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”政権とったらISAF参加” 発言をどう考えるか = マガジン9条
http://www.asyura2.com/07/senkyo43/msg/265.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 10 月 17 日 21:11:21: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.magazine9.jp/isezaki/071017/071017.php

●軍事行為の基本、法的根拠の重要性


編集部
 11月1日に期限切れを迎える「テロ対策特別措置法(テロ特措法)」をめぐり、インド洋上での自衛隊の給油活動について、今週与党は継続の方向で新法を国会提示すると報じられています。その賛否については、後ほどお聞きすることにしますが、まず今のタイミングで出てきた民主党党首小沢一郎氏の「政権とったらISAF(国際治安支援部隊)に参加」という月刊『世界』(岩波書店)の手記が、波紋を広げています。伊勢崎さんはこの文章をお読みになって、かなりの違和感をお持ちになったそうですね。
伊勢崎
 二つの軍事における思想的な問題があります。思想的というとちょっと大げさかもしれませんが、根本的な考え方についての誤りです。
 小沢さんの問題点を指摘する前に、まず軍事を考える際の基礎となる考えを簡単に説明しておきましょう。

 まず、海外派兵を考える際には、どこの国でも、法的根拠に基づいてやっているわけです。軍事用語で言うと、「マンデード」という言葉を使いますが、「どういう使命にもとづいて、どういう武器を持って、どういう作戦をやるのか」ということを決めます。武器の使用基準をふくめて言う言葉です。
 平和維持が目的のものと、効果的に敵を殺す戦争とは、持っていく武器の使用基準は違うはずです。

 ですから、法的根拠がまずあって、軍事作戦のディテールが決まる。何を法的根拠にして兵を出すか。法的根拠が全てなんです。

 その次に、軍事の行使には、3つの概念があります。

1. 個別的自衛権によるもの。

2. 個別的自衛権を発動する国があり、その国が強い利害で結びついているどこかの国と同盟関係にあれば、集団的自衛権で一緒に兵を出す。NATOや日米安保がまさにそうです。

3. 国連としての軍事の行使。これは、個別自衛権も集団的自衛権も発揮できないような例えばアフリカの小さな国で、人道的危機が起これば、国際社会つまり国連加盟国全体として何とか解決しようという。それが、国連憲章の第6・7章に書かれてあることです。外交的な措置がつきた時には、陸・海・空の軍を使うこともあると書いてあります。これが、「国連的措置」であり、英語では「メイジャー」という言い方をします。


 この3つは混同するべきではありません。特に(1、2)と3は、混同してはなりません。
 そして、ほとんどの日本人が知らないというか、頭から抜けていますが、日米安全保障条約には、国連の安保理で(3)、すなわち国連的措置が行われる時には、日米における集団的自衛権は、その時点でストップされなくてはならないと書かれています。これは、日米同盟における法的な根拠の基本です。

 これらのことをまず前提に置いて、アフガンの問題も考えなくてはなりません。しかし、小沢さんの手記を読むと、軍事行使における法的な根拠の決定的な重要性が伝わってきません。

●アフガニスタンで行われてる二つの軍事作戦


編集部
 法的根拠となると、憲法との関係も気になりますが、その問題は「その2」でお聞きすることにして、巷では「政権とったらISAFに参加」の部分が、クローズアップされていますね。 

伊勢崎
 その部分も、もちろん問題です。アフガンで今行われている軍事作戦について説明しますと、二つの軍事作戦があります。OEF(不屈の自由作戦)と ISAF(国際治安支援部隊)です。

 OEFは、9.11後、タリバン・アルカイダへの報復攻撃から始まったものです。アメリカが本土を攻撃されたということで自衛権を発動し、始めた戦争です。戦争ですから、敵はタリバン、アルカイダ、ということで、敵を殲滅することが目的であり、アメリカの持っているあらゆる高度な武器、核兵器は別として、を使ってやっているわけです。その後現在まで、軍事同盟であるNATOの主導になり、集団的自衛権の発動としてNATO加盟国がアメリカと一緒に戦ってきました。NATO主導といっても、実情はもちろんアメリカが主体の戦争です。

 もうひとつは、今、小沢さんが言われているISAFです 。これも日本では、国連が創設し国連が指揮をとっているかのように間違った報道がされていますが、元をただせば「ボン合意」から始まったものです。2001年、アメリカの報復攻撃により、タリバン政権が崩壊しました。その結果、アフガニスタンは焦土と化しました。そこでアフガン人による暫定政権を作らなくてはならないがどうやって作るか? アフガン人の各派をあつめて、カルザイさんをトップにして、アフガンにこれからどうやって民主国家を作るか、という取り決めをしたわけです。この話し合いをした場所が、ドイツのボンでしたので「ボン合意」。

 その付録の部分に、まだ暫定政権はよちよち歩きだから、首都カブールの治安維持の部分で国際社会はお手伝いをしましょうということで、最初に手をあげたのが、イギリスでした。そして後にNATOの主導となりました。
 そしてその前後に、国連が決議をしたわけです。つまりイギリスが口火をきった国際社会としてのサポートは、国連憲章の7章の集団的国連の措置と同一するものだから、全国連加盟国へ協力を要請する、と決議を出したわけです。
 これが2001年の国連安保理決議1386号です。ここでISAFが始まりました。その時からずっと今までNATOの指揮下で行われている軍事作戦であって、ISAFは、国連が創設したものでも、国連が指揮をとっているものでもありません。
 ですからここでの小沢さんの手記の問題は、ISAFをブルーヘルメット(国連平和維持軍)と間違えていることです。間違えているのか、故意にやっているのかわかりませんが。

編集部
 ブルーヘルメットというのは、普通の軍とは違うわけですか?

伊勢崎
 国連平和維持軍というのは、国連が創設して、国連安保理が最高指令官を任命し、最高司令官は国連安保理の命令下におかれる。もっと詳しく言うと、現場に国連安保理が任命した文民のトップを入れ、それが最高司令官を文民統制する。

 そしてもちろん国連ですから、単一で統一された武器の使用基準があります。それはたいへんに抑制されたものです。戦争をしにいくわけじゃありませんから。そして国連憲章7章に書かれてある「国連的措置」の場合にのみ、発動されます。「集団的自衛権」とは、異なります。
 ISAFが、ブルーヘルメットになることは、今後もないでしょう。そして根本的にNATOの指揮するISAFと、国連平和維持軍とでは、日本における法的根拠も武器使用基準も違ってきますからね。

編集部
 なるほど。ISAFは国連決議は出ていますが、日本とは軍事同盟関係にはない、NATO軍の指揮下にあるということですね。

伊勢崎
 例えば、NATOに加盟しているドイツは、OEFとISAFの両方に軍を出していますが、それぞれOEFなのか、ISAFなのかの腕章を付けています。どの法的根拠で本国から送られてきているかが、大事ですから。
 さらに、今、アフガンで問題なのは、ISAFの治安維持ができない状態にあることです。国連承認の平和活動でありながら、相手が攻撃をしかけてくるから、戦争をやらざるをえないことになってしまっている。マンデードの混乱が現場で起こっています。だからなお、危険なわけです。そういった二重の問題があるわけです。

●日本の中立性のイメージが失われたら・・・


編集部
 日本がもしISAFに参加することになったら、法的な根拠がないことに加えて、戦争になっている現場に入って、混乱が重なるだけだということですね。

伊勢崎
 そうです。加えて、私が『世界』でも「美しい誤解」という言葉を使って主張したように、日本は直接的に治安の問題に関与できる、特殊な特性をもっています。それは、SSR(アフガン治安分野復興)という対テロ戦の土台の部分ですね。これはアフガニスタンやイラクに限らず、国連などが紛争地域に特に軍事的にかかわる時には必ず問題になるのですが、多国籍軍の戦闘もしくは平和維持活動が行なわれているところの当事国、現政権の治安装置をどう安定させるかということです。武装解除もその中に入るわけですが、いかに優良な国軍、警察、司法システムをつくってその国を安定させるかが最も重要なのです。
 つまりSSRと、OEFのような多国籍軍の軍事作戦は一体化している。というよりむしろ、SSRが軍事作戦のための土台なのです。

今、アフガン政府はものすごく腐敗が進んでいます。それはどこに現れているか、というと自前の治安装置、警察組織が腐敗し崩壊し、タリバンの振りをして悪さをする。多国籍軍は、誰と戦っているかわからない状態になってしまっているのです。
 アフガンを今、安定化させるためには、いわゆる表面的な多国籍軍の軍事作戦ではなく、もっと根本的なこと、SSRを通じて政局の浄化をすることが必要であり、日本はなぜそこに自らの特性を発揮しないのか、ということです。
 SSRは、武装している連中の武装をといて国家が持つべき治安装置に正当性を与えてゆく作業ですから、説得、ロビー活動が必要です。それをやるには中立の立場であればあるほどいいわけです。もちろん非武装で行うことです。

編集部
 日本の持つ中立性や、特殊性、「美しい誤解」というのは、以前「マガ9」のインタビューでも、「アフガンで私が軍閥の武装解除に成功したのは、日本が戦争をしない人畜無害の国だと思われているからだ」と語ってましたが、
まさにそういうことですよね。日本は、今ならまだそれができますか?

伊勢崎
 できると思います。ただ問題は、あの洋上での自衛隊による給油活動が、目立ってしまったことです。これまで、アフガンの人たちは、日本が国としてあんなことをしていたとは、知らなかったはずです。それが、安倍さんの辞める、辞めないという騒ぎに発展してしまったので、日本がアメリカへ軍事協力していたことを、気づいてしまった。

編集部
 中立性が失われてしまった・・・?

伊勢崎
 ええ。だからこれで洋上の給油を継続したらさらに目立ちます。日本ってそうだったのかと思われる。ましてやISAFとしてイラク本土に自衛隊の歩兵を出す意志があると正式に発表したり、実施したりしたら、ものすごく目立つことになりますね。「美しい誤解」が崩れさりますね。SSRをやれる日本の特性がなくなっちゃう。

 さらにそうした時に、何が起こるかというと、テロリストは日本人を狙います。テロリストらの主張は、イラクから外国部隊を全部撤退することです。日本はソフトターゲットでしょ。僕がテロリストだったら、テロ行為に最大限の政治的な効果を持たせるために、絶対に今、日本人を狙いますよ。

編集部
 えーっ。おそろしいですね。でもけっこう、リアルな話ですね。

伊勢崎
 これはテロリストだったら、普通の思考パターンですよ。だって、最小限の手間(危機管理をやっていない日本人)で、最大の政治的な効果(大きく目立ってしまった日本の軍事的対米協力)を狙うわけですから。
 日本政府は今、日本のNGOに、アフガンから外に出て行けといってます。危ないから。でもこれもまたとんでもないことです。もともと日本政府は、国策としてNGOを出したのです。2002年、東京で第一回アフガン復興国際会議をやって以来、在外公館もできてない、JICAも行けない、もちろん自衛隊も危なくて行かないときに、それでも日本はなんかやんなくちゃいけない、ということでNGOを国策として出したんです。「自己責任」で行ったわけじゃないんですよ、彼らは。
 そういった彼らに、今後もし何かあったらどうするんですか? 今までは自民党が責められたでしょうが、これからテロが起きたら、民主党のせいになりますよ。どうするんですか、と 実は、おとといも昨日も、民主党へ行って、“脅迫”してきたんですよ。

編集部
 脅迫!?

伊勢崎
 そうです。「僕がテロリストだったら、ぜったいやりますよ。どうするつもりですか」って。だって、そのぐらいリスクを伴う政治判断と考えた方がいいですよ。

編集部
 小沢さんは、記者会見で(「政権とったらISAFに参加」)の考えは民主党の総意である、という言い方もされてましたからね。

伊勢崎
 民主党の総意、そんなはずはないと思いますけどね。実は、テロ特措法の新法に対する民主党の対案をつくるため、民主党の議員さん、民主党にもいろいろな方がいますが、リベラルな考えの人たちに、助言をさせていただく機会があったのです。

編集部
 どういう対案を助言したんですか?

伊勢崎
 それはやはり、「洋上の給油活動からは撤退し、高らかに軍事との決別を宣言する」。そして次に考えることは、SSRを根本においた、アフガン政府の浄化です。民主党の勉強会でお話をした時のこと、鳩山由紀夫さんのメールマガジン(10月5日発行)にも書いてあります。

●日本ならではの様々なオプションを検討する時


編集部
 民主党も混乱しているんでしょうか・・・。ところで、政府が閣議決定しようとしている、自衛隊の洋上給油活動の延長については、どのようにお考えですか?

伊勢崎
 今行っている洋上の給油活動は、実はアメリカにとって、はっきりいって、たいした協力ではないというか、あんなガソリンスタンド的な仕事は、わざわざ訓練を受けた官軍にやらせなくても、民間企業にだってできる仕事です。ただ日本の政府にとっては、都合がいい。なぜなら、あそこに自衛隊を出しておけば、ぜったいに安全な地域であり仕事ですから、けが人も死者もでません。もちろん死者がでないことは、大事なことですが、アフガニスタンをいかに安定させるか、世界テロ戦をいかに終結させるかを見据えた当事者意識のある国際協力ではありません。

編集部
 ということは、非常に内向きな、「顔を立てた」的な協力なわけですね。テレビで高村大臣が「ローコストで安全だ」。といってましたが、日本政府にとって、それはそうなんですね。ただ、給油活動であっても、イラクの市民を爆撃している作戦に使われているということで、情報を隠したり、国民に嘘をついたり、そこも納得できないところではありますね。アフガンの和平に役に立っていない作戦なら、いくらローコストでもすぐに止めて欲しい。もちろん憲法違反であることが、もっとも問題ですが。

 さて、ここまで、伊勢崎さんにいろいろと説明していただいて、ようやく状況が見えてきました。多くの市民と同じように、今、アフガンを巡るさまざまな動きや情報が錯綜していて、私も混乱していたのですが、ここで整理してみると・・・一つは、11月1日に期限が切れる、「テロ特措法」をめぐる問題ですね。政府・与党は新法を作ってでも、この自衛隊の輸送給油活動を続けると主張している。これを私たちはどう考えるのか?

そして二つ目は、小沢民主党党首の「テロ特措法には反対だが、政権を取ったらISAFに参加する。武力行使を伴う活動でも、自衛隊派兵はありうる」とする主張についてどう考えるか?

 そして三つ目ですが、政府・与党のやり方も、小沢さんの考え方にも賛成できない。そうした時に、第三の道をどう考えるのか? ということがあります。私たちは「やはり武装した自衛隊を海外に派兵することには反対したい」でも、ただ反対ではなく、アフガニスタンの状況、世界テロ戦争の状況、そしてさまざまな国際協力の方法を知った上で、非武装で日本は何ができるのか、9条を活かした本当の国際協力、アフガニスタンの安定のために何ができるのか、これを考えていくことだと思うのですが。

伊勢崎
 その通りですね。私も今、「武装した自衛隊」のアフガン派兵には、反対です。国連の意義は感じていますが、日本は、たくさんのそのほかのオプションをあまりにも知らないし、今こそ検討するべきですからね。


伊勢崎賢治
いせざき・けんじ●1957年東京生まれ。大学卒業後、インド留学中にスラム住民の居住権獲得運動に携わる。国際NGOスタッフとしてアフリカ各地で活動後、東ティモール、シェラレオネ、アフガニスタンで紛争処理を指揮。現在、東京外国語大学教授。紛争予防・平和構築講座を担当。著書に『東チモール県知事日記』(藤原書店)『武装解除 紛争屋が見た世界』(講談社現代新書)などがある。
 


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