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原田武夫  天皇陛下の「外来魚を憂慮」発言から投資家が考えるべきこと
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投稿者 新世紀人 日時 2007 年 11 月 20 日 18:12:28: uj2zhYZWUUp16
 

http://money.mag2.com/invest/kokusai/
天皇陛下の「外来魚を憂慮」発言から投資家が考えるべきこと


増殖する外来魚を憂慮される天皇陛下

11月12日、日本の各メディアは大変興味深い記事を一斉に配信した。

その前日の11日、天皇陛下が滋賀県・大津市の琵琶湖で行われた「第27回全国豊かな海づくり大会」の式典にてごあいさつされた。その際、天皇陛下は自からが皇太子時代に米国から持ち帰った外来魚のブルーギルが琵琶湖の生態系を脅かしていることに言及され、「当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果になったことに心を痛めています」とのお言葉を述べられたのだという。


天皇陛下は魚の研究家でもあるが、1960年に訪米した際、シカゴ市長からブルーギルを寄贈された。そして、そのブルーギルは水産庁に手渡されたのだと報じられている。


昨今、環境問題が再び盛んに叫ばれている。その中でとりわけ大きな問題となっているのが、「外来種」の異常繁殖の問題だ。専門的には生物多様性の問題ともいわれるが、要するに生命力の強い外来種がか弱い在来種を駆逐してしまう事態が多発しているのである。魚の世界もその例にもれず、さまざまな問題が指摘されているが、その典型例がここでいう「ブルーギル」だ。戦後の食糧難の時代に移入されたものの、日本の環境に過度なまでに適応。その結果、在来種である貴重な小魚たちを食い荒らしているわけである。


自然科学者として高名でもあられる天皇陛下が、そうした状況をお嘆きになられたとも思える今回のお言葉。しかし、これを聞いて私たち日本の個人投資家は、字面だけで陛下の「真意」をとらえてしまって良いのだろうか?


「小道具」から「主人公」になった米国流金融資本主義

世界中の経済・政治ニュースを選りすぐり、公式ブログでIISIAデイリー・ブリーフィング(無料)を読者の方々にお届けしている私の耳には、今回の「お言葉」はそのようには決して聞こえないのである。


現在の「象徴天皇制」をめぐっては、未だに日本社会の中で見解が分かれている。しかし、外交官として天皇皇后両陛下のオランダ御訪問(2000年)、そして秋篠宮同妃両殿下のドイツ御訪問(1999年)に随行した経験を持つ私が思うに、天皇皇后両陛下を筆頭とした皇族の方々ほど、「日本という国家」についてお考え続けになられている方々はいない。外交官として随行させて頂く中で、皇族の方々の一挙手一投足から、そのことを肌身に感じとったことを、今あらためて思い出す。


象徴天皇制において、天皇陛下はいかなる形であれ「政治的発言」をなさる訳にはいかない。しかし、だからこそ陛下のお言葉をお聞きする立場にある私たち=国民の側が、そこに込められた陛下の真のお気持ちを斟酌申し上げ、自らの襟を正すべきなのではないだろうか。特に世情が混乱した時にこそ、陛下のお言葉の「真意」ほど、実態として重みを持つものはないのだ(陛下のお言葉が持つこうした重大な意味合いについては、拙著『国家の読み解き方』をご一読いただきたい)。


それでは、ここにいう「外来種」とはいったい何のことを指すと考えるべきなのか?私はこれが、戦後まもなくに移入され、とりわけ1990年代以降、日本へと浸透し、いつの間にか我がもの顔で日本を跋扈(ばっこ)し始めた米国流金融資本主義という発想とシステム、そしてそれを支えるファンドや投資銀行といった「越境する投資主体」たちのすべてを指すものととらえたい。それによって日本を取り囲む壁はものの見事にぶち壊され、共同体を貫く暗黙のルールは踏みにじられた。その中で、無意識な「対米追従」だけがはびこり、ついには政治までもが大混乱に陥ってしまっている。


日本は、近代国家システムの原理原則であった「資本主義」を受け入れるために、明治維新を遂げた。そして、近代日本の中心に据えられたのが天皇制だったのである。だが、その資本主義はいびつな発展を遂げ、「小道具」から「主人公」へと発展し、その結果、本来であれば「主人公」であるはずの日本という国家そのものが「小道具」へとなりさがってしまった。


しかし、ここに来て始まったドルの急落というチャンスを見落としてはならない。それによってシステムの大転換が起きる今だからこそ、私たち日本人は、もう一度、「自分たちはどこからやってきて、どこへ進んでいくつもりなのか」を考えるべきなのだ。かつて、宮城で拝謁した際、優しいお言葉をかけてくださった天皇皇后両陛下の温かい笑顔を思い出すと、そう思わざるを得ない。


目指すは「次のシステム」

大阪(12月1日)・名古屋(12月2日)・東京(1月19日)で開催する情勢分析セミナーでは、マーケットとそれを取り巻く国内外の環境が激変している現状について、私たちの研究所としての考え方をじっくりと述べたいと考えている。その際、ポイントとなる点は1つ。「今の大混乱の『次』にやってくるシステムは一体どんなものになるのか?」ということである。


私は、率直にいって、次にやってくるシステムにおいては「本物か否か」が問われるのではないかと考えている。ここでいう「本物」とは、地に足のついた、しっかりと自分で考えた思想と、それに基づく行動を行っているという趣旨である。企業にせよ、政治家にせよ、はたまた投資家にしてもそうである。「誰かがこう言っているから」「誰かがこうしたらうまくいっていたから」といった「雰囲気」だけで動き、その結果、大切なものを失なうような者は、一斉に淘汰される流れとなっていくであろう。


世間では、未だに大手メディアに巣食う「雰囲気で動く人たち」が跋扈している。しかし、彼らの垂れ流す「言論」が、今や金融資本主義化した日本の現実の中で、全く役に立たないことは、すでに崩落し始めた日本、そして世界のマーケットを見ても明らかだ。


むしろ大切なのは「次の時代」の主役たちを見つけ出すこと。そして、投資家であれば、そうやって見つけた「シード(SEED、種)」とでもいえる中小企業・ベンチャー企業に対し、自らの考えに基づき、勇猛果敢におしみなく投資していくこと。そうすることによって初めて、この国のためのように見せかけながら、実際にはこの国を食い荒らす「外来種」たちを退治することができるのだ。


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