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辻元清美「聞きにくいことインタビュー」 = 辻元清美
http://www.asyura2.com/07/senkyo45/msg/489.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 12 月 22 日 20:38:41: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.kiyomi.gr.jp/blog/2007/12/18-1437.html

10月に行った辻元清美へのインタビューを紹介します。
※本稿はパンフレット「憲法も暮らしも護るデ!」(発行:つじともネット)に収録、配布中です。

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辻元清美聞きにくいことインタビュー
「憲法も暮らしも護るデ!」

★2年間で質問56回、質問主意書36本。

――みんな「辻元節」を期待している。最近おとなしくなった感じがします。

辻元 「ソーリ、ソーリ」のことをよく言われるけど、辞職前も今も仕事は変わっていませんよ。政治のシゴトのほとんどは地味な作業の積み重ねなんです。法案を読んだり、人と会ったり、資料を頭に詰め込んだり……コツコツコツコツ。
それにしても3年半ぶりの国会は、小泉バブルで自民・公明の数の力がすさまじかった! 憲法調査特別委員会では「護憲派の議席」は50分の2、社民党と共産党が1名ずつだけ。本会議の代表質問でも社民党の質問時間は激減しました。私が米軍再編について3分しかもらえず、小泉純一郎総理(当時)に10の質問をぶつけたときも、暴風のようなヤジ。「女は黙ってろ」とか。田中真紀子さんが「すごいわね、あなたへのヤジ」と驚いてました。
沖縄・辺野古の米軍基地新設反対運動の威嚇で自衛隊艦船が派遣され、安全保障委員会で私が久間章夫防衛相(当時)に法的根拠を問うと「札幌雪祭りと同じ。根拠はない」と答弁。沖縄では地元紙一面で報道され、連日取り上げられました。
また私の質問に対し麻生太郎外相(当時)が「核保有議論」を肯定したことで、野党が揃って外相の罷免を求める動きへと発展しました。(辻元清美ホームページで国会審議の記録が読めます http://www.kiyomi.gr.jp/kokkai/minutes/index.html
再起から2年間で、本会議・委員会を合わせて質問回数は56回。本当はもっとやりたいけど割り当てが少ないので、「質問主意書」をドンドン出しました。

――質問主意書って何ですか。

辻元 国会の会期中、所属委員会に関係なく文書で内閣に質問できます。内閣は文書で責任をもって答えなければならない。私は総理の歴史認識や原発問題などを問いました。2年間で36本。特に慰安婦問題では政府と激しいやりとりをし、日本政府の答弁をニューヨークタイムズが取り上げ、アメリカ国内で問題が広がったり、韓国政府が抗議したり、オランダの首相が激怒したりと、国際問題になりました。質問主意書の答弁は閣議決定されるため、非常に重いのです。(質問主意書の詳細 http://www.kiyomi.gr.jp/kokkai/inquiry/index.html

――辻元さんの、国会議員としての一番の「武器」は何ですか。

辻元 私の武器は、数少ない「与党経験のある市民派議員」だということです。官僚や与党内の綱引きも含めて法律策定の過程をたっぷり経験したことは大きな経験です。自社さ政権時代、私は情報公開法や児童買春・ポルノ禁止法、男女共同参画社会基本法、環境アセスメント法の法案づくりや審議にも関わりました。特定非営利活動促進法(NPO法)では、市民との共同作業を積み重ね、自民党の議員とも折衝を重ねて成立させました。その結果、他党や政府内に一緒に仕事をした人が大勢います。「アメーバ人脈」と言っているのですが、超党派の動きをするとき財産になるのです。

――具体的にはどんな場面で活かせるのですか。

沖縄の集団自決をめぐる教科書検定問題でキーマンとなった渡海紀三朗文科相とは、渡海文科相が新党さきがけのとき一緒にNPO法づくりをして以来のお付き合い。この問題では外堀から埋めようと、渡海文科相に影響力を持つ自民党の大物たちに電話をかけました。「沖縄は怒りで燃えていますよ」。直後、私が電話した大物議員の一人が沖縄で「教科書会社が訂正申請するよう政府に働き掛ける」と発言。渡海文科相は、柔軟な発言を繰り返すようになりました。脅し(?)が効いたかどうかは分かりませんが、自民党内に広がった憂慮と符号したのでしょう。
議員連盟という超党派の集まりがあります。私は死刑廃止を推進する議員連盟、自然エネルギー促進議員連盟など23の議員連盟に所属しています。最近では日韓議員連盟でソウルを訪れ、盧武鉉大統領とも意見交換しました。
また社民党・民主党・国民新党の野党三党の議員が集まって「格差是正に取り組む議員有志の会」を作りました。地域・医療・雇用などの格差について勉強会を重ね、所属政党に働きかけて三党で法案を共同提出できないか検討しています

★国民投票法では、野党そろって反対に持ち込む。

――「絶滅危惧種」の社民党に何ができるのですか。

辻元 キビシイなあ。でも、選挙前より社民党の政治力は上がっています。社民党は議席は少ないですが、特に参議院では社民党が入ってやっと野党が過半数になるという重要なポジションにいます。
政治は数より『位置』。社民党の役割は、「国会の碇」になること。世の中がぐぐーっと右寄りになったとき、誰かが踏ん張って「ここに留まれ!」と引き戻す必要があります。国民投票法の審議のとき、委員会では50対2で少数派の社民党が、そういう役目をしました。このとき自民・公明は、民主との共同提案をめざしていました。私は「なぜ、いまこの法律が必要なのか」とあらゆる角度から問題提起。賛成派三党だけで進めたのでは日本中の反対意見が反映されなくなる。一方自公民VS社共という構図にならないよう、民主との折衝にも神経を使いました。
国民投票法は強行採決されたけれど、最後は野党そろって反対を貫けた。民主党が反対に回れば改憲発議に必要な3分の2がとれません。いま自民党は憲法について身動きがとれなくなっています。粘って粘って、何とか実をとりました。
「国会に戻って、憲法改悪を阻止せい」私に与えられた一議席の意味は突き詰めればこれや、と思います。この2年を振り返ると、憲法漬けの毎日でした。

――辻元さんはいつも護憲、護憲ですが、憲法に「環境権」とか「知る権利」が入るなら、変えてもいいんじゃないですか。

辻元 「憲法を変えればすべてがうまくいく」と叫ぶ政治家は、思考停止しているか他の思惑があるのだと思います。
国会で「改憲キャンペーン」を張っている人たちは、現行憲法は古いから「環境権」「知る権利」などの新しい権利を入れて改憲すべき、と主張します。でもそう主張する人ほど、環境問題に無関心だった。私が「地球温暖化防止」プロジェクトチームの与党メンバーだったとき、産業界の利益を代弁していた人たち。サンゴ礁を壊して米軍基地新設を進める人たち。情報公開法の審議で「知る権利」を入れるのに反対した人たち。その多くがいま「環境権、知る権利を入れて改憲を」と主張します。
彼らの狙いは9条です。集団的自衛権の行使を可能にして、アメリカといっしょに世界中で戦争ができるようにする。「自民党新憲法草案」を見れば分かります。「国民が権力をしばる道具」のはずの憲法が、「権力が国民をしばる道具」にひっくり返されています。徴兵制すら可能な文言もある。現行憲法を「押し付け憲法」と呼ぶ人たちは、集団的自衛権の行使こそ「アメリカの押し付けだ」と拒否すべき。

――憲法9条を護れば戦争をなくせる、というのは平和ボケでは?

辻元 アメリカと組んで戦争をしかける道か、非軍事に徹して国際貢献をする道か。憲法9条をめぐる議論は、どちらなら私たちは引き受けられるのか、という選択なのです。私は後者の方がリスクが低く、誇りを持って引き受けられると考えます。そこで、憲法9条をもつ日本だからこそできる政策を提案しています。
その一つが平和調停外交。NGOなどと連携し、和平のテーブルを用意するプログラムは世界中で必要とされています。60年間、軍隊が外国人を誰一人傷つけてこなかったという事実は、日本が思う以上に世界中で評価されているのです。
インド洋で無料ガソリンスタンドを今後何年も開くことが「テロ対策」に有効でしょうか。軍事力だけで国を守れる時代は終わり。グローバル社会ではエネルギー、食料、水などによる安全保障が不可欠です。人道支援こそ安全保障の切り札。日本のリスクを減らすために憲法9条は有効です。

――国民投票でみんなが反対したら改憲できないのでは。

辻元 私が国民投票法に反対していた最大の理由は、国民からの「憲法を変えたい」という声が聞こえないこと。強行採決までして急いでいたのは「改憲原理主義者」の安倍晋三前総理とその仲間が中心で、自民党内にも慎重な声は多かったのです。
法案の中身も問題だらけ。誰もが等しく意見表明できるのが国民投票の基本なのに、公務員や教員の運動規制が盛り込まれている。テレビCMも一定期間以外はやり放題。テレビ広告料は桁違いで、例えば改憲派のCMに対抗して市民団体がカンパを集めて作るのはまず不可能。改憲が金で買われかねません。最低投票率や絶対得票数の規定もなし。投票率40%なら、有権者の5人に1人の賛成で改憲できます。
国民投票の実施は最低3年後ですが、その間「憲法審査会」で着々と改憲案を検討できるしくみになっています。私は国会で、ただの手続き法どころか改憲そのものと地続きだ、と指摘し続けました。

★誰もがボチボチ暮らせる社会は、安全・安心の日本型社民主義。

――憲法と安全保障ばかりで、暮らしの問題には取り組まないのですか。

辻元 私、商売人の娘でしたから、小さな商売をしてる人のことがいちばん気がかりなんです。
国会質問では、大企業優先の税制や労働法制改悪の問題なども追及しています。テレビの討論番組でも格差や少子化問題について、激論を交わしています。私の政策を支えるスタッフには、社会保障や働き方、暮らしの専門家もいて、政策づくりに取り組んでいます。
大企業は空前の利益を上げ、役員報酬や株主配当はうなぎ昇り。でも中小企業は青息吐息。日本の最低賃金は先進国の中でも最低ランク。しかも社会保障が削られ国民の負担増は上がる一方。賃金上昇で国民に入るはずの財産を、そのまま大企業が貯めこむしくみを「小泉改革」が作ってきた。
資源のない日本にとって、経済の根本は「人」しかない。でも生活保護世帯以下の収入で暮らす人たちが増えている現状は、もはや「格差」ではなく新しい「貧困」としてとらえるべきです。

――貧しい人を助けるのも大事だけど、頑張っている人が報われない社会もよくないのでは。

辻元 貧困状態に置かれている人たちが必ずしも「頑張らなかった」わけではありません。個人の努力で埋めるのは困難なほどの格差が、家庭環境など人生の早い段階で生まれているのではないでしょうか。そして、同じ「報われない」でも、自民党が問題にしている「年収2000万円の人が頑張っても所得税で持ってかれる」という高額所得者の不満と、「年収100万円の人がいくら働いても110万円にしかならない」という働く貧困層の問題は、分けて考える必要があります。
それを助長したのが、社会保障を削減し「企業が成長すれば労働者におこぼれがいく」という考えを推し進めた小泉改革です。今はガマンしろと政府も財界も言い続けてきました。でも、ガマンを強いられている間に格差が「貧困増大」になってしまったのです。日本では毎年3万人を超える自殺者が出て国際問題となっていますが、うち8千人が生活苦を理由に命を絶っています。この人たちの死は「自己責任」ではありません、国こそが「加害者」なのではないでしょうか。政治が責任をもって社会のセーフティーネットを作るのは緊急の課題です。
実は、「働く貧困層をどうするか」は全ての人に関わる問題なんです。働いても働いても将来に希望がもてない社会は不安定化します。それが、未来を担うべき若者であればなおさらです。犯罪発生率が増えるし、「仕事を奪われた」と外国人を排斥する気運が起きる。「偏狭なナショナリズム」が力を持つのはこういうとき。「戦争でも起きたら、仕事が増えるのでは」といった気分の萌芽も見受けられます。
小泉元総理が進めた市場原理主義は、アメリカのような監視社会・銃社会とセットです。私はいまこそ、社会民主主義の出番だと思います。

――社会民主主義って、何だかよくわかりません。

辻元 社会民主主義=社民主義は、「勝ち組」が勝ち続けるだけのわがままを許さない、「負け組」が負け続けて限りなく落ちていくのを防ぐ、そういうしくみを政治が工夫し続けようという考え方です。例えばスピード違反の罰金をドライバーの収入によって大きな差をつける、出産の費用を無料化する、「住の格差」をなくすためにフリーターやニートも住める低家賃住宅を社会が確保する、消費税がアップするときは低所得者層には戻し税を出す……そういう方向の一連の政策をトータルに進めていくのが社民主義政治です。共に助け合うことでリスク分散し、誰もがボチボチ暮らせる社会、そんな「日本型社民主義」政策を提案します。
そして、だからこそ憲法にこだわります。9条改悪と暮らしは直結しています。戦争ばかりしているアメリカは戦費が拡大し、暮らしが崩壊。道路もボコボコ、母子家庭の児童への就学援助もカット。イラクの最前線で殺し合いをしている米兵の多くは、貧困層と言われる若者たち。そこに第三世界の若者たちが民間の「戦争請負会社」から派遣されていく。もし9条を変えて集団的自衛権の行使を可能にしたら、日本の貧しい若者たちが地球の裏側で殺し合いをする光景が現実になりかねません。私は、日本をそんな希望のない国にしたくないのです。

――地元に帰ったときは、何をしているんですか。

辻元 車座懇談会や街頭演説、地域の催し物に参加しています。盆踊りのシーズンには一日いくつもハシゴしますが、根がお祭り好きなのでストレス発散!
地元の人と話すと気がやすまる一方で、本当にシビアな暮らしの現実をつきつけられます。自信をもって政策提言したり、政府を批判できるのは、地元の庶民の声を背負っているからです。

――福田内閣のもとでの国会が始まりました。どんな姿勢で臨みますか。

辻元 参院選の結果、国会の情勢は一変しました。参院選では野党が多数を占めているので自民党はこれまでのように思いどおりに法律を通すことはできない。政府与党は思いきったクリンチ(抱きつき)作戦をとり、野党の<子泣きじじい>みたいな存在になってくる。おんぶするとどんどん重くなってきて、最後は動けなくなってしまう妖怪です。それとどう対決していくのか、ということが基本です。

――具体的にはどんな状況が生まれてくると考えているのですか。

辻元 まず、与党側はありとあらゆることに、野党への<協議>をもち出してきます。前国会まであれほど強行採決をやってきた同じ人間が180度方向転換。年金でもテロ特措法でも、与党が法案ゴリ押しをできないから、野党にスリ寄って妥協案を成立させようとする。成功すれば野党も賛成して出来た政策だから、批判される心配がない。与党は安心して政権に居座り続けられる、というわけです。

――そんな簡単にのせられてしまうものでしょうか。

辻元 野党の中には「責任野党」ということばに弱い議員がかなりいます。自分たちの意向が少しでも反映されるなら反対すべきでない。それが大人の態度だ。そういう考えに立てば与党側の<協議呼びかけ>を蹴りにくくなる。

――何でも反対ばかりすればいいもんじゃない、という声がありますが。

辻元 もちろんです。しかし、安易な協調路線をとって、一番カンジンの国会の場での議論の前に談合で結論が出てしまっているような政治をやるのは、国民を裏切ることになります。自民党がちらちらと呼びかけている「大連立」はそうした方向に日本の政治を曲げていく誤った路線です。
私は消費税が「談合増税」になるのを一番懸念しています。そうではなく、国民の前でしっかり議論することが大事です。与党のクリンチ作戦のカラクリをきっちり見抜いていく覚悟で国会論戦に臨みます。
 

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