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民主党は、試されている=前原誠司(その2)(中央公論)
http://www.asyura2.com/07/senkyo42/msg/337.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 22 日 16:03:35: 2nLReFHhGZ7P6
 

(回答先: 民主党は、試されている=前原誠司(その1)(中央公論) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 22 日 15:58:43)

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070921-04-0501.html

民主党は、試されている=前原誠司(その2)
2007年9月21日 中央公論


小沢代表の真意

 小沢一郎民主党代表は参院選直後から、テロ特措法を延長するための改正法について否定的なコメントを出し続け、注目を集めている。臨時国会の召集を受けた記者会見では、「アフガン戦争は、ブッシュ米大統領が国連や国際社会と関係なく、『自衛戦争だ』と言って始めた。国連安保理決議に基づく活動とは全く性格が違う」とも述べている。このため、各種報道は、民主党が与党との修正協議には応じない意向を示したとして伝えている。
 
 私は、立場によっては、小沢代表の見解は正しいと考えている。確かに、国連が認めているのは、「米国の自衛権の発動」であり、米国自身が米国のために戦っているという見方もできるからだ。前述した通り、厳密には、米国は国連決議に基づいて行動したのではない。米国の攻撃を国連が追認しているのだから。ただ、だからといって小沢代表は、活動を全否定するつもりはないのではないか。
 
 岡田克也氏が代表だった頃、小沢代表と自衛隊の海外派遣について議論したことがある。小沢代表は、「とかく、日本では自衛隊の海外派遣について憲法九条に照らし合わせて論じられる。が、国際貢献活動における自衛隊の派遣は九条に基づくものではない」という見解を示していた。その上、国連決議さえあれば、現在の国連平和維持活動(PKO)だけにとどめず、武力行使を含めて検討する必要がある−−とも発言したと記憶している。国際貢献については私よりも小沢代表のほうが積極的なご意見を持っておられるはずだ。
 
 八月上旬、小沢代表は党本部でトーマス・シーファー駐日米大使とテロ特措法の延長問題をめぐって会談した。この際、活動の継続を求めるシーファー大使に対し、小沢代表は「国連決議があれば参加したい」と応じている。国連決議さえあれば、国際貢献には参加したいという姿勢は以前と変わらない。ぶれてはいないのだ。
 
 また、民主党が延長に否定的であることから、シーファー大使から「(米軍に関する)機密情報も提供する準備がある」との譲歩を引き出すことにも成功している。これは、非常に意義深いことであり、テロ特措法をめぐる事態を好転させるきっかけにしうると私は見ている。
 
 話が前後するが、一部の報道機関が、最初にシーファー大使から会談の求めがあった際に、小沢代表が断ったと伝えた。これは“誤報”だ。後から知ったことだが、実は、小沢代表はシーファー大使からの申し入れを知らなかった。小沢代表に報告がいく前に、たまたま、日程が合わないという理由で事務局が断っていただけだ。この報道のミスリードによって、その後の会談も、小沢代表が米国の要請を頑なに拒絶している−−という印象を残す報道になっていったのではないか。
 
 実は、会談の後、米大使館のスタッフから私に電話があった。「シーファー大使は大変に喜んでいた。これからも、定期的に小沢と話したい」と言われたのだ。有権者の目にどう映ったかはともかく、米国人はああいった率直なやり取りを好むのかもしれない。
 
 また、会談の前に小沢代表と会ったのだが、小沢代表は「今までも米国とは付き合ってきた。今後も、付き合っていきたい」と言っていた。小沢代表は米国を軽視などしていない。自民党の幹事長まで務めた人であり、米国に独自のパイプを持っているため、自信を持って行動しているのではないか。私はそんなふうに考えている。
 


歴史が教える「強硬外交」の罠

 前述したが、私の外交姿勢について、「弱腰」という批判は当たらないと思う。この機会なので、改めて私の政治的な姿勢を確認しておきたい。それには、歴史をひもとく必要もある。
 
 国力が弱まった時、いつの時代も決まって歪んだ「強硬外交」を求める世論が高まる傾向があるものだ。
 
 たとえば、一九〇五年に日露講和条約(ポーツマス条約)に反対する民衆が起こした暴動事件「日比谷焼き討ち事件」を思い起こしてほしい。日露戦争で一応の“戦勝国”となった日本では、多大な賠償金を求める論調が高まった。しかし、講和条約にはロシアによる賠償金支払い義務は盛り込まれていない。強国ロシアを相手に、当時の日本には戦い続ける実力などなかった。このため、日本全権だった小村寿太郎はロシアとの講和を最優先する道を選んだのだ。
 
 しかし、対外硬派の団体はこれに激怒した。時の野党勢力を中心とした集会が日比谷で開かれたのをきっかけに、民衆は暴徒と化して官邸を襲い、警察署や交番を焼き払った。全国各地でも、「ロシアとの戦いを続行せよ」という現実離れした要望が声高に叫ばれた。この暴動の一因には、野党勢力の煽動があったとされている。
 
 また、大正から昭和初期にかけての民政党と政友会の争いという教訓もある。一九二四年から断続的に外相を務めた幣原喜重郎は、ワシントン体制のもと、米、英と協調して中国革命に対して内政不干渉の立場を貫く「協調外交路線」を選択した。対する野党・政友会はこれを「軟弱外交」として激しく批判。その後の金融恐慌などもあり、政友会は政権奪取にこぎつけた。その後の強硬外交の行方は、説明するまでもないだろう。
 
 外交を政争の具にしたり、有権者の支持を得られるからといっていたずらに外国に対して強い姿勢に出るなどというパフォーマンスは、政治家は厳に慎まなければならない。私自身は、そう肝に銘じている。
 


民主党は「お試し期間」中

 テロ特措法については、今後、党内のさまざまな部門会議、調査会議が開かれ、徹底的に議論したうえで、党の方針を決めることになるだろう。民主党は党代表が主張することで、何もかもが決定されるというような息苦しい政党ではない。もちろん、党代表の意向は重く、その影響力は大きいが、自民党の小泉前総理のように、何が何でも言うことをきかせるという体質にはないからだ。
 
 わが党には、さまざまな意見を持つ議員がいる。報道などに指摘されるように、党内の意見が一致しない場合も少なくはない。しかし、だからといって、徹底的な議論を逃げていたら政権政党として脱皮することはできない。そして、党内でまとまった方針については、造反者を出さずに一致して行動していくことが必要だ。どちらに決まっても造反者が出る……といわれるようなありようは、そろそろ卒業しなくてはならない。
 
 ちなみに、民主党が今夏の参院選で大勝をおさめた要因は、“複合的な敵失”にある。具体的には社会保険庁のずさんな対応による年金不信。そして、地方の疲弊によるものだ。民主党を積極的に選択したというものではないだろう。
 
 選挙後、有権者の一人から「今の民主党は“お試し期間”だ」と言われたことがある。言い得て妙だ。我々は、今回のテロ特措法を試金石として、年金問題、政治とカネの問題などあらゆる課題に対し、どういった対応を取るか、その一挙一動を国民から見られている。「こんな行動を取っているようでは、民主党には任せられない」と感じさせるのか、「民主党には政権を取る実務能力がある」と思われるのか。これからのすべての対応で判断されるのだ。
 
 どういった国会対応になるか、どんな局面に出くわすのか。現時点では見えないが、すべての行動が採点され、次期総選挙でそれが跳ね返ってくることを考えた上で、責任を持った行動をしていかなければならない。
 
(まえはらせいじ/前民主党代表)
 

※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。

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