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枝野幸男「大連立は許されるものではない。戦前は政権奪取優先により政党が自壊した。その失敗を繰り返さない。」−枝野HP
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投稿者 kaname 日時 2007 年 11 月 21 日 00:30:39: 3X28X40b0xN.U
 

今週の発言

Vol.187(2007年11月13日)

この間の民主党をめぐる混乱について、
特に民主党にご期待いただいてきた皆さんに、
心からお詫び申し上げます。
既にご存知の通り、7日の両院議員懇談会で、
連立は考えずに選挙での政権交代を目指すことが確認され、
再出発を図ることになりました。

私は、民主党が大連立を模索するなどということは、
とうてい許されるものではないと考えます。
同時に現在は国会開会中であり、
後に述べる議会の役割を考えると、
混乱は早期に収拾する必要があります。
国民の皆さんのご理解をいただくことは難しいと思いますが、
両院議員懇談会で結論を出した以上、
困難な道でもお詫びしてご理解をいただく努力と、
地道に本来の議員としての活動とを
進めてまいりたいと思います。

大連立が許されない第一の理由は、
選挙による政権交代を訴えてきた立場と矛盾すると受け止められ、
国民の多くの皆さんの理解を得られるものではないことです。
参議院選挙で訴えた約束の中には、
マニフェストに掲げた政策だけではなく、
総選挙での政権交代を目指すという姿勢も含まれていたと思います。
選挙に勝ったら自民党と連立するかもしれないと言っていたら、
これだけの議席はいただけなかったと思います。

さらに重要なことは、
議会の役割をみずから放棄することになることです。

議院内閣制における国会の役割は二つあります。
一つは、内閣総理大臣を選任するという仕事です。
議会の多数派が与党となり内閣を構成します。
そして多数派を背景に法律を成立させて政策を実行します。
もう一つは、内閣=行政府をチェックするという仕事です。
自衛隊の給油問題や薬害肝炎問題、消えた年金問題をはじめ、
内閣の内部チェックでは明らかにならない問題を、
議会での質疑を通じて明らかにする努力をしています。
私も10月31日の厚生労働委員会で、
薬害肝炎問題の解決に向けた質問を行いました。
8日の党肝炎対策本部でも、
厚生労働省は求めた資料の提出に応じず、
悪質な情報隠蔽を続けています。

与党議員はみずからが内閣を構成し支えるのですから、
チェックするとしても内部チェックが基本で、
その役割は相対的に小さくなります。
その分、行政の外側から議会質疑を通じて行政府をチェックすることは、
野党議員にとっての最大の役割ということになります。

議会の中に野党がほとんど存在しない状況になると、
行政をチェックするという機能は圧倒的に低下します。
私が薬害エイズ問題を追及した時は与党でしたから、
与党だから議会でのチェック機能を全く果たせないわけではありません。
また、行政の内部チェックが機能することもあるでしょう。
しかし総与党化すれば、
議会によるチェックが相当に低下することは間違いありません。
そのことが、国民生活に大きなマイナスを与えることは
間違いないと思います。

野党にとって早く政権をとり、
信じる政策を実行しやすくすることは、
政党として最大の目標です。
しかし民主主義である以上、
それを決めるのは選挙という有権者の判断です。
そして政権を決する衆議院の選挙については、
憲法で定められた4年という任期を経た時か、
与党の側が解散を決意した時しか行われません。
政権選択選挙は衆議院の総選挙ですから、
国民の皆さんは一昨年の夏に、
最大、明後年夏までの間は自民党政権が続くという
選択をしたことになります。
総理が代わった以上は解散すべきですし、
参議院の結果を受けて解散すべきですが、
それは制度論ではなくて政治論です。
解散しない不当性は、論戦の中で訴え続けるしかなく、
そのあるべき論に従わなかったことの是非は、
来るべき選挙において問うしかありません。

それまでの間は、
議会の中で与えられたチェック機能を十分に果たすことが、
野党を構成する議員としての国民に対する第一の責任です。
そして、少数ですから難しいことは間違いありませんが、
国会論戦を通じて与党の妥協を引き出すことで、
一部は政策を実現することもできます。
よく野党の「政権担当能力」が問われますが、
政権を担当していない以上は、
現に担当している与党と同じ土俵で比較することができません。
整合性の取れた魅力的な政策を提起することに加えて、
こうした現時点で果たしうる国会内での役割を果たすことによって、
「政権担当能力」を示すというのが王道だと思います。

憲法で定められた機会を待つことなく、
一刻も早く与党になって政策を実現したいとか、
選挙のときに有利なように与党になりたいというのは、
あくまでも政党の事情です。
残念ながら野党となった以上は、
与党のチェックという
国会議員として与えられた職責を果たすことが第一であり、
政党としての都合というのは、
それが早く良い政策を実現したいという善意に基づくものであったとしても、
国会議員としての国民に対する責任を果たした上で、
あるいは少なくとも果たしつつ、
考えることです。

第2次世界大戦中の英国とか、
選挙前に国民に示した上で連立したドイツの例など、
特殊事情による大連立の例外を全否定はしません。
また、自民党が大分裂してしまった場合などには、
政界再編を余儀なくされることもあるでしょう。
しかし、今の日本にそうした特殊事情は存在しません。
衆参のねじれ現象というのは、
憲法も想定している範囲のことであり、
国会での開かれた議論を通じて、
必要な範囲で与野党が協力すれば済むことです。
政策実現という意味でも、
衆参とも与党が多数という状況に比べて、
与党の妥協を引き出すことのできる可能性が高いのですから、
これを生かすための知恵を出し工夫をすることで、
野党としての責任を果たすことができます。
ちなみにこの点では、
最後は決裂しましたが、
国民投票法をめぐる憲法調査特別委員会での
議論の進め方が一つの先例になると考えています。

選挙に勝って政権を取ることは、
政党にとって最大の目標であることはそのとおりです。
しかし現に野党であってもできることがあり、
そうした野党として果たすべき役割を
しっかりと果たすことなしに
選挙に勝つことを優先しても、
国民の理解は結局のところ得られないと思います。

青臭い議論とのご批判もあるかもしれません。
しかし、戦前の政党政治は、
政権奪取、選挙優先の姿勢が党利党略との批判を受け、
政治不信が高まって崩壊しました。
私は軍の横暴が政党政治を壊したというよりも、
政局優先の政党が自壊した側面が大きいと思います。
その失敗を繰り返さないために、
私は今後も原理原則を貫きたいと思っています。
また、国会から与えられている
衆議院決算行政監視委員長としての役割や、
党調査チーム座長として薬害肝炎隠蔽問題の追及、
党人権・消費者調査会副会長としてオウム事件被害者の救済など、
議員として与えられた責任を
地道に果たしていく決意です。

http://www.edano.gr.jp/news_letter.html

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