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警察の真実−捜査費横領システムの闇(下)【自称「裏金問題を内部告発した現職警官仙波の運転手」の東玲治】(JANJAN)
http://www.asyura2.com/07/senkyo43/msg/805.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 11 月 01 日 11:48:52: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.news.janjan.jp/living/0710/0710304804/1.php

前回記事:警察の真実 −捜査費横領システムの闇−(上)

東さんの話

 「仙波の運転手」の東玲治です。私は、友人にすすめられてホームページをつくって、安上がりの「仙波敏郎さんを支える会」の情報発信をしていますが、それだけではこの仙波のリアリティーというものが伝わりません。それで、こういう集まりを多く持とうと考えました。

 5人以上の人が聴いてくれるなら、どこにでも講演に行きます。関西なら車で日帰りです。もちろん、飛行機で行きたいんですよ、でも、先方さんに負担をかけるのは心苦しいので、私が車を運転します。車の中で、仙波とはいろいろ話しますよ。

 私は、取材記者として愛媛県警を30年間見てきました。ある意味、仙波よりよく知っているようなところがあります。民間人の私は、何を言ってもかまわないのですが、仙波は現職の警官ですから、言ってはいけないことがあります。公務員の守秘義務というのがあります。私が、その辺のところをチェックしています。

 新聞を見ると、官公庁の不正、政治家の不正がいつもニュースになっています。それで、際限がないので不正の追及はほどほどにして、国会では政策論争をやれ、という意見があります。しかし、不正の追及と政策論争は両立させなければなりません。

 仙波の告発したのは、警察の不正です。警察という組織を考えるとき、組織がかかわらないと、不正をできるわけがないんです。これまで、個人の責任として、「トカゲのしっぽきり」ばかりしてきましたが、個人の力では、警察の不正はできないんです。

 今、日本国では、官僚の心が腐ってきています。警察官僚もそうです。仙波のように、正しいことと正しくないことの区別をはっきりつけることのできる人が、少なくなってきています。仙波が嫌いだという人も多いですよ。しかし、彼の言っていることは正しいのです。正しいか正しくないか、このことが問題なのです。

 このまま格差社会が進行していくと、遠からず、日本にもスラムが誕生することになると思います。スラムは、犯罪の温床になります。そのとき、今の日本の警察力では、対応できません。警察の捜査能力は年々低下してきています。幹部が裏金作りで、私服を肥やすことばかり考えているからです。皆さん、警察幹部の家が豪邸過ぎると思いませんか。公務員の給料だけで、あんな大きな家が建つんでしょうか。

 私は、国家公安委員長に舛添さんを起用して欲しいですね。警察の捜査費横領は、中央の警察庁が指令しているんですよ。その責任者を具体的に罰して欲しいですね。

 上意下達ばかりで、下意上達のない警察組織で、35年間、ニセ領収書作りを拒み続けてきたのは、仙波1人です。警察というところは、金太郎飴で、どこを切っても同じ顔が出てくるんです。しかし、この仙波だけは、金太郎じゃないんです。

 警察の裏金作りの内部告発というのは、実は仙波が初めてではありません。松橋忠光(故人)、原田宏二、斉藤邦雄、仙波敏郎と続きます。最初の松橋さんという人は、キャリアで、『わが罪はつねにわが前にあり』(社会思想社)と題する本で、警察の裏金システムを告発しました。しかし、相手にされませんでした。仙波は、4人目で、先の3人は、退職後の告発ですから、現職警官では仙波が唯一なのです。

 平成16(2004)年2月、北海道警ナンバー3にまで上り詰めていた原田さんが告発に踏み切りました。そして、原田さんの部下であった斉藤さんが、証拠書類を携えて、それに続きました。斉藤さんは、53歳で早期に警察を退いた人ですが、「裏金作りをしている自分が若い警官に訓示をたれるのが、辛かった」と言っていました。彼はあまりに辛かったので、53歳で警察を辞めてしまったわけです。

 裁判には、どうしてもお金がかかります。弁護士費用はかからないんですが、印紙とか証人を呼ぶとか、いろいろ金が出て行きます。それでカンパをお願いしています。


感想

 アメリカの警官には殉職者が多いが、日本の警官には自殺者が多いそうである。日本の警官は、犯罪と戦う前に自ら死を選んでいるのである。特に、若い警官の自殺が後を絶たないと言う。最近、警察学校を出た人に聞くと、「自分が自分でなくなってしまったような気がします」とのことであった。

 自分を失わせるのが、警察学校の役割なのだろうか。仙波さんのような自分の判断力を持つ人を排除するのが警察学校の役割なのだろうか。日本の警察がストレス社会なのだろうということがその出発点から窺えるのである。

 1つの大きなストレスは、ノルマ至上主義である。交通違反の摘発件数、少年補導件数、泥棒の検挙件数、暴力団事件の検挙数などありとあらゆるところに「努力目標」が設定されている。冤罪事件は、このノルマ至上主義と無関係ではあるまい。これまで、警官のノルマのために犯人にされた人は、多いのではないか。

 もう1つの大きなストレスは、今回のテーマになった捜査費横領システムの存在である。上意下達のピラミッド構造なので、警察幹部が私腹を肥やすのにこの裏金が使われている。一方、捜査現場では、警官は身銭を切って犯人を追いかけているのである。この組織的犯罪システムが、警官の精神を深く蝕んでいるであろう。捜査費横領システムは、形を整えて、黒を白といおうとしているのである。それは、形さえ整えれば、白を黒とでもいえると考える精神を生まないだろうか。

 仙波さんは、この上意下達の組織で、24歳で巡査部長になって以来、ニセ領収書作りを拒否してきたのである。強い意志力をもって、下意上達を実践してきたのである。彼は、そのために警官としての出世や昇給とは無縁になってしまった。仙波家の払った犠牲は大きいのである。これは、たぶん、裁判に値する人権問題であろう。

 東さんは、「仙波のリアリティー」という言葉を使うが、警官としての信念を曲げることなく生きてきた仙波さんの存在感はちょっと異質である。逆に、彼が克服してきた困難の大きさを想像してしまう。2年前の告発記者会見の後、仙波さんは愛媛県警の取調べを受けたが、取調官は、かって彼が教育した後輩警官だった。その彼が言った。「仙波部長をとても調べられないから、お前やれ、と上のほうから言われたんです」。 裏金で私服を肥やしている県警幹部たちは、仙波さんとの人格の差をちゃんとわきまえているのである。仙波さんには、1分の隙もないのである。それは、仙波さんを身近に見ればわかる。意志力がみなぎり、全身これ正義なのである。正義を取り調べることなどできないのである。

 実は、長男の消防署長刺殺事件については、仙波さんは会場では話さなかった。しかし、それでは後に続く話が理解できない。それで、迷った末に加筆した。『警察VS.警察官』(講談社・原田宏二著)にも東さんのホームページ『ドキュメント仙波敏郎』にもこの事実は書かれているのである。

 これは、少し私の想像も加わるのだが、長男は、「仙波の息子」なるが故に、消防署内で辛い思いをしていたようである。警察署と消防署は火災現場などで協力しなければならないので、近しいのである。あるとき、年休を取ったということで、長男は上司から暴行を受けた。全治1週間の怪我である。

 そこで、仙波さんが乗り込んでいった。その結果、消防署が仙波さんに謝罪、長男は中央消防署に短期異動になっている。そうした流れの中で刺殺事件は起こり、司法処理されていったのである。「計画殺人ではない」という長男の主張は何一つ聞いてもらえず、警察の取り調べも裁判も「仙波の息子」なるが故に、公正なものではなかったようである。懲役12年であった。長男は今刑務所の中である。

 講演会後、主催者の用意した10人ほどの夕食会の席に私もいた。東さんの右隣、仙波さんの右はすむかいに腰を下ろした。仙波さんの向かいには女性が2人座っていたが、彼は女性たちとの他愛のない会話を楽しんでいた。いかめしいだけの人ではないのである(高知の元気な女のことをハチキンというが、それが男4人分という意味だと聞いて、仙波さんが高知県人の発想にひどく感心、そのことで盛り上がったのである)。

 彼は、「街を歩いていて、右翼や暴力団に整列されて、『仙波さんがんばってください』といわれるんです。やめてくれ。おまえらに言われとうないわ。おまえらといっしょにするな。と言ってるんです」という話をした。私が、「それは、おもしろいですね。いいじゃないですか。かわいいじゃないですか」と軽口をたたくと、仙波さんは下を向いた。たぶん、私に対する怒りをかみころしていたのだと思う。

 母子家庭だった仙波さんは、母親に、「男が1度決めたことは、最後までやりぬけ」と言われて育った。事実、彼は、そのように人生を歩んできたのである。彼は、正義の人だが、度胸の人でもある。彼には迷いというものがないかのようである。母親の教えを肉体化しているからであろうか。警察という巨大組織を相手に、彼の状況判断はいつも的確であるように思える。やはり、25万分の1の警官なのかもしれない。

 この上なくハードボイルドな取材の最後に、私は、仙波さんに握手を求めた。確かに、それは武道8段の握力であった。そして、確かな体温を感じ取ることもできた。


追記

 これは、警察の将来、日本の未来にかかわる大問題のはずだが、ジャーナリズムはおよそこの問題に冷淡である。想うに、警察は彼らのネタ元だからである。機嫌を損じるのが怖いのである。しかし、そんなことでジャーナリズムといえるのか。

 もう1点、ジャーナリズム内部にも裏金が存在しているからであろうと、私は想像している。最初は威勢のよかった北海道新聞も高知新聞も今は元気がない。警察側からのカウンターパンチが効いているのであろう。

 執筆に当たり、『警察VS.警察官』(講談社・原田宏二著)と東さんのホームページ『ドキュメント仙波敏郎』を参考にさせていただいた。
(成川順)

◇ ◇ ◇

関連サイト:仙波さんを支える会通信

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