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【 医療破壊 】 「 医師を襲うトンデモ医療裁判 」 ( 日経メディカル )
http://www.asyura2.com/07/senkyo42/msg/1109.html
投稿者 どっちだ 日時 2007 年 10 月 12 日 03:20:52: Neh0eMBXBwlZk
 

-----NATROMの日記 から無断転載--------------------------
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20071011

2007-10-11
■[医学]日経メディカルでトンデモ医療裁判の特集

誰かが書くかなと思っていたけどあまり話題にあがらないので自分で書く。今月号(2007年10月)の日経メディカルの特集は、「医師を襲うトンデモ医療裁判」であった。

■日経メディカル 2007年10月号(魚拓)
http://s01.megalodon.jp/2007-1011-1509-13/medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/info/mag/nm/

医師を襲うトンデモ医療裁判

 医療の限界や不確実性を考慮せず、医学的な根拠も蔑ろにする「トンデモ」判決が、医療界を脅かしている。そのトンデモなさは、萎縮医療を促進するだけでなく、ハイリスク診療科や病院からの医師の逃散を招いている。

 このままでは、司法が原因でこの国の医療が崩壊することになりかねない。(P56)


医療系のブログでさんざん言われてきたことである。しかし、いくら医療者向けの雑誌とはいえ、紙ベースの出版物でトンデモとまで言い切った司法批判は珍しいのではないか。私の記憶では、「医療者側に厳しい判決と言わざるを得ない」とか、せいぜいそのくらいまでだったように思う。記事は、トンデモ判決を分類したPart 1、具体的な裁判例を紹介したPart 2、訴訟を回避するための方策を論じたPart 3の3部構成。

Part 1では、トンデモ判決を「最高水準要求型」、「説明義務過剰型」、「因果関係こじつけ型」、「医学根拠希薄型」の4つに分類する。また、鑑定人の問題も指摘している。
『鑑定人が、現場の実態や時代背景などを考慮せず「考えられる最良の医療」を鑑定書に記してしまうことがあるという(P57)』。ネット上で法曹界の方々の主張を聞くと、鑑定書が出された以上、それに従った判決をせざるを得ないとのこと。確かにそうであろう。だとすると、トンデモ医療裁判の原因は、鑑定書を出した医療側にもあるということになる。ただ、それだとトンデモな鑑定書を書いてくれる医師を1人でも訴訟相手が見つけてくれば、標準的な医療を行っていても裁判で負ける可能性があるわけだ。これもシステムの問題であって個々の裁判官や弁護士の資質とは別の問題なのであろう。医療事故を起こした医療従事者を責めても問題が解決しないのと同様に、トンデモ判決を出した裁判官を責めても問題は解決しないかもしれないことは心に留めておくべき。

Part 2では、4つの事例を扱っている。

1つ目は、八戸市立市民病院で耕運機で巻き込まれた男性が、ガス壊疽になり下肢切断となった例。縫合する際に通常より太い糸を使ったことが血行障害を、ひいてはガス壊疽を引き起こしたとされた。記事では「医学的根拠希薄型」と「因果関係こじつけ型」の合併した"重症例"という評価。ブログでは、たとえば■もう外傷なんて診ない!(うろうろドクター) http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/14923287.html や ■やられ放題 「八戸市立病院の敗訴確定=左足切断の手術ミス−最高裁 」(勤務医 開業つれづれ日記) http://ameblo.jp/med/entry-10041591507.html で、同様の評価がなされている。

2 つ目は、奈良県五條病院で急変し死亡した交通外傷患者に対し、死因は外傷性心タンポナーデであり超音波検査や心嚢穿刺を行うべきだったとされた例。ポイントは診療にあたったのが脳外科医で、脳外科医一般に求められれる医療水準は満たしていたのにも関わらず、それ以上の医療を求められたという点。記事では、事故当時の医療状況では救急医であっても外傷患者に積極的に超音波検査を行うのは標準的でなかったこと、そもそも患者の死因が心タンポナーデであったことからして不確定であったことを指摘している。ネット上では、■良心と保身の狭間で(産科医療のこれから) http://obgy.typepad.jp/blog/2007/09/post_de0c.html で、詳しく述べられている。引用された判決文を読む限りでは、鑑定書の問題などではなく、現実離れした要求を医療者につきつけたこの裁判官の資質を疑わざるを得ないと思うのだが、法曹関係者はどうお考えか。

3 つ目は、脳内出血に対し早期にマンニトールを開始すべきだったとされた例。しかし、添付文書には「脳圧により一時止血されていたものが、頭蓋内圧の減少とともに再び出血し始めることもあるので、出血源を処理し、再出血の恐れのないことを確認しない限り、本剤を投与しない」とある。「これに対して高松高裁は『添付文書に従うか否かは医師の裁量権の範囲である』として、マンニトール投与の時期を逸した過失を認めた(P64)」。つまり、禁忌でも使うべきだったというわけ。使って結果が悪かったら、「禁忌なのに使った過失を認める」となっていた予感。この件についてはネットでは見つけられなかった。事件は 1998年11月14日、判決は2005年5月17日に高松高裁であったとのこと。

4つ目は、帯状疱疹を低温やけどと誤診し、ステロイド外用剤を処方したために帯状疱疹後神経痛が生じたとされた例。記事では専門医による「最善の治療をしても、帯状疱疹後審決通は残る場合がある。アシクロビルを早く使えば神経痛が残らないなら、皮膚科医は誰も悩まない」「(ステロイドを)1日外用したせいで神経細胞に浸透し、ウイルスの増殖を促したとは考えにくい」との意見を載せている。この件もネット上では見つけられなかった。事件は2002年1月、判決は2005年5月25日に名古屋地裁であったとのこと。

Part 3では、訴訟を回避するために、「隠さない」「チームでスピード対応」「真実を話し謝罪する」「メディエーターを置く」「払うべきものは払う」といった対策が述べられている。しかしこれでは訴訟の確率は減らせても、ゼロにはできない。トンデモ裁判を避けることもできない。

トンデモ裁判は悪だ。それは事実だ。しかし、最近私はこう思うようにもなっている。悪いのは、裁判以外に医事紛争を解決する手段がほとんどない制度の欠陥だ。無過失補償制度や医療事故を調査する第三者機関などの、裁判以外の医事紛争解決手段の早期導入を願う。

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