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「今の政治家・官僚であれば不要だ」という認識からの出発 ([公式] 天木直人のブログ)
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投稿者 いっぱつ 日時 2007 年 11 月 09 日 22:53:42: sl92nDep4Wwmo
 

今の政治家・官僚であれば不要だ」という認識からの出発(その1)

 11月8日の朝日新聞に辛酸なめ子という漫画家・コラムニストの「勝手に盛り上がってださい」という意見が掲載されていた。辛酸なめ子なる人物がどのような考えの人かは知らない。しかしこのコラムで言っている事は私がいつも強調している持論を一部見事に代弁している。

 安倍前首相の辞任騒動も小沢民主党代表の辞任騒動も盛り上がっているのは政治家ばかりだ、みんなが「自分に注目している、自分を必要としている」といわんばかりに酔っているようだ、そんな政治家に国政を左右されては国民としてはたまったものではない、という辛酸なめ子は次のように自らの体験に基づいて政治家を一刀両断する。

 「・・・どうも政治家というのは、勝手に盛り上がる人たちのようだ。松下政経塾に取材で一日密着したことがあるが、夜通し政治を語り合ったり、朝礼で誓いの言葉を叫んだりしているうちに、どんどん浮世離れをしていくように思えた・・・」

 そしてそのコラムを次のようにしめくくっている。
 「・・・非現実的な政治ドラマから庶民の気持ちは離れてしまっても、特殊な永田町という舞台では、政治家同士分かり合えるということか。だったら、どうぞ勝手に盛り上がってください。庶民は庶民で政治に期待せず、堅実に生きていきますから」と。
 辛酸なめ子の「勝手に盛り上がっていろ」というこの言葉を投げつけるべき相手は永田町の連中だけにとどまらない。霞ヶ関の官僚もまた同様である。みずから特権階級と勘違いした浮世離れの官僚には国民生活に思いを馳せる者は皆無に近い。そのくせに自分たちは国を動かしているという間違った認識だけは捨てない。捨てられない。なぜならばそれを捨ててしまったら何も残らないからだ。今の官僚たちのほとんどは無理をして自らの「使命」や「生きがい」を捏造しているのだ。

 「政治家や官僚は勝手にやっていろ、我々は政治家や官僚に期待せず、自分たちの事は自分たちで面倒をみて堅実に生きていくから」という辛酸なめ子の姿勢は、その限りで100%正しい。

 しかし、彼女が見落としているのは、国家権力を握る政治家、官僚の特権の大きさとうまみである。「勝手にやっていろ」というだけでは不十分なのである。そうして国民が彼らを突き放すだけではあまりにも馬鹿らしいのである。政治家や官僚が、国民生活に役立たず、勝手に盛り上がっているのであれば、政治家や官僚の特権や優遇された手当てを、民間の世界がそうであるように、厳しく削減しなくてはならないのである。不正を行えば国民と同様に厳しく罰せられるシステムを作らなければならないのである。

 実際のところこの国の官僚には絶大な権力が集中している。我々の生活を規定する法律をつくり、その解釈をほしいままにし、さらには我々の税金を勝手に増税し、そしてそれを流用・着服したり自らの天下りの為に使ったりする。そんな官僚支配を規制できる唯一の存在が政治家であるが、その政治家が無能であるために、いつまでたっても官僚支配を断ち切れないのである。それどころか政・官の癒着が断ち切れないのである。

 この官尊民卑の現状が変わらない限り、「勝手に盛り上がってください」と突き放すだけでは不十分である。彼らは我々の税金を使って「勝手に盛り上がりっぱなし」になってしまう。それではいつまでたっても国民は救われない。どうすればいいのか(続く)。


「今の政治家・官僚ならば不要だ」という認識からの出発(その2)

 8日の各紙がいっせいに報じていた記事のなかに、たった一人の原告が「混合診療」を禁じた国の医療保険制度の根幹を揺るがした、という記事があった。私はこの記事を読んで深い感動を禁じえなかった。

 混合診療の定義と混合診療導入の是非についてはここで説明する余裕はない。読者はそれを知っているという前提で書いていく。

 混合診療を解禁すると、金持ちと貧者の間で治療の格差が生じるという心配は確かにある。しかし、だからといって、保険外の診療を受けたら保険診療分も全額患者負担になるという今の国の政策は、どう考えても患者の負担を不当に重くするものであり、混合診療の事実上の禁止に等しい。難病患者の中にはやむにやまれず保険外診療に頼らなくてはならない場合もあるだろう。それを受けたらすべての医療費が保険外となり全額患者負担となるのは実に粗雑で不合理な政策だ。

 この安易で不当な国の政策を、60歳のがん患者がたった一人で訴えたのだ。そしてその訴えに対し、7日東京地裁は原告の勝訴を認める判決を下したのである。

 この訴訟の一連の経緯を仔細に眺めると、一個人の努力と能力がなしうる仕事のほうが、事なかれ主義の官僚組織がつくるこの国の政策より、はるかに正しく立派であったということがわかる。

 考えても見るがいい。原告はすい臓がんと闘う病人である。その病人が一人で国と訴訟を構えて闘い、そして勝ったのである。難病と闘い、生きながらえるためには保険外療法も必要である、しかしその療法を受けたために本来なら保険の対象となる治療費までも保険外となって全額患者負担となるのはどう考えてもおかしい、そう思って訴訟を決意したが、相談した弁護士に、「混合診療訴訟の経験がない」と断られた。その患者は、それではと、インターネットなどで訴訟に関する知識を一から独学し、ついに一人で提訴するに至った。そして口頭弁論では「混合診療の禁止は法律のどこに書いてあるのか?」と素朴な疑問を国側にぶつけた(8日付読売新聞)のである。

 裁判所の判決は、その疑問に対し、「混合診療について、保険が受け取れないと解釈できる法律上の根拠はない」と明快に答えた。弁護士には「経験がない」と断られ、医師からも「国が禁じているのでこれ以上の治療は続けられない」と断られた患者が、病身の身をおしてたった一人で訴訟を起こし、陳述し、そして官僚の恣意的な法律解釈を覆したのである。これ以上の快挙があるだろうか。

 私は嫌というほど見てきている。官僚が国家権力の上に胡坐をかいていかにいい加減で恣意的な法律解釈、法律適用を行ってきたかを。国民生活のなんと多くの部分において我々は知らないままに官僚の犠牲になっているかを。そんな官僚も、そしてすべての政策を官僚に任せきりにして国民生活を守ろうとしない政治家も、ごく一部の良質な官僚や政治家を別にすれば、まったく不要なのである。いや、不要なだけならまだいい。高給をむさぼり、特権を享受している。それは皆国民が働いて収めた血税によってまかなわれているのだ。我々はこの事をよく認識すべきである。

2007年11月08日


「今の政治家・官僚であれば不要だ」という認識からの出発 | Blog(ブログ) | [公式] 天木直人のブログ
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