を画した形で

◇中村哲(NGO「ペシャワール会」現地代表):戦争支援をやめる時
  誤爆による反米感情が治安悪化に拍車
  疲弊するアフガン農民の視点で議論を 

 この3人の意見の中で中村哲氏の意見は、現地からのテロ特措法に対する意見として、たいへん共鳴しましたので、また一部を引用することしかできないのですが、抜き出して紹介します。


 テロ特措法の延長問題が社会的関心を集めている。この法案成立(01年10月)に際しては、特別な思いがある。当時私は国会の証人喚問でアフガニスタンの実情を報告し、「自衛隊の派遣は有害無益である」と述べた。法案は9・11事件によ対米同情論が支配的な中で成立、その後3回にわたり延長された。しかし特措法の契機となった「アフガン報復爆撃」そのものについても、それを日本政府やメディアが支持したことの是非についても、現地民衆の視点で論じられることはなかった。
 現地は今、過去最悪の状態である。治安だけではない。2000万人の国民の半分以上が食を満たせずにいる。そもそもアフガン人の8割以上が農民だが、00年夏から始まった旱魃により、農地の砂漠化が止まらずにいるからだ。

(略)

 テロ特措法延長問題を議論する前に、今なお続く米国主導のアフガン空爆そしてアフガン復興の意味を、今一度熟考する必要があるのではないか。日本政府は、アフガンに1000億円以上の復興支援を行っている。と同時にテロ特措法によって「反テロ戦争」という名の戦争支援をも強力に行っているのである。
 
 「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか。干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な「安全保障」になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、戦後の日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった。
 特措法延長で米国同盟軍と見なされれば反日感情に火がつき、アフガンで活動する私たちの安全が脅かされるには必至である。「国際社会」や「日米同盟」という虚構ではなく、最大の被害者であるアフガン農民の視点にたって、テロ特措法の是非を考えていただきたい。 


「毎日新聞」8/31 朝刊より

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