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北朝鮮だけではなかった偽ドル札づくり
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投稿者 新世紀人 日時 2007 年 11 月 20 日 20:03:50: uj2zhYZWUUp16
 

(回答先: スーパーノート 偽ドル札の秘密 (クラウス・W・ベンダー) ) 「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」より 投稿者 新世紀人 日時 2007 年 11 月 20 日 19:56:19)

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/ea/03/
第3回
北朝鮮だけではなかった偽ドル札づくり

松村テクノロジー社長 松村喜秀氏
2007年8月3日

 北朝鮮のDNAを持つ偽札を追いかけて、わたしたちは中国の瀋陽からタイのバンコクに飛んだ。

 バンコクはわたしにとって思い出深い地だ。1988年のソウルオリンピックに向けて、偽ドル鑑別機を作り、評価を得た我々をあざ笑うかのように登場した精巧な偽ドル札。後にこれを「スーパーK」と命名するのだが、これをはじめて入手したのがバンコクだった。

 鑑別機に改良を施すにはともかく偽札が手元になければ話にならない。そこで、わたしは偽100ドル札を求めて、東南アジアを放浪して歩いた。91年ごろのことだ。

 フィリピン、カンボジア、ベトナム、タイ、ミャンマーなどを訪ね、1〜2カ月に1回だけ帰国してはすぐ出かける生活を2年ほども送った。訪れる場所は歓楽街や売春街など裏の世界だ。身の危険も感じたが、あきらめれば会社がつぶれて、社員や家族を路頭に迷わせることになる。

 ほとんど収入がないまま、蓄えを食いつぶし、子どもたちの貯金通帳にまで手を出しながら探し回った。そして、ようやくバンコクで見つけたのだ。

 売春宿の女将を何回も訪ねて、話をつけ、その街のボスに会わせてもらった。そのボスは「女がほしいのか、麻薬がほしいのか」と聞くので、「偽札がほしい」と打ち明けると、怒り出して帰ってしまった。

 それでもあきらめきれず、翌日も街に出かけた。すると、ボスの使いの男がやってきて、「2万円寄こせ」という。渡すと、代わりに100ドル紙幣を4枚くれた。それこそがスーパーKだった。

 喜び勇んで、その4枚を日本に持ち帰り、社員の協力を得て偽の証拠をつかむのだが、それも大変な作業だった。デザインはもちろん、紙やインクの成分も本物と変わらず、どこをどう見ても偽と思えない。

 思いあまってハサミで4等分して口に入れ、味で比較したこともあった。だが、それでも分からない。ようやく、違いを見つけたのは山形にある研究所の社員だった。

 その札は肖像画の位置がわずかに中央からずれていたのだ。こうして偽札と特定することができた。


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