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ただの腸炎のはずが?   「後知恵バイアス」と言う「認知の歪」
http://www.asyura2.com/07/senkyo43/msg/491.html
投稿者 どっちだ 日時 2007 年 10 月 23 日 13:52:18: Neh0eMBXBwlZk
 

(回答先: 医師を襲うトンデモ医療裁判  相互不信を煽り、司法と医師の分断統治を狙う「国家的戦略」か。 投稿者 どっちだ 日時 2007 年 10 月 23 日 13:25:28)

----日々是よろずER診療 から無断転載---------------------------------------
http://blog.so-net.ne.jp/case-report-by-ERP/20071023


ただの腸炎のはずが?(2) [救急医療]  

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患者が、腹痛を訴えて、時間外診療を受診します。 時間外診療の日常のありふれた光景です。 私たち医療者は、そのありふれた症状の中から、重篤な経過をとりそうな患者かそうでない患者を的確に選別することが期待されています。それがいかに難しいことか! この難しさを、私たち医療者は、もっと社会に伝える必要があると私は常々思っています。 そこで今回のエントリーは、そのことを主テーマに症例を提示します。

この難しさを、理解していない人たちは、 人間がもともと認知の歪として持ち合わせている「後知恵バイアス」 http://blog.so-net.ne.jp/case-report-by-ERP/20070618 という歪に基づいて、ある医療の結果が出たことから、時間を遡って、

「あのとき、前医が

○○○を疑い、△△△をしていれば、 ・・・・・・予見可能性

×××という悪しき結果は、回避できたはずだ。 ・・・・・・・結果回避義務

ところが、前医はそれを行わなかった。

だから、前医には過失がある。」

という批判を、無神経に行ってしまいます。

この言い分は、法律上の過失認定で使われてるロジックで、医療過誤も法律に基づいて行われる以上、裁判官は、たとえ無理やりにでも、この型に、我々の診療を当てはめて、賠償を命じます。異論もあるでしょうが、「前医」の立場に立つことが多い現場の人間の一人として、私は少なくともそう感じています。

一般に、私たち医療者が真摯に考えれば考えるほど、とほうもない数の予見可能性が生じしてしまいます。

例えば、腹痛の女性を、アトランダムに予見可能性を考えてみると・・・・・
ウイルス性腸炎、回腸末端炎、急性虫垂炎、虫垂癌、腸結核、帯状疱疹、大腿ヘルニア、消化管穿孔、悪性リンパ腫、大腸癌、小腸潰瘍、クローン病、胃心症候群、O-157による細菌性腸炎、カンピロバクター腸炎、エルシニア腸炎、膀胱炎、腎盂腎炎、アレルギー性腸炎、卵巣出血、月経痛、子宮外妊娠、正常妊娠、卵巣頚捻転、OHSS、腎動脈瘤、腸骨動脈瘤、大動脈解離、腹部大動脈瘤、腹部アンギーナ、上腸間膜動脈閉塞、上腸間膜動脈症候群、スキルス胃がん、膵炎、脾動脈瘤、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸癌、過敏性腸症候群、便秘、尿管結石、急性冠症候群、うつ病、一過性直腸痛、糖尿病性ケトアシドーシス、転換性障害、鉛中毒、砒素中毒、家族性地中海熱、ポルフィリア、サラセミア、FHCS、PID、胆石発作、胆のう炎、肝癌破裂、腹部外傷(DV)、遊離胆嚢の捻転、総胆管結石、尿膜管遺残、体網捻転、腹直筋血腫、内ヘルニアの絞扼性イレウス、腸管異物、膣異物、痔核、胃アニサキス・・・・・・

いかがでしょうか? 事前確率を考慮せずにランダム挙げるとこんな感じです。きりがありません。
はたして、そのすべての予見可能性に、対応することが可能でしょうか? 

答は明らかでしょう。 不可能ですよね。
予見可能性すべてに対応しようしたら時間がいくらあっても足りません。

しかし、どんなにまれであっても、それが起きた結果から時間を遡るわけですから、かならず何か一つはいちゃもんをいえるわけです。それをいかにもわかったように言ってしまうのが、後知恵バイアスの特徴です。

それでも、そんなことわかっていても、多くの医師たちは、患者のために一生懸命診療していると思います。

100000の誠実な診療は、報道を通して伝えられることは少ないが、たった一つであっても悪しき結果の場合は、医師悪しの意図をこめた論調でセンセーショナルに報道されます。 報道の受け取り手である一般の方々においては、そういう報道の背景を十分に考えたうえで、医療を信じるか、不信を抱くかを、自己責任で決めてほしいと思います。決して、報道をうのみにして医療不信を抱くことだけはお止めいただきたいと思います。

前置きはこれくらいにして、本日の症例です。 この症例、どれだけのことが予見可能性として想定できますか? ご自由なコメントをお待ちしております。

症例、 38歳女性  下腹部痛

元来健康。独身。定期服薬なし。 昨日まではごく普通にしていた。今朝より下腹部痛を自覚。痛みは、強くなったり、弱くなったりする。嘔気(+)。嘔吐(−)。食欲もなく昼は食べれず。飲水は可。ゆるい便が一度あった。最終月経は、12日前より一週間。規則的で量も普通であったという。 

このような病歴で、17:35に時間外外来を受診。 受診時バイタル:BP 93/64 HR 77 KT 36.4 RR<20 SpO2 98 来院時の腹痛は自制内で、臍部から両下腹部に軽度圧痛あり。リバウンドなし。腸音はやや低下。

一般に、時間外外来でこういう患者が来た場合は、まず検査をするのかしないのかを判別しなければなりません。ちなみに、この患者を診た医師は、検査なしの対症療法で帰宅させています。
結果を先に知ったものが、この診療をみれば、突っ込みどころ満載にみえてくるのが、まさに「後知恵バイアス」なのです。

この診療の続きは後日   (10月23日 記)

2007-10-23 12:48
共通テーマ:日記・雑感


コメント 1

前書き無しでこの症例を見たら検査するかどうかは悩みます
検査せずに帰すかもしれません

前書きを読んでしまうと、いろいろと怖い疾患が頭をよぎる..
これも「後知恵バイアス」ですね

なにはおいても、女を見たら...から開始です
by こんた (2007-10-23 13:18)

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