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政教一致ならぬ「財教一致」政策が進行する京都市教育行政
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投稿者 熊野孤道 日時 2007 年 12 月 01 日 19:35:23: Lif1sDmyA6Ww.
 

政教一致ならぬ「財教一致」政策が進行する京都市教育行政

 京都市では財界と京都市教育委員会の一体化が著しい。そのような政教一致ならぬ「財教一致」あるいは「財教一体」とでも言うべき現状について述べる。

 行政関連機関に経済界・大手マスコミ幹部が参加

 「財教一致」と表現した理由は、京都市の関連機関に財界役員、大手マスコミ幹部が列席していることである。

 例えば「21世紀型教育コンテンツ開発委員会」は「産学公連携」を旗印として、委員長には堀場製作所の創業者にして最高顧問の堀場雅夫氏が就任している。堀場製作所とは「エンジン排ガス測定・分析装置分野で80%の世界トップシェアを握る」(ウィキペディア「堀場製作所」より)大手企業である。また、堀場雅夫氏は京都商工会議所副会頭である。

 また、2007年4月に発足した「京都こどもモノづくり事業推進委員会」では委員長は「京都大学副学長」であるが、副委員長は「京都経済同友会」役員、委員は「京都商工会議所」役員を筆頭に、その他の経済団体の役員が名を連ねる。また、「オムロン」、「島津製作所」、「村田製作所」等の社員が委員でもある。そして注目すべきは、「日本放送協会京都放送局長」、「京都放送」役員、「日本経済新聞社京都支社長」、「京都新聞社社会報道部」関係者等の大手マスコミ関係者が委員を務めている(肩書きは「京都こどもモノづくり事業推進委員会 委員等一覧」より)。本来、報道機関の目的として、国家や行政権力に対する「監視機能」が使命ともいえよう。しかし、こうした行政機関に直接参加することによって、批判的言論を確保することが出来るのだろうか。なお、その他はPTA、市教委や関連省庁の関係者等が参加している。

 さらに、小中学生に対する経済教育施設「スチューデントシティ・ファイナンスパーク」を運営する「スチューデントシティ・ファイナンスパーク運営推進委員会」の委員らも同じく、経済団体、企業、マスコミの関係者が名を連ねる。

 また、京都市の公立学校で進められている「ジュニア京都検定」を実施する「推進プロジェクト」の顧問には、複数の経済団体の役員が就任している。

 制度として組み込まれる学校教育

 「教育」を口実として、各種機関に財界出身者が幾人も列席している事実は既に述べた。そしてこれら機関がどのように学校教育で「財教一致」政策を行っているのかを明らかにする。

 京都市は2006年から「歴史都市・京都から学ぶジュニア日本文化検定」(ジュニア京都検定)という検定試験を公立小学校で実施している。なお、検定の「教科書」である「歴史都市・京都から学ぶジュニア日本文化検定テキストブック」が公立小学校で4〜6年生を対象に無償で配布された(現在の推進プロジェクトHPには「京都市立小学4〜中学3年生には無料配布」と書かれており、当初の事業よりも配布する対象が拡大していることが分かる)。

 このテキストの問題点は大きく分けると、@事実上学校で検定を強制的に受けさせる点、A歴史的記述に誤りがある他、偏向した部分もあること、B特定企業の宣伝記事や広告が含まれていること、である。

 特に「京セラ」や「堀場製作所」といったような特定企業の名を挙げ、さらには創業者を褒めちぎっている記述はもはや「御用教科書」と言っても過言ではない。

 このような「財界検定教科書」(この私の皮肉は二重の意味を含む。一つは財界の意のままに操作されかねない「洗脳教科書」として、そして、財界〈推進プロジェクトの面々を思い出して欲しい〉が作成し「検定」した「公認教科書」)とでも言うべき教材が京都市の公立小中学校で配られているのである。

 なお、マスコミとのかかわりで言えば、このテキストの発売元は「京都新聞出版センター」である。全国書店でも発売中とのことだ。

 そして、さらに拍車をかけたのが、「スチューデントシティ・ファイナンスパーク事業」である。「財界検定教科書」では飽き足らないのか、遂に「財界教化施設」まで作り出す動きに出たのである。実際、既に行われており、廃校になった校舎を利用する形で、小中学生らを対象に「教化」に乗り出している。客観的な言葉に改めるなら、「経済教育」とでもいうのだろうか。それを施設内で行っている。当然、授業時間の中で行われるから、他の授業を削る形で行われる。

 その施設は、「京都まなびの街生き方探究館」とも言われ、各企業が館内に現実とそっくりな模擬商店を開設し、児童や生徒同士での経済教育を行わせている。株を売買したり、商社の制服を着たりと、臨場感溢れる環境ではある。ちなみに、施設内で労働組合の結成やストライキなどを行えばより一層「臨場感」が増すだろうことは想像に難くない。しかし、そういったことは教えていないだろう。

 なお、その「探求館」館長は堀場製作所の堀場雅夫氏である。洒落で恐縮だが、いったいどこまで「儲け方追求館」をすれば気が済むのだろうか。同氏はこの事業のために三千万円を寄付したという。カネの力に任せて何でも行おうとするのはいかがなものか。

 そして、このスチューデントシティ・ファイナンスパーク事業は、民間教育団体「ジュニア・アチーブメント日本」によって進められている。「ジュニア・アチーブメント」はアメリカで誕生し、日本では経済同友会系の財界が立ち上げた。本家のアメリカではIBMなどの多国籍企業のトップが理事になっているという。

 元をたどればアメリカを源流とした動きの中で、こうした計画が着々と進行していることが伺える。スチューデントシティ・ファイナンスパーク事業は日本では東京都品川区などで実施されているとのことで、財界と学校教育との距離が急接近してきている。同時にそれは制度として学校教育の現場に、財界の思惑が組み込まれてしまうということでもある。

 また、これは一部の有名な大企業だけが参加しているに過ぎない。中小企業や個人商店が並ぶ商店街が寂れている実態を考えれば、一体この事業とは、ごく一部の者たちによる企業宣伝に過ぎないということを誰が認識しているのだろうか。言い方は悪いが小中学生に対する「洗脳」を目的とした施設、さしずめ「財界教育サティアン」とでも言うべきか。

 これら財界は営利企業である。従って私は、これら企業が利潤を得ることそのものを全面否定するつもりはない。しかしながら教育、特に公教育において特定の営利集団が、学校教育に介入する行為は許されるのだろうか。身近にある企業、有名な企業が名を連ねているから抵抗感が無いのかもしれない。しかし、例えば特定の宗教団体や政党がカネの力に任せてこうした事業を展開し、児童や生徒らに指導している様を想像してみて欲しい。そのような行為が「憲法違反」あるいは「法律違反」以前の問題として、いかに馬鹿げているかが分かるだろう。だからこそ、現在行われていることを私は「財教一致」と表現しているのである。

 大企業や財界はもう少し、健全な「企業人」として謙虚になるべきではないのか。あまりにも度を越した行為である。教育現場に営利活動の論理を持ち込むべきではない。そして京都市教委も、こうした事業を止めるべきである。財界も「経済目的」なら、教育現場とは違う、別の適切な範囲で市に経済振興策を求めるべきである。現状では単なる企業宣伝、あるいは「ジュニア・アチーブメント日本」といったような特定の団体による特定の価値観の育成や誘導につながることになる。相手はまだ、発達段階の小中学生であり、その辺りを考慮すべきである。

 そして、この事業に児童や生徒と最も接する機会が多い教師の位置づけはどうなのか。「スチューデントシティ・ファイナンスパーク運営推進委員会」の委員らは財界やマスコミの幹部らが多数参加しているが、教師の意見は反映されているのだろうか。この事業は一方的に、上から下へ、児童・生徒そして教師さえも、管理させるために作成された計画としか思えない。同時にそれは、批判的精神を失わせることにもなる。教師は、この「経済教育」でジュニア・アチーブメント日本が作成した「指導者マニュアル」等によって児童・生徒を指導していくようだが、そこに教師の主体性は存在するのだろうか。ただ単に、マニュアルにそって機械的に指導していくのであれば、自動車工場にあるベルトコンベアーのそれと似ている。

 「門川京都市長」候補擁立は民主党の勝利

 民主党が門川大作京都市教育委員会教育長に市長選出馬を打診したのは、京都市議会の与党内の主導権確保の観点からして、したたかであった。自民党にとってはやむなく後追いする形で推薦するようだが、これによって主導権では民主党が一歩先を進んでいる感はある。もっとも門川氏は桝本頼兼現市長の下で教育長として行政を担ってきたのであるから、自民党にとっては何ら支障はない。しかしながら民主党が先手を打った格好である。自民党は複雑な気持ちに違いないだろう。その点では、今回の与党側候補としての門川氏は「民主党主導候補者」とも言える。もちろん、「オール与党候補」であることに変わりはない。

 そして門川氏だが、次の衆院選では民主党による政権交代があるのではと言われる中、民主党の打診を明確に拒否しなかったのは門川氏にとって戦略上、正解だったと言える。おそらく、中央政界の情勢も勘案しながら、注意深く行動しているのだろう。もし、国政で民主党中心の政権が誕生すれば、政令指定都市の市長としてこれほど旨い話はない。民主党が最初に打診した市長として大手を振って市政を担うであろう。

 さて、門川氏であるがこれまで述べてきたとおり、教育委員会と財界との関係は深いものであることがお分かりいただけるかと思う。そんな中、門川氏の出馬は財界にとってこれほど「良い」候補は他にはいない。そういう点で、「門川市長」が誕生すれば「財教一致」がより進行するのではないかと思われる。それに留まらず、市政全般を担うことから、全領域に渡って「財界参入」が広がることが予想される。

 ここまで財界を中心に見てきたが、門川氏は「教育再生会議」の委員でもある。安倍晋三氏が首相を辞任し、同会議は存在感が薄くなったようにも思えなくはない。しかし、「教育改革」で門川氏は「一般的」には評価されていることと、委員を務めることによって国とのパイプもある。財界にとっても、国にとってもこれほど好都合な人物はいない。そして思想的な面においても同様である。衆議院の教育基本法に関する特別委員会(2006年5月)で、門川氏は参考人として次のような発言をしている。「二十年前、京都では、国歌斉唱が全国最低でございました。徹底した論議をし、信念を持って取り組んだ結果、今すべての学校で国歌君が代が立派に斉唱され、不起立の教職員は一人もいません。そうした取り組みを通じまして、確かにイデオロギーの対立は厳しかった、しかし、保護者、市民、教師が、一人一人の子供の学び、育ちに焦点を当てて、本音で話し合い、行動したときに、必ずそうした皮相的なイデオロギーの対立は超えていける、そのように確信いたしております」。門川氏の本当の思想信条は知らないが、少なくとも国の現体制にとって「良心的」な存在であることに違いはない。

 いずれにせよ、全国の「反自公」の有権者からすれば、相乗りであっても民主党が最初に打診した候補者が出馬することで、共産党推薦候補との対決の中でどちらが勝利しても、国政での「野党」が当選したとして、これを歓迎するだろう。しかし、京都の政治状況を考えると、到底それは「野党」が勝利したとは言いがたい。あくまで与党が勝利したことになる。今回の「与党相乗り騒動」は民主党が京都市議会の与党内で主導権確保のために先手を打った「クーデター」に過ぎない。端的に言えば、共産党推薦候補が勝利することで始めて「真の野党」が当選したと解することが出来る。これは、思想信条に関係なく京都の政情を知ればすぐに分かることである。そうでなくとも、国政での「自・民大連立騒動」の関係上、民主党が勝利したからと言って手放しに喜べるものではない。

 話は変わって「ジュニア京都検定」のテキストの裏表紙に稲盛財団の「京都賞」の広告が掲載されている。また、テキスト本文中には京セラの稲盛和夫氏についての文章もある。その稲盛氏だが、同氏は民主党を支持することを過去に明言している。これもまた「財教一致」を推し進める要因になりはしないかと考える。

 最後に話題をひとつ。「ジュニア京都検定」(歴史都市・京都から学ぶジュニア日本文化検定)のテキストが改訂される。「朝日新聞」(2007年11月28日)によれば、「『誇張や歴史認識に誤りがある』との批判が寄せられ」たので改訂することになったという。また、これに関連し、テキストに反対する市民団体が申し入れを行った(「京都新聞」2007年11月28日)。報道を見る限り、申し入れ以前に改訂が考えられていたようである。一体誰が「批判」を寄せたのか興味深いところである。いずれにせよ、テキストの問題点は以前から指摘されていたにもかかわらず、「何故」今頃になって改訂されることになったのか。もはや、その答えは明々白々なので言及することを控えることにして、文の終わりとしたい。


(参考資料)

京都こどもモノづくり事業推進委員会
http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000025465.html

堀場製作所(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E5%A0%B4%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E6%89%80#.E4.BB.A3.E8.A1.A8.E8.80.85

京都こどもモノづくり事業推進委員会
http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000025465.html

京都こどもモノづくり事業推進委員会 委員等一覧
http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000025/25465/meibo.pdf

スチューデントシティ・ファイナンスパーク運営推進委員会
http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000008901.html

ジュニア京都検定 推進プロジェクト
http://www.doyo-juku.com/kentei/project.html

ジュニア京都検定 歴史都市・京都から学ぶジュニア日本文化検定テキストブック
http://www.doyo-juku.com/kentei/book.html

「ジュニア日本文化検定」を子どもたちに押しつける京都市教委の暴走に歯止めを(ねっとわーく京都)
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/513.html
投稿者 熊野孤道 日時 2007 年 11 月 22 日 20:44:33: Lif1sDmyA6Ww.

京都市のスチューデントシティ・ファイナンスパーク事業に対する住民監査請求口頭陳述書
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/705.html
投稿者 熊野孤道 日時 2007 年 11 月 28 日 19:21:01: Lif1sDmyA6Ww.

<京都はずっと「大連立」>自民も門川氏推す 京都市長選/立候補要請へ与党足並みそろう【京都新聞】(どこへ行く、日本。)
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/788.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 11 月 30 日 20:29:37: KbIx4LOvH6Ccw

教育基本法に関する特別委員会における門川大作参考人の意見陳述全文(衆議院会議録情報より抜粋)
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/541.html
投稿者 熊野孤道 日時 2007 年 11 月 23 日 13:54:50: Lif1sDmyA6Ww.

稲盛氏が民主党支持鮮明に 「自民政権で政治が腐敗」 [東奥日報・共同通信]
http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/197.html
投稿者 マルハナバチ 日時 2003 年 10 月 26 日 12:38:55:WjxaaVdW72Wrk

蹴鞠はサッカーの元祖? ジュニア京都検定教本訂正へ(朝日新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/746.html
投稿者 熊野孤道 日時 2007 年 11 月 29 日 17:51:31: Lif1sDmyA6Ww.

「ジュニア検定」中止を申し入れ 京都市教委に求める会(京都新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/747.html
投稿者 熊野孤道 日時 2007 年 11 月 29 日 18:01:33: Lif1sDmyA6Ww.



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