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白川勝彦:給油再開の賛否のギャップ7% = 永田町徒然草
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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 11 月 13 日 17:43:05: mY9T/8MdR98ug
 

永田町徒然草 No.612

今日の衆議院本会議で新テロ特措法案が可決されて参議院に送付される。いよいよ参議院で審議される。参議院では民主党提出のイラク復興支援特別措置法廃止法案が優先して審議されることになっている。与党が考えているほど、新テロ特措法は簡単に成立する見込みはない。“ねじれ”国会の本番がいよいよ始る。

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今日の『日本経済新聞』には、一面トップに大見出し“「大連立評価せず」55%”、小見出し“評価は27% ── 民主支持28%に低下”という記事がある。これはきわめて異例のことである。『日本経済新聞』は、かなり大きな政治的出来事があろうと経済的記事を必ずトップに掲載する新聞という印象が私にはある。私はそれを非難いる訳ではない。その頑固さが『日本経済新聞』の“売り”なのだろうと思っている。

今日の記事そのものは別にどうってことはないない。日本経済新聞社が11月10〜12日に実施した世論調査の記事にすぎない。『日本経済新聞』が“売り”のスタイルを捨ててまで報ずるほどのものではない。この世論調査の記事を読んでいると、国民の考えも現在の時局にどう対処したらよいのか定まらないところがあるようである。『日本経済新聞』が頑固なスタイルを崩しているように……(笑)。

世論調査については、いつも紹介している『朝日新聞』の世論調査に基づいて論評したいと思う。だから今回の『日本経済新聞』の記事に関する論評はしない。しかし、小さな記事だが興味ある部分があったのでこれを紹介する。

 給油再開 賛成44%

── 反対37%  3回連続で支持多数

日本経済新聞社の世論調査では、インド洋での海上自衛隊による給油活動を「再開すべきだ」とする回答が44%と「再開すべきではない」の37%を上回った。給油活動に関する質問は4回目だが、11月1日いっぱいでテロ対策特別措置法が期限切れとなり海自が活動を停止して以降では初めて。2回目で活動を支持する意見が不支持を上回った後、3回連続で支持が多数を占めた。

「再開すべきだ」と回答したのは自民支持層の60%、民主支持層の38%で、支持政党による違いが鮮明だ。ただ、前回との比較でみると活動への支持が自民支持層で8ポイント低下する一方、民主支持層で4ポイント上昇する結果になった。同様に不支持についても自民支持層で5ポイント上昇、民主支持層で8ポイント低下した。

支持政党なしの無党派層では「再開すべきではない」が19ポイント上昇し50%となった。「再開すべきだ」は15ポイント低下の23%だった。

8月調査でテロ特措法延長反対が50%を超えていた状況と比べると、給油活動への理解は進んだことが読み取れるが「再開支持」はなお過半数には届いていない。世論の動きは再議決するかどうか、野党が提出を検討する問責決議案を巡る議論にも影響を与えそうだ。

いつもいっているようにインド洋における給油活動をどうするかは、わが国の外交防衛政策の基本に関する問題であり、その是非はきわめて重要である。また憲法解釈に絡む問題であり、テロとの戦いとは何かを議論してはじめてその是非がいえる難しい問題でもある。情報量でいえば、政府与党側の情報が圧倒的である。また日米友好関係の継続やテロ撲滅ということは、ほとんどの国民の考えである。それにもかかわらず、「再開すべきだ」が44%、「再開すべきではない」が37%なのである。

この問題についての 44−37=7%というギャップは、かなり小さいと私は考える。自公“合体”政権としては、情報操作力やマスコミのバックアップがあるにもかかわらず国民の説得に成功していないのである。この程度のギャップは、野党ペースで行われる参議院の審議の過程が正しく報道されれば逆転する可能性すらある。こういうことだから、大連立などという奇策を考えたのかもしれない。『日本経済新聞』が売りの頑固なスタイルを破って今回の記事を一面トップで報道したのも、自公“合体”政権に頼まれたかその苦境を慮って行ったというのは、私の深読みすぎであろうか

新テロ特措法案については、アメリカも絡んでこれからありとあらゆる情報操作や工作が行われるであろう。まさに現在のわが国の政治の中心的テーマなのである。だからこそ、私は少々理屈っぽいことを含めていろいろな面からこの問題を論じているのである。私は反米主義者でもないし、自衛隊違憲論者でもない。しかし、自公“合体”政権のアメリカ盲従主義には反対だし、自公“合体”政権の防衛政策は戦後のわが国の国会で行われてきたものを明らかに逸脱していると考える。そのような風潮の中で、防衛省の幹部が接待漬けになったのだろう。自公“合体”政権の責任は重い。

それでは、また明日。


 

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