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急がば回れ(経済コラムマガジン00/11/13号)-徹底的に「改革」すれば壊滅的打撃となるが「改革」の欺瞞も分かったはず
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/470.html
投稿者 JAXVN 日時 2007 年 11 月 21 日 12:50:17: fSuEJ1ZfVg3Og
 

(回答先: 日本は一度医療崩壊による地獄を見る必要が有る 投稿者 町医者 日時 2007 年 11 月 21 日 12:04:08)

「経済コラムマガジン00/11/13(第185号)

・急がば回れ

・政治家とエコノミストの「けじめ」
今週は、趣きを変え、政局の話から始める。森政権の低支持率を受け、次期総理候補の話が出ている。マスコミが伝える、一人の有力候補は自民党元幹事長の加藤紘一氏である。しかし現在の情勢では、すんなり加藤氏が次期総理になることは簡単ではない。

ところで筆者は、加藤紘一氏が色々なメディアで主張している経済政策には強く反対している。これは本誌でも度々取上げていることである。筆者が一番問題にしているめのは、加藤氏が幹事長時代の誤った経済政策を、「あれは間違いではなかった。説明が不十分だった。」と言っているいることである。具体的には「財政再建政策」である。
加藤氏の意見は、「財政再建」を行えば、一時的には景気が低迷することを人々に説明しておく必要があったが、それをしなかったことが当時の政権の失敗と言うことらしい。一方、本誌を前から読んでいる人は理解できると思うが、筆者は、日本の経済の体質を考えると「財政再建政策」そのものが、間違いであると考える。政策の方向が全く逆である。

橋本政権は、経済政策で大失敗した政権である。この結果、自民党は参院選で空前の大惨敗を喫した。そして次の小渕政権は、参院の運営で苦しむことになる。就任したばかりの防衛庁長官が参院で罷免される事態まで招いた。政権維持のため小渕政権は連立政権を模索する他はなくなったのである。ところがこれに反対したのが、橋本政権の主要メンバーの一人である元幹事長の加藤紘一氏であった。加藤氏は、民主党との政権協力を念頭に置いていたと考えられる。しかし今日の小選挙区制を前提に考えるなら、第一党と第二党の政権協力なんて実現するはずのない構想である。むしろ政権運営を難しくした自分達の失政についての責任の方が問題である。

橋本政権の当事者は失脚した。しかし筆者は、単に政権から離れるのではなく、少なくとも政権の主要メンバーは議員を辞職すべきと考えていた。つまり彼等の責任は極めて重大であり、政治家を辞めるのが当然と考えていた。それくらいの大きな失政である。辞めるべき当時の主要メンバーは、橋本首相、梶山官房長官(故人)、与謝野副官房長官(落選中)、そして加藤幹事長の4名である。

ところが彼等は政治家を辞めるどころか、国会議員に留まり、しばしば次の小渕政権の政策に異論を唱えていた。つまり彼等は、自分達が行った政策が間違いだったとは認めていないようである。自分達の失政で、あれだけの経済的困難が発生し、社会を混乱させ、参院で大幅の議席を失ったのに責任を全く感じていないのである。筆者は、これはいわゆる「けじめ」の問題と考える。

しかし「けじめ」はなにも政治家のだけの問題ではない。筆者が問題にしたいのは、経済学者やエコノミスト、さらには専門家と看做されている経済新聞の編集委員や論説委員である。本誌は約4年前にスタートしたが、これまで本誌ではこれらの人々のいい加減な主張を数限りなく取上げ、それに対してその度に「それはおかしい」とクレームをつけてきた。実際、現実の経済の動きをみれば彼等主張のほとんどは間違いであった。しかしこれらの人々は誰も「自分は間違っていた」と認めたことがない。実に「けじめ」のない人々が多いのである。

最近の例では、財政学者や新聞の論説委員が唱えていた「日本国債の暴落説」である。しかしこれも外れそうである。主張が間違っていても、静かに黙っていたなら、皆は忘れてくれるとでも思っているのであろうか。「IT革命」で景気回復と言う主張もこれに近い(日本の不況はそんななまやさしいものではない)。これらを主張している人々はまさに「霊媒師」である。

・政局と経済政策
今、加藤紘一氏の行動が注目されている。野党から内閣不信任案が提出された場合の行動である。採決に欠席するのか、あるいは賛成するのかによって森政権の命運が決まる。しかし加藤氏の行動は本人の意志だけでは決められるのではない。彼を取巻く若手議員の動向がカギになる。若手議員の中心はいわゆる「政策新人類」と呼ばれている人々である。

ここで加藤氏のグループの主張する経済政策が注目される。端的に言えば彼等の主張は「小さな政府」である。競争原理の徹底である。金融機関についても「悪い銀行の整理は当然であり、これを急ぐべき」と主張している。たしかに現在の自民党の主流派が進めている政策とは対立するものが多い。そして彼等の考えは民主党の主流派に近い。今後は彼等と民主党の連係した動きも注目される。

しかし加藤グループの主張をよく吟味すると、これはマスコミの主張に近い。「政策新人類」の主張なんて日経新聞の編集委員や論説委員の主張となんら変わりがない。そして彼等もマスコミの応援を期待していると思われる。

筆者は以前、民主党を「週刊誌の中吊り」政党と表したが、加藤グループも同類である。しかし無責任なマスコミや支離滅裂な都会の無党派層の主張に応えるような経済政策を行えば、日本経済は沈没すると筆者は考える。このことは橋本政権で経験済みのことではないか。また加藤氏は森内閣の不支持率が75%だから退陣すべきと言っている。しかし筆者の感想では、「不支持」と言ってもそんなに強い拒否反応とは思われない。自民党の支持率もそんなに下がっているわけでもない。さらにまだ森政権が政策で大きなミスをしたわけでもない。そして加藤氏のような言い分で内閣が退陣するのなら、日本の政治は週刊誌と写真週刊誌の支配下に置かれることになる。
むしろ筆者は、週刊誌の小渕首相に対する極めて執拗な「ドコモ株取得疑惑」報道を不快に思っていた。しかし週刊誌は、これが受けたと思ったのか、それ以降も首相の座にいる者の身辺を頻繁に取上げている。このようなことが続けば、日本もお終いである。


小渕政権の後半から現在の森政権の経済政策を見ていると、非常に中途半端であり、筆者としては不満である。方向としてはそんなに間違っていないのであるが、政策の規模などがあまりにも小さ過ぎる。今回の補正予算も、財政再建派に遠慮して規模は極めて小さいものである。これでは効果も知れているので、次にまた追加の対策が必要になる。つまり財政の赤字が増え、世間から非難を受けながら、さらに中途半端な政策を続けることになる。

これは戦力の逐次投入に似ており、戦術としては一番まずい形である。そうではなく日本の貯蓄が過剰なのだから、今は財政赤字の累増を覚悟した一段の積極財政が必要である。あるいは先週号までに筆者が主張したような大胆な政策が必要なのである。とにかくこのままでは「ジリ貧」である。

しかしマスコミの非難をかわして、大胆な政策に転換することは世論を気にする今の政治家にとって難しい注文である。そこで筆者は、もう一度社会が混乱するほどの経済の落込みが起った方がてっとり早いのではないかと最近考えている。ちょうど小渕政権が直面したような状況が再び起るようにするのである。つまり加藤紘一氏や民主党にその役を担ってもらえば良いのである。

車で遠隔地に行く時には高速道路を使えば時間の節約になる。ところが時には高速道路の入り口が目的地と反対方向にある場合がある。しかし距離が長ければ、やはり高速道路を利用した方が早く目的地に到着することができる。同様に、東京から大阪に行く場合、新幹線を利用するのが速い。たしかに品川に住んでいる場合、在来線である東海道線で大阪に行く方法がある。しかし大阪とは逆方向である東京駅に一旦戻ってから、新幹線を利用した方がずっと早く大阪に着くことができるのである。

まさに森政権の景気対策は在来線で大阪に行こうとしているのと同じである。方向としては正しいが、時間と労力だけがかかるのである。そこでここは一旦、逆方向と思われる加藤グループや民主党に政権を委ねるのが得策である。彼等が今主張しているような政策を行えば、確実に経済は沈没する。つまり彼等の考えや政策が全くの間違いと言うことが証明されるのである。世論も大きく変わるはずである。そこで始めて大胆な経済政策を行う環境が生まれる。まさに「急がば回れ」と言うことである。

ところで、もし加藤グループや民主党の政権が、彼等の主張している政策でうまく景気回復を実現させたなら大変である。筆者の考えが間違いと言うことになる。その場合には、筆者は率直に誤りを認め謝罪するつもりである。当コラムも絶版である。
しかし反対に筆者が予想しているように、彼等が大失敗したなら、彼等と同じ考えのエコノミストやマスコミには、今度こそは「けじめ」をつけてもらう必要がある。つまり彼等には消えてもらうか、あるいは今後経済についての発言を控えてもらうのである。そうなれば日本にはエコノミストと言われる人々はほとんどいなくなってしまう。しかしそれはそれで「すっきり」してむしろ良いことかもしれない。 」
http://adpweb.com/eco/eco185.html

この事に関連して植草一秀氏もよく引き合いに出しているのが、いわゆる「りそなショック」です。竹中金融財政担当大臣(当時)の「銀行に対し『大きすぎるからつぶせない』という政策は取らない。「TOO BIG TO FAIL」という事はない。」という発言がきっかけで金融危機が起こりかけた時、「改革路線」を堅持するならばりそな救済はありえませんでしたが、日本経済は壊滅的打撃をこうむっていたでしょう。しかし小泉政権は「改革路線」を転換し、りそなグループを助けてしまいました。そして当の小泉元首相は、シンガポールまで出かけてあいかわらず「日本はまだ改革が足りない」とおっしゃっていました。今にして思えば、あの時「壊滅的打撃」を受けた方が、むしろ「構造改革」のインチキが「いやというほど分かった」はずです。どちらが良かったのでしょうか?

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