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小沢辞任騒動、防衛疑惑、パキスタンの崩壊(天木直人のブログ 11/05)
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 11 月 05 日 15:52:17: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年11月05日

  小沢辞任騒動、防衛疑惑、パキスタンの崩壊


 小沢民主党代表辞任をめぐる百家争鳴でマスコミは当面持ちきりとなる。しかしこれは壮大な時間の浪費だ。政治的茶番劇だ。こんな混乱に惑わされて世の中の動きを見失ってはいけない。日本や世界で何が起きているのかわれわれは今こそ冷静に考えるべき時にある。
 残念ながらにほんの政治は混乱と迷走が続くであろう。今の時点で誰がどのような評論や解説をしても、それらに大差があるはずはない。ありようはない。解説をすればするほど、真実を知れば知るほど、国民は失望、絶望することになる。あきれ果てる事になる。だから私はこのブログで自分の意見を気色ばんで書く気はない。
  しかし何も書かない訳にはいかない。私は8月はじめからこのブログで、テロ特措法延長反対の小沢発言とその後の迷走について断片的に書いてきた。だからその最終回としてこのブログを書く。
  もし読者に暇と関心があれば、8月はじめから断片的に書いてきた小沢発言に反する私のブログを、今一度時系列的に読み直していただきたい。私の分析は見事に当たった。その勢いで、私は、小沢騒動をめぐる一連のブログの最終回において、わが国政治の今後の方向性について、希望的観測をまじえて次のように問題提起する。

 1.小沢民主党は終わった

  「自公政権を下野させることが政治を変えるための始まりである」と考える人達にとって、小沢一郎は民主党最後の「切り札」であった。政権交代を果たせるのは民主党しかない。そして小沢一郎以外の人物で自民党に総選挙で勝てる者はいない。私もそう思ってきた一人である。
  しかし、私の場合は、民主党にも、小沢一郎にも、特段の思い入れはない。あくまでも、自民党に抗する野党第一党の民主党を応援するという事であり、その民主党を総選挙で自民党に勝たせるのは小沢一郎しかいないから小沢一郎を応援する、ただそれだけである。だからその可能性がなくなったとすれば、小沢民主党に対する期待も、評価も雲散霧消する。感情的なこだわりは何もない。
  この期に及んでも小沢代表を引きとどめたいと考えている者が民主党の内外にいる。そしてそのような者の中には、小沢辞任劇の背景には自民党やメディア、そして米国などの陰謀があるなどと言ったりする。小沢自身も辞任の記者会見でそういう事を口走っていた。
  情けないと思う。とんだお門違いだ。世の中には陰謀はつきものだろうが、かりにそうであっても自分に隙がなければどのような陰謀にも抗する事ができるはずだ。小沢民主党の信奉者たちは「裏切られた」とはっきりと認めるべきだ。
  私は心情的には小沢に見果てぬ夢をかなえさせたいという気持ちがあった。しかし残念ながら小沢は自らその可能性を捨てた。自滅した。私ががっかりしたのは、辞任会見で「今後も一議員として活躍したい」と発言した事だ。自ら政治生命を賭けると公言して臨むはずの総選挙から敵前逃亡した小沢は、安倍前総理と同様、もはや政治家を続ける意味はない。小沢一郎も小沢民主党も終わった。そこから今後の政治のすべてをはじめるべきだ。

2.民主党の限界と菅直人の決断

 小沢の辞任発言以上に残念なのは民主党の体たらくだ。本来ならば即刻新代表を選んで総選挙体制を立て直すべきである。ところが小沢の後を次ぐ代表を見つける事ができないばかりか、総選挙に勝つためには小沢しかいないと、小沢を引きとどめようとしている。そんな民主党に未来はない。
 また、仮に小沢が慰留されて代表にとどまるようであれば恥の上塗りだ。
 だからといって、岡田とか枝野だとか野田とか仙石とか、世上言われているような連中が民主党代表を引き受けても、もはや参院選を勝利した時の勢いを回復することはできないだろう。どのような体制になろうとも、今後の民主党はもはやかつての民主党ではない。
  動揺する民主党を前にして、自民党は参院の民主党議員を引き抜きにかかるだろう。今度の小沢民主党党首の辞任で、福田自民党が喜ぶのは早計だ。今の民主党が続く限り、今後6年間は参院は民主党が多数を占める。民主党が分裂しない限り6年間は逆転現象が続く。だから自民党のバトルは、民主党を分解させるか、民主党議員の一部を引き抜いて参院での多数決をとるまでは終わらない。この事をわれわれは忘れてはならない。
  政権交代の熱が冷めたとたん民主党はがたがたになる。ましてや総選挙での勝利が遠のくと民主党の存在意義は完全に失われる。自民党はそこをついて攻勢に出てくるであろう。民主党は分裂するかもしれない。
  もしそそのような事態が進展するならば、この際菅直人は、政権交代の野望を捨て、自民保守政治に対抗する新たな勢力を結集すべきである。民主党の護憲・リベラル派を引き連れ、自民党の護憲・リベラル派や社民党の有志を束ね、保守勢力に対抗するまったく新しい政治勢力をつくるべきだ。それこそが真の政界再編である。
  今の政治状況では、単独過半数をとれる政党は当分出てこない。いかなる連立政権ができようとも、そしてその連立政権に入っても入らなくても、結束した護憲・リベラル勢力ができれば、その勢力は今後の政治に大きな影響力を持つ存在になリ得る。それを信じて菅直人は一点突破を図るべきだ。

3.社民党は解党的に出直して菅直人に合流すべきである

  民主党以上に絶望的なのが共産党と社民党である。しかし共産党はまだいい。共産党は共産党である。いかなる政党が政権をとっても共産党は資本主義の弊害を批判していればいいのだ。平和を訴えていればいいのだ。「たしかな」万年野党として、権力の悪を追及し、内部告発を続けて自己満足していればいい。その限りの役割はあるし、実害はない。
  しかし社民党の場合はそうではない。福島社民党には、もはや護憲・リベラル政党として国民の期待を取り戻す実力も魅力もない。それに気づくことなくいまだに社民党のアピールを繰り返している。護憲勢力の結集を図ろうとする努力も示さず、いまだに社民党の生き残りを模索しているかのようだ。それは護憲勢力の結集の足を引っ張る行為だ。自滅の道を突き進むだけの時間とカネの浪費でしかない。
  今こそ社民党は解党し、菅直人率いる新たな護憲・リベラル勢力の下に結集すべきである。社民党の議員は自らの不明を自覚し、私心を捨てて、国民の中に飛び込んでいかなければならない。労働組合に担がれて安住するのではなく、国民政党になる努力をすべきである。

4.防衛省疑惑の追及を忘れるな

 小沢辞任劇を一番喜んでいるのは守屋前防衛次官と疑惑政治家たちであろう。あれほど大問題であった防衛疑惑がすっかり報道されなくなった。しかしこの問題をうやむやに終わらせてはいけない。
防衛疑惑の本質は、守屋一人の接待問題、公務員倫理規定違反などという瑣末な不正では決してない。すでに多くの雑誌が報じているように、田中角栄事件を上回る米国軍需産業を巻き込んだ一大防衛疑獄事件の可能性が高いのだ。それだけで政権が吹っ飛びかねない問題であるのだ。本日発売の週間ポスト11月16日号がいみじくもこの点を強調している。
  更に言えば防衛疑獄は日米軍事同盟最優先の外交が生み出した、血税無視、国民不在の政治の落とし子なのだ。どんなに政治が低迷しようとも、守屋事件をきっかけに発覚した防衛疑惑だけは追及を緩めてはいけない。
   ところが見ているがいい。残念ながら今の民主党や社民党は追及する余裕も政治力もない。唯一期待できるのは共産党であるが、共産党は日本の政治からあまりにも疎外されている。共産党がどんなに追及しても、「共産党の言っていることだ」の一言で相手にされずじまいに終わる。
  日本の政治の中に、国民的な支持を得る護憲・リベラル政党を至急つくらなければならない理由がそこにある。

5. 米国の無法から日本を守る政治勢力の必要性

  パキスタンに3日戒厳令が敷かれた。小沢事件でニュースがかき消されている中で、このニュースの持つ意味は大きい。これはパキスタンという国が事実上崩壊した事を意味する。そしてその崩壊の原因は米国の「テロとの戦い」の為に、ムシャラフ大統領がパキスタンという国を差し出してしまった事にある。
  冷静に観察するがいい。米国はイラクを崩壊させ、アフガンを崩壊させ、パレスチナを崩壊させた。そんな米国の外交に従属したエジプト、ヨルダン、サウディアラビアの政権は国民の反発を招いて不安状況強めている。そして今度のパキスタンの崩壊である。要するに米国の外交に振り回される国は、最後はことごとく滅びていくのだ。
  小沢辞任の遠因も、もとをただせば小沢代表がテロ特措法延長に中途半端に反対したからだ。米国の「テロとの戦い」の誤りを正面から追及することなく、テロ特措法などという瑣末な法案の延長拒否にこだわった小沢一郎は、結果的に米国を怒らせ、国内の反発にあい、自らを追い込んだ。
  小沢に「対米従属からの自立」という信念があれば話は別であった。しかし親米保守の小沢にその覚悟はない。テロ特措法反対という自らまいた種で行き詰まったのだ。
  その結果、私が繰り返し危惧してきたように、対米従属がさらに深まる事になる。もはや米国の不当な要求をはねつける政治家や政党は、共産党を除いてなくなる。給油疑惑も吹っ飛ぶ事になる。
  しかし、すでに述べたように、米国に従属する国は最後は崩壊する運命をたどるのだ。
  あらたな護憲・リベラル勢力は、日米軍事同盟から自立し、平和憲法を掲げて日本を亡国から救わなければならない。あらたな護憲・リベラル政党は望まれるもう一つの理由がそこにある。菅直人が率いるあらたな護憲・リベラル勢力は、この一点で結束し、国民を支持を広げていかなければならない。
 6. 小沢辞任に意味があるとすれば
   
   テロ特措法反対の小沢発言から始まり、突如として起きた小沢辞任劇で幕が引かれた3ヶ月あまりの政局の混迷に、唯一意味があるとすれば、それは早晩求められるこの国の真の政界再編を一気に加速させる事になるかもしれないという期待である。それははかない期待であるかもしれない。しかしこの国の護憲・リベラル政治家たちは、どうころんでも日本を救う事のできない自民・民主の政争に自らの生き残りをかけるのではなく、今こそ護憲・リベラルの結集こそ日本を救うのだという信念を持って立ち上がらなければならない、その時が来たと思うべきである。


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