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「西山太吉訴訟」控訴審、証人申請を却下 傍聴報告(JANJAN)
http://www.asyura2.com/07/senkyo42/msg/864.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 10 月 05 日 22:21:05: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.news.janjan.jp/government/0710/0710043402/1.php

2007/10/05
  
「西山太吉国家賠償訴訟」の控訴審第2回口頭弁論が10月3日午後、東京高等裁判所で開かれました。

 出廷したのは、裁判官3名(大坪丘裁判長・宇田川基裁判官・新堀亮一裁判官)、控訴人側2名(控訴人本人の西山太吉さんと、控訴人代理人の藤森克美弁護士)、被控訴人側3名(国指定代理人)、書記2名。約35人が傍聴していました。

 沖縄密約

 35年前、沖縄の返還交渉で日米政府が密約(米国が支払うべき原状回復費400万ドルを日本側が肩代わりする)を交わしていたことをスクープした西山太吉さん(当時、毎日新聞記者)は、国家機密を漏洩したとして、(密約を示す電信文を提供した)外務省女性事務官とともに有罪判決を受けました。00年と02年、密約を裏付ける公文書が米国で発見され、西山さんは、05年4月、損害賠償等を求め、国を提訴しました。

 一審は除斥期間を理由に門前払い

 2年間の審理を経て07年3月に東京地裁で出た判決は、被告側(国)の主張を全面的に認め、除斥期間の20年を過ぎたことを理由に、原告側の訴えを棄却するというものでした。裁判の争点であった密約の存在には言及せず、中身についても審理せず、いわば門前払いをした東京地裁の判断に対し、司法の役割を放棄するものとして、新聞各紙などから厳しい批判の声があがりました。

 裁判が始まって1年目、当時、交渉に当たった日本側事務方トップの外務省アメリカ局長だった吉野文六氏が、北海道新聞記者の取材に、密約を認める発言をしました。さらに、河野洋平外務大臣(当時)が朝日新聞記者の取材に、吉野氏に対して口止め工作をしたことも明らかにしました。

 米国の公文書に続き、交渉の当事者であった吉野氏が自ら密約を認めているにもかかわらず、一貫して「密約はなかった」とウソをつき続けている日本政府に対し、政権寄りの偏向報道との批判の多い読売新聞までも、「政府はもう密約を認めてもいいのではないか」と社説で批判しました。

 控訴審始まる

 原告側は07年4月、東京地裁の判決を不服として控訴、7月23日に東京高裁で第1回口頭弁論が行われました。藤森弁護士の傍聴報告によると、控訴人側からは、控訴の理由書、証人申請(吉野文六氏と、吉野氏に口止め工作をした河野洋平・元外務大臣)、準備書面、西山太吉著『沖縄返還―「情報犯罪」』が提出され、被控訴人側(国)は、答弁書で反論し、本件控訴には理由がないとして棄却を求めました。

 吉野氏らの証人尋問申請は却下

 今回の第2回口頭弁論では、控訴人側が求めていた吉野氏らへの証人尋問について、裁判所の判断が眼目であるとの印象を持ちましたが、その期待もむなしく、大坪裁判長によって告げられたのは、「証人尋問の必要はないというのが裁判所の判断」というものでした。裁判は、わずか10分にも満たない短いもので、証人申請却下を裁判長が告げたほかは、双方が提出した準備書面の確認と次回の期日を決めたことだけで、終了しました。

 弁護側の説明会

 閉廷後、藤森弁護士の説明会がありました。藤森弁護士によると、吉野氏と河野氏のほかに、検事3名(西山さんの刑事裁判の担当検事)の尋問申請もしていたそうです。しかし、いずれも「その必要はない」と却下されました。その理由について、藤森弁護士は一連の「吉野発言」は新聞などで報じられていること、また、外務省が吉野氏に対して守秘義務違反等の抗議をしていないことから、あえて証人尋問という形をとらなくてもそれが事実であることが分かる、という裁判所の判断があったのではないか、との説明がありました。

 また、西山さんがスクープした原状回復費400万ドルの位置づけについて、控訴人側は、それが国家機密であっても保護に値する秘密ではなく、佐藤(栄作)政権の権力犯罪そのものであり、当然、(西山さんは)無罪であると主張していること、それに対し、国側は仮に密約があったとしても有罪は変わらないとしていることなど、双方の主張の争点について説明がありました。藤森弁護士はまた、1962年の日米共同声明で大枠がすでに決まっていたことは客観的事実である、と述べ、裁判所がどう判断するのか、もし、一審と同じように除斥期間からスタートすれば(控訴人側は)裁判所に対し、判断に遺漏があったと主張する方針についても言及しました。

 結審は

 「次回で結審か」との質問が出ましたが、藤森弁護士は「次回で必ず結審する」と答えました。国側が答弁書の中で、仮に密約があっても有罪判決は覆らない、と言っていることについて、「それは間違っている」と藤森弁護士は反論しました。

 西山さんも、「この秘密は保護に値しない。違法秘密であるとこちらは主張している」と述べました。また、国側が密約だけでなく、仮に違法行為があったとしても20年以上経過している、と除斥期間でもガードを固めていることに対し、「違法であるか否かを審理するのが司法の重大な役割であり、違法があったとしても関係ないとするのは司法のレベルの低さを露呈したもの」として厳しく批判しました。

 筆者の感想

 西山さんは大変お元気そうでした。沖縄を初め全国各地で講演などを活発に行っているらしく、10月9日には新潟の大学で、西山さんが07年5月に著した著書『沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟』(岩波新書)について200人の学生に講義をするそうです。この本は、内容が大変分かりやすいという評判で、本を読んだ学生たちから「とても分かりやすかった」という感想文が寄せられているそうです。この本を読んだ高校生からも、同様の感想が寄せられているということでした(筆者注:『沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟』は版を重ね、現在第3刷)。

 世代を超え、多くの人が西山さんのこの著作に関心を寄せるのは、大変複雑で難しい問題を、「みんなが読んで分かるように工夫して書いた」と西山さんが述懐しているように、高校生が読んでも分かるような内容であると同時に、日米軍事同盟の強化や、グアム移転費を含む米軍再編の費用3兆円を日本が負担するといった、著しく不均衡な現在の日米関係の出発点が、この沖縄密約にあることを、多くの人たちが理解しているからだと思います。その意味で、この裁判は極めて今日的な裁判であることが分かります。
(ひらのゆきこ)

◇ ◇ ◇

おもな関連記事:沖縄密約 厳しく政府批判〜外国特派員協会で西山さん




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